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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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105/225

第105話 執着の終わり、夕暮れに響く「ありがとう」

いつも応援ありがとうございます!

執念に駆られ、リフェルナの地脈さえも汚染しようとしたシルヴィア。

しかし、クレアの一撃とエドワードの反旗が、その歪な野望を打ち砕きました。

失われた権益を追い求めた者と、失うことを恐れず「今日」を守った者。

瓦礫の山で繰り広げられた因縁の対決、ついに終着点です。

最弱パーティ、今日も(一つの大きな壁を乗り越えて)ちょっとだけ成長中!

夕闇が迫る更地に、砕けた魔石の破片が鈍く光り、やがてその輝きを失っていった。

「……どうして……。私の……完璧な……計画が……。……こんな、……どこの馬の骨とも……知れない……小娘たちに……」

 シルヴィアが、掠れた声で呟いた。

 かつては優雅に扇子を揺らし、リフェルナのギルドを影で操っていた彼女の姿は、今はどこにもない。

 地位も、名誉も、そして信頼していた副官さえも、その手から零れ落ちていた。

「……論理的に見て、……あなたの計画は……失敗しました。……ですが、……それは……私たちが……強いからでは……ありません。……あなたが、……この街の……息吹を……無視したからです」

 セインが、解析端末を静かに懐に収めた。

 眼鏡の奥の瞳には、冷徹な分析ではなく、どこか寂しげな色が浮かんでいる。

「ガハハ! シルヴィア様、あんたは『価値』ばかり見てたけど、アタシらは『居心地』を見てたのさ。……家が吹き飛んだって、アタシらが笑っていられたのは、守りたかったものが魔力なんかじゃなかったからだよ」

 ケットルが、**『巨大背負い袋』**を背負い直し、優しく笑った。

 ドワーフの少女らしい、懐の深い言葉。

 

「……ん。……空気、……綺麗に……なった。……レバー……焦がした……匂い、……また……してきた。……シルヴィアさん、……お腹……空いてるから、……意地悪……したの?」

 ミルが、無表情のままシルヴィアの前に歩み寄り、懐から小さな包みを差し出した。

 それは、今朝市場でもらったばかりの、レバーの干肉だった。

「……な、……何よ……これ。……馬鹿に……してるの……?」

「……美味しい。……食べると、……怒るの、……忘れる。……エドワードさんも、……一本……あげる」

 ミルは、隣に立つエドワードにも無造作に干肉を握らせた。

 エドワードは、ケットルに直してもらった愛剣を鞘に納め、その干肉を一口噛みしめた。

「……不器用な味だ。……だが、……血が通っている」

 エドワードは低く、重厚な声でそう言うと、シルヴィアに向かって深く頭を下げた。

「……シルヴィア様。……俺の役目は、……ここで終わりです。……これからは、……一人の冒険者として……自分の誇りを探します」

 それは、決別の言葉。

 シルヴィアは力なく笑い、受け取った干肉を震える手で口に運んだ。

 

「……最悪な……味ね。……こんな……安っぽいものを……有り難がるなんて……」

 毒づきながらも、彼女の瞳からは一筋の涙が溢れた。

「……シルヴィアさん。……また、いつか。……ギルドで……普通に……会えるのを……待ってます」

 クレアの言葉に、シルヴィアは答えなかった。

 ただ、夕闇の中に消えてゆく背中は、どこか憑き物が落ちたように軽やかだった。

「……よし。……みんな、……帰ろう。……新しいお家で、……温かい……スープ……飲もう!」

 カノンが銀靴の踵を鳴らし、一番に走り出した。

 背中の羽をパタパタと揺らし、自由な空気を満喫するように。

 リトル・リンク、今日も(過去の敵にさよならを告げて)ちょっとだけ成長中。

第105話をお読みいただき、ありがとうございました。

 シルヴィアとの因縁、ついに完結です。

 最後は、ミルの「レバー干肉」が彼女の心を溶かす(?)という、リトル・リンクらしい結末になりました。

 エドワードも、一人の冒険者として旅立つ決意を固めたようです。

 一つの大きな章が終わり、彼女たちの物語はまた新たな日常へと続いてゆきます。

 「ミルの干肉外交が流石すぎるw」「エドワードの門出を祝いたい!」と思ってくださった方は、ぜひ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援いただけると励みになります!

 次回、第106話。

 平和になったリフェルナ。

 ……と思いきや、ギルドに「新人教育」の依頼が舞い込んで……?

 お楽しみに!

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