第111話 盾と矢、暗闇に響く「軍勢」の足音
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一体のオークを退けたリトル・リンク。ですが、その背後の闇からは、さらに重厚な鎧の擦れる音と、詠唱の呟きが聞こえてきました。
前衛を固める盾、遠距離から射抜く矢、そして後方で魔力を練り上げる者。
統率された「オークの小隊」が、五人の行く手を阻みます。
リトル・リンク、今日も(一筋縄ではいかない連携に、冷や汗を流しながら)ちょっとだけ成長中。
「……ふぅ。……一体、……倒した……のに。……まだ、……匂い……濃い。……たくさん、……並んでる」
ミルが、紅く光る『もう壊さない杖』を構え直し、眉をひそめた。
闇の奥。そこには、先ほどの個体よりも分厚い鉄盾を構えた**『オークソルジャー』が二体、壁のように並び立ち、その背後からは『オークアーチャー』**が矢を番える音が響いている。
「ガハハ! ただの力任せじゃないねぇ! びしっと並んで、まるで軍隊みたいじゃないか!」
ケットルが、**『巨大背負い袋』の隙間から「洗浄液入りの特製弾」をパチンコに装填した。
だが、安易に踏み込めない。ソルジャーたちの背後で、古びた法衣を纏った『オークマジシャン』**が、禍々しい紫の魔力を杖に集め始めているからだ。
「……論理的に見て、……正面突破は……困難です。……アーチャーが……退路を……断ち、……ソルジャーが……視線を……固定……、……その間に……マジシャンが……大規模術式を……完成させる……算段でしょう」
セインが眼鏡を指で押し上げ、解析術式を幾重にも展開した。
ハーフエルフの緻密な索敵が、さらに奥に控える、ひと際巨大な体躯の個体――**『オークモンク』**の存在を捉える。
「……あはは、……マジシャンまで……いるのかぁ。……一秒……あれば……魔法……避けたい……ところだけど、……矢が……降ってくるね……」
カノンが銀靴の踵を鳴らし、鋭い風の音を聞いた。
シュッ、と闇を裂いて放たれた黒い矢が、カノンの頬をかすめて岩壁に深く突き刺さる。
「……カノン、下がって! ……セイン、……あのアマジシャンの……詠唱……止められる!?」
クレアが、**『折れたら切ない・ミスリル配合のすんごい斬れ味(予定) of 剣』**を盾のように構え、降り注ぐ矢を弾き飛ばした。
火花が散るたびに、オークソルジャーたちが重い足音を立てて距離を詰めてくる。
「……構造解析……完了。……マジシャンの……術式は……地底の……泥を……熱核化……させるものです。……環境上書き……。……その足元、……凍りなさい!」
セインが叫ぶと同時に、マジシャンの足元が瞬時に氷結した。
体勢を崩し、詠唱が途絶えるマジシャン。だが、その隙を突こうとしたクレアの前に、凄まじい風圧を纏った拳が振り下ろされた。
「……グルァッ!」
素手で空気を引き裂く**『オークモンク』**の乱入。
リトル・リンク、今日も(役割分担されたオークたちの波に、翻弄されながら)ちょっとだけ成長中。
第111話をお読みいただき、ありがとうございました。
一体ずつなら倒せても、軍勢として動くオークたちは脅威です。
マジシャンの魔法、アーチャーの射撃、そしてモンクの肉弾戦。
かつての拠点の下にこれほどの「軍隊」が潜んでいた理由は何なのか。
彼女たちの連携が試される、本当の戦いが始まります。
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次回、第111話。
モンクの猛攻。
そして、さらに奥から聞こえてくる「王」の咆哮……?
お楽しみに!
次は、オークの小隊との混戦が激化する第111話へ進めてよろしいでしょうか?




