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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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102/225

第102話 瓦礫の追憶、風に舞う「前の家」の匂い

いつも応援ありがとうございます!

新居の庭から見つかった、前の家の地下深くへと誘う謎の箱。

セインの解析によれば、そこには爆発でも消し飛ばせなかった「真の魔力源」へと続く地図が収められているようです。

自分たちで壊したはずの場所へ、今の自分たちが何を見つけに行くのか。

未練ではなく、確かな一歩を刻むための里帰り。

リトル・リンク、今日も(懐かしい場所へ、ピクニック気分で)ちょっとだけ成長中!

リフェルナの街外れ。かつて彼女たちが全財産を叩いて買い、そして街を守るために自ら爆破した「前の家」の跡地は、今や静かな空き地となっていた。

 爆発の衝撃でひっくり返った土からは、新しい草が芽吹き始めている。

 だが、その中央には、今もなお消えない魔力の歪みが、陽炎のようにゆらゆらと立ち上っていた。

「……ふぅ。……ここに来ると、……やっぱり……少しだけ……胸が……きゅっと……します。……論理的では……ありませんが」

 セインが眼鏡のブリッジを押し上げ、瓦礫の隙間に解析術式を走らせた。

 かつて自分が夜な夜な魔力回路をいじっていた地下室の入り口は、今は巨岩に塞がれている。

「ガハハ! そんな湿っぽい顔しなさんな、セイン! 見ておくれよ、アタシらが吹き飛ばしたおかげで、ここらの地質がすっかり浄化されてやがる。職人魂が、この土ならいい陶器が焼けるって言ってるよ!」

 ケットルが、**『巨大背負い袋』**からパチンコを取り出し、周囲の警戒を怠らずに笑った。

 ドワーフの彼女にとって、破壊は創造の始まり。この更地こそが、彼女たちが勝ち取った平和の象徴なのだ。

「……ん。……ここ、……まだ……レバー……焼いた……匂い、……残ってる。……カノンが……焦がした……時の、……苦い……匂い」

 ミルが、無表情のまま地面を指差した。

 吸血鬼の鋭すぎる嗅覚は、瓦礫の隙間に閉じ込められた、かつての質素で幸せだった食卓の記憶を、正確に嗅ぎ取っていた。

「……あはは、……あれは……ミルの……催促が……凄かったから……だよ。……でも、……本当だ。……ここ、……あたいらの……家だったんだね」

 カノンが銀靴の踵を鳴らし、ひときわ大きく盛り上がった岩の影へと歩み寄った。

 背中の小さな羽を震わせ、彼女は一秒、その場に留まる。

 逃げる場所のなかった自分を、初めて受け入れてくれたあのボロ屋。

「……よし。……みんな、……思い出話は……このくらいに……して。……セイン、……例の……『地図』の……反応は……どう?」

 クレアが、**『折れたら切ない・ミスリル配合のすんごい斬れ味(予定)の剣』**を軽く叩き、仲間たちを促した。

「……はい。……庭で……見つけた……箱の……反応、……この……岩の……直下……十メートルに……集中しています。……爆発の……熱量でさえ……干渉できなかった、……純粋な……魔力核……。……シルヴィア様が……狙っていた……本当の……正体は……これですね」

 セインが指し示した岩盤の奥。

 そこには、かつての家を吹き飛ばしたことによって、皮肉にも「剥き出し」になった、リフェルナの古き遺産が眠っていた。

 その時だった。

 瓦礫の向こう側から、銀色の鎧を鳴らし、一人の大柄な男が姿を現した。

「……やはり、……ここに来たか。……リトル・リンク」

 エドワードだった。

 その手には、ケットルが丹精込めて打ち直した、あの愛剣が握られている。

「……エドワードさん。……どうして……ここに?」

 クレアの問いに、エドワードは重厚な面持ちで、真っ直ぐに彼女の瞳を見据えた。

「……シルヴィア様が……動き始めた。……ギルドの……正式な……発掘許可を……力ずくで……奪い取った。……あと数刻で、……ここに……『轟雷の牙』の……本隊が……到着する」

 一触即発の予感。

 リトル・リンク、今日も(過去の忘れ物を巡る、新たな戦いの風を感じながら)ちょっとだけ成長中。

第102話をお読みいただき、ありがとうございました。

 前の家の跡地で再会したエドワード。

 彼はシルヴィアの命令に従うのではなく、リトル・リンクへの恩義から、いち早く警告を届けにやってきました。

 失われた家の下に眠る「真の遺産」を巡って、いよいよシルヴィアたちとの最終的な決着が近づいています。

 「ミルの思い出が食べ物の匂いなの、流石w」「エドワードがすっかり協力者で熱い!」と思ってくださった方は、ぜひ下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援いただけると励みになります!

 次回、第103話。

 迫りくる『轟雷の牙』。

 エドワードが取った「驚きの行動」と、クレアの剣が導く新たな道とは?

 お楽しみに!

次は、シルヴィアの本隊が到着する第103話に進めてよろしいでしょうか?

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