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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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114/225

第114話 断裂の咆哮、黒金の大剣が穿つ「絶体絶命」

いつも応援ありがとうございます!

カノンの高速撹乱とケットルの油膜弾で、一時的にジェネラルの姿勢を崩したリトル・リンク。

しかし、百戦錬磨の将軍にとって、それは怒りの火に油を注ぐ結果に過ぎませんでした。

大剣に込められる禍々しい魔力、そして地下回廊の岩盤をも震わせる咆哮。

退路を断たれた螺旋階段の前で、五人の絆が最大の試練を迎えます。

最弱パーティ、今日も(震える膝を叩き、明日を掴むために)ちょっとだけ成長中!

「……ふぅ。……空気、……焼けてる。……魔力が、……渦を……巻いて……怖い。……耳の……奥が、……ずっと……キーンって……言ってる」

 ミルが、紅く激しく明滅する**『もう壊さない杖』**を両手で握りしめ、必死に魔力の障壁を展開した。

 吸血鬼の鋭い感覚が、眼前の『オークジェネラル』から立ち昇る、もはや物理的な「熱」と化した闘気を捉えている。

「ガハハ! 冗談じゃないよ! アタシの油膜を、足の裏の摩擦熱だけで焼き切りやがった! あんなの、もう生物の域を超えてるねぇ!」

 ケットルが、**『巨大背負い袋』**の重みを支えながら、必死にパチンコの予備弾を補充した。

 ドワーフの職人眼が見たのは、ジェネラルの鎧が赤黒く変色し、内部に溜まった過剰な魔力を排熱し始めている異常事態だった。

「……論理的に見て、……限界……突破……状態です。……個体識別……、……オークジェネラル・オーバーロード。……自身の……生命力を……魔力へ……変換し、……一撃の……破壊力を……極大化させています……!……環境上書き、……展開……防御……!……間に合い……ません……!」

 セインが眼鏡を指で弾き飛ばさんばかりの勢いで解析術式を組み替える。

 ハーフエルフの計算速度を上回る速さで、ジェネラルの大剣に「黒い雷鳴」が集束していく。

「……あはは、……あんなの……喰らったら……一秒……どころか……永遠に……動けなく……なっちゃうよ……。……足が、……動けって……言ってるのに……竦んでる……」

 カノンが銀靴の踵を鳴らそうとしたが、あまりの威圧感に足元が鉛のように重い。

 背中の小さな羽が、死の予感に怯えてピタリと動きを止めていた。

「……みんな、私の後ろに!! ……セイン、魔力障壁を一点に集中させて! ……絶対に、……ここで終わらせない!」

 クレアが、**『折れたら切ない・ミスリル配合のすんごい斬れ味(予定) of 剣』**を顔の前に立て、決死の覚悟で正眼に構えた。

 ジェネラルの赤い瞳が、さらに深く、暗く輝く。

「……ゴォォォォォォ……ッ!!」

 言葉にならない咆哮。

 同時に、ジェネラルがその場から「消えた」。

 次の瞬間、クレアの目の前に現れた黒金の巨躯。

 振り下ろされた大剣から、漆黒の斬撃波が扇状に放たれ、地下回廊の天井と床を同時に引き裂きながら迫る。

 ズドォォォォォン!!

 地下空間全体が悲鳴を上げた。

 セインの展開した多重障壁が、ガラス細工のように一瞬で粉砕される。

「……がはっ……!」

 衝撃を正面から受け止めたクレアの体が、木の葉のように後方へと吹き飛ばされた。

 ミスリル配合の剣身が、極限の負荷に耐えかねて、甲高い「音」を鳴らす。

「……クレア! ……ん、……ダメ、……これ……以上は……!」

 ミルが、弾き飛ばされたクレアを支えようと杖を振るったが、残った衝撃波の余波だけで地面が爆ぜ、全員が瓦礫の山へと叩きつけられた。

「ガハハ……ッ、……なんて、……デタラメな……。……アタシの……袋まで……ひっくり返っちまった……」

 ケットルが、土煙の中で必死に立ち上がろうとする。

 だが、煙の向こう側から、ゆらりと立ち上がる黒金の影。

 ジェネラルは無傷だった。

 それどころか、大剣を再び肩に担ぎ、トドメを刺すべくゆっくりと歩みを進めてくる。

「……構造解析……不能。……論理……破綻。……私たちの……攻撃が……全く……通じて……いない……?」

 セインの眼鏡の片方が割れ、その瞳に絶望が滲む。

 かつての拠点の真下。

 そこで出会ったのは、ただの「強い魔物」ではなく、一つの軍を象徴する「暴力」そのものだった。

「……まだ、……まだだよ……。……あたいら、……今日も……ちょっとだけ……成長……するんだから……!」

 カノンが、震える手で地面を掴み、ジェネラルを睨みつけた。

 

 リトル・リンク、今日も(崩れ落ちそうな心に鞭を打ち、絶望の先を見つめながら)ちょっとだけ成長中。

第114話をお読みいただき、ありがとうございました。

 オークジェネラルの真の力、『オーバーロード』。

 その一撃は、セインの防御もクレアの剣術も一掃するほどの暴力でした。

 ボロボロになりながらも、まだその瞳から光を失っていないリトル・リンク。

 かつての拠点の下に眠る深淵は、彼女たちに何を求めているのでしょうか。

 絶体絶命の窮地、逆転の一手はどこにあるのか。

 「ジェネラルの圧倒的な力に絶望した……」「クレアの剣が折れそうでハラハラするw」と思ってくださった方は、ぜひ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援いただけると励みになります!

 次回、第115話。

 深淵の闇から響く、新たな「足音」。

 そして、ミルの内に眠る「吸血鬼の真の力」が……?

 お楽しみに!

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