第109話 瓦礫の底、暗闇に潜む「赤い目」
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領主様から託された銀の鍵を手に、かつての我が家の跡地へと戻ってきたリトル・リンク。
吹き飛ばしたはずの地面の下には、自分たちが暮らしていた頃には気づかなかった、底知れぬ闇が口を開けていました。
一歩踏み出すごとに変わる空気の重さと、暗闇から聞こえる不気味な物音。
最弱パーティ、今日も(未知の暗闇に震えながらも、一歩ずつ)ちょっとだけ成長中。
「……ふぅ。……地下、……やっぱり……暗い。……湿った……土の……匂い。……懐かしい……けど、……嫌な……予感」
ミルの**『もう壊さない杖』**が放つ淡い紅色の光が、剥き出しになった岩肌をぼんやりと照らし出した。
かつて自分たちが住んでいた家の、ちょうど「居間」があった場所の真下。そこには、どこまで続いているのかも分からない、巨大な空洞が広がっていた。
「ガハハ! アタシたちが上でレバー焼いてた間に、こんな穴が隠れてたなんてねぇ! あの時は自動洗浄トイレの配管を繋ぐだけで精一杯だったよ!」
ケットルが、**『巨大背負い袋』**のベルトをきつく締め直し、パチンコを構えた。
ドワーフの直感が、この先に広がる空間の「不自然さ」を敏感に察知し、警戒を促している。
「……論理的に見て、……この空間は……自然に……形成された……ものでは……ありません。……加工された……石材と、……微かな……魔力の……残滓。……そして……」
セインが眼鏡のブリッジを押し上げ、解析術式を闇の奥へと滑らせた。
ハーフエルフの鋭い索敵が、暗闇の中に点々と灯る、無数の不気味な「赤い目」を捉える。
「……あはは、……やっぱり……いたんだねぇ。……一秒……あれば……逃げ出したい……ところだけど……」
カノンが銀靴の踵を鳴らし、暗闇から聞こえてくる低いうめき声に、背中の小さな羽を震わせた。
かつて孤独だった頃、何度も耳にした嫌な物音。
「大丈夫だよ、カノン。……うちらが……吹き飛ばした……場所だもん。……ちゃんと……見てこなきゃ。……それが、……本当の……後始末だもんね」
クレアが、**『折れたら切ない・ミスリル配合のすんごい斬れ味(予定)の剣』**を正眼に構えた。
かつて自分たちの生活を支え、そして街を守るために手放した場所。
その真下に、何が隠されているのか。
ギャァッ! と汚い咆哮を上げて、暗闇から数体のゴブリンが飛び出してきた。
さらに、カタカタと骨の音を鳴らしながら、錆びた剣を手にしたスケルトンたちが列をなして現れる。
「……ん。……美味しく……ない……。……骨、……噛めない……。……でも、……邪魔……だから……どかす」
ミルが杖を掲げた瞬間、静まり返っていた地下空間に、激しい魔法の火花が飛び散った。
リトル・リンク、今日も(かつて最弱と呼ばれた頃の「敵」と向き合いながら)ちょっとだけ成長中。
第108話をお読みいただき、ありがとうございました。
ついに始まった地下の探索。
かつての「我が家」の真下に、こんなにも生々しい魔物の気配が潜んでいたとは、彼女たちも想像していなかったようです。
一歩進むごとに重くなる空気、そして暗闇から響く骨の音。
リトル・リンクがこの深淵で何を見つけるのか、温かく見守っていただければ幸いです。
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次回、第109話。
暗闇の奥から漂う、新たな獣の臭い……。
お楽しみに!
次は、ゴブリンの群れを突破してさらに奥へ進む第109話へ進めてよろしいでしょうか?




