第104話 共鳴する遺産、歪な執念の終着点
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エドワードの離反という、予期せぬ事態に直面したシルヴィア。
しかし、彼女は引き下がるどころか、自ら用意していた「共鳴の魔導具」を起動させ、地下に眠る魔力源を無理やり引きずり出そうとします。
土地の権利さえも無視し、全てを力で上書きしようとするBランクパーティの暴挙。
瓦礫の山が再び鳴動を始め、リトル・リンクの「思い出の場所」が青い光に包まれます。
最弱パーティ、今日も(大切な場所を、二度も汚させないために)ちょっとだけ成長中!
「……いいわ。エドワード、……あなたまで私を裏切るというのね。……なら、力で分からせるまでよ!」
シルヴィアが掲げた紫色の魔石が、不気味な脈動を始めた。
それは地下に眠る「魔力核」と共鳴し、更地の地面に巨大な亀裂を走らせる。
「……論理的に見て、……極めて危険な……行為です。……地下の……魔力バランスが……崩壊しています!……このままでは、……リフェルナの……地脈そのものが……汚染されます!」
セインが解析端末を叩き、激しい警告音を響かせた。
かつて彼女たちが家を吹き飛ばしてまで鎮めた「歪み」が、シルヴィアの強欲によって再び呼び覚まされようとしていた。
「ガハハ! なんて奴だい! アタシたちがせっかく掃除した場所を、またドロドロにする気か!」
ケットルが、**『巨大背負い袋』**から洗浄砲を素早く引き抜いた。
だが、溢れ出す魔力の圧力に、高圧水が弾き返される。
「……ん。……空気、……最悪。……レバー……焦がした……匂いより、……ずっと……苦い。……カノン、……一秒、……頂戴。……あの……石、……壊す」
ミルが、『もう壊さない杖』の先端をシルヴィアへと向けた。
瞳に宿る蒼い光が、地下の魔力と呼応して激しく明滅する。
「……了解! ……あたい、……こういう……自分勝手な……人、……大嫌い! ……一秒……だけ、……止まってて!」
銀色の閃光が走った。
カノンが銀靴の踵を鳴らし、物理法則を置き去りにしてシルヴィアの懐へと飛び込む。
だが、シルヴィアの周囲に展開された拒絶の障壁が、カノンの突進を跳ね返した。
「……無駄よ。この魔導核の力は、この土地そのものの力! あなたたちの安っぽい絆なんて、この巨大なエネルギーの前では無力なのよ!」
嘲笑うシルヴィアの背後で、エドワードが静かに剣を構え直した。
彼が握るのは、かつてボロボロだったところを、ケットルが丹精込めて直したあの愛剣だ。
「……シルヴィア様。……俺が……守りたかったのは、……『轟雷の牙』の……誇りでした。……今の……あなたは、……ただの……魔物のようだ」
エドワードの剣が、重厚な魔力を纏い、シルヴィアの障壁へと叩きつけられた。
直された剣の鋭さが、歪な魔力の防壁に亀裂を入れる。
「……今です! ……クレア!」
セインの叫びに応え、クレアが地を蹴った。
**『折れたら切ない・ミスリル配合のすんごい斬れ味(予定)の剣』**が、夕暮れの残光を吸い込んで白銀に輝く。
「……私たちの……思い出を、……これ以上……汚させません! ……シルヴィアさん、……目を……覚ましてください!」
クレアの一撃が、シルヴィアの手元にある紫色の魔石を、一刀の下に両断した。
パリン、と乾いた音が響き、周囲を覆っていた禍々しい魔力が霧散してゆく。
地下の鳴動も止まり、更地には再び、静かな風が吹き抜けた。
膝をつくシルヴィア。
それを見守るリトル・リンクの面々と、静かに剣を納めるエドワード。
リトル・リンク、今日も(過去の決着を、自分たちの手で付けながら)ちょっとだけ成長中。
第104話をお読みいただき、ありがとうございました。
シルヴィアの暴挙を、リトル・リンクの連携とエドワードの「直された剣」が打ち砕きました。
かつて家を吹き飛ばしてまで守った街を、今度は自分たちの剣で守り抜く。
100話を越えた彼女たちの強さは、もはや「最弱」という言葉では括れない領域に達しつつあります。
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次回、第105話。
崩れ落ちたシルヴィアが、最後に漏らした「言葉」とは。
そしてエドワードとの、本当のお別れ……?
お楽しみに!




