第68話:オーガ
エルフの後に、2人の冒険者が倒れていた。数え切れないほどのゴブリンが倒されていた。亡くなったのは、もう1人のDランクとEランクの冒険者だった。どちらのタグにも「エドワード」という名前はなかったが、タカは彼も無事には逃げられなかったのではないかという嫌な予感を覚えた。もし無事だったなら、彼らが祖母と話をした頃には、きっと祖母に連絡していたはずだ。そうだろう?
気分が悪くなった。もうここにはいたくなかった。だが、世界は彼の望みなど気にも留めず、ゴブリンたちも同様だった。
血。内臓。死の悪臭。腐敗した物、クモ、コウモリ。なぜ洞窟の奥へ進むほど、すべてが歪んで見えるのだろうか? まるで影に触手があり、彼の骨の髄まで恐怖を食い込ませようとしているかのようだ。死のイメージを彼の脳裏に焼き付けようとしているかのようだ。
ツイストワイヤーのこと、死んだ冒険者たちのこと、あの女性の孫が待ち受けているであろう運命のこと以外を、何とかして考えようと必死だった。もしあの女性と出会っていなかったら、彼女の孫の運命を思うだけでこれほど気分が悪くなるだろうか、と彼はふと考えた。答えはわからなかった。
彼らは死ぬのだろうか? 自分は死ぬのだろうか? 目に涙が滲み、息が詰まりそうになったが、頭の中でデインの言葉を聞き、なんとか平静を取り戻した。いや、違うはずだ。自分は冒険者だ、これをやり遂げなければならない。大丈夫だ。そう、そうだ……
そして、彼らは最後の曲がり角に差し掛かった。突然の停止。洞窟は、長さ少なくとも200フィート 、幅80フィートにも及ぶ広大な大広間へと開けていた。天井がどこで終わっているのかは見えなかったが、暗闇がその端まで這い上がり、表面を覆い隠すほど上へと続いているのがわかった。左側の壁の奥で、洞窟が外へと裂けていた。岩のぽっかりと開いた傷口から光が差し込み、その場しのぎの出口を形成していた。
アーサーは手を突き出し、「止まれ」と囁いた。
その空間の中央には、どっしりとした手足と灰色がかった緑色の肌を持つ巨大な獣がいた。
「オーガか……」ベリルは息を漏らした。「神々よ、まさか本当に実在するなんて……」
「その通りだ」とエシルは同様に応じた。その声には、戦慄に抑えられた学者の好奇心が満ちていた。「正直言って……あの説は、あくまで説のままでいてほしかったのだが」
アーサーはベリルとエシルに視線を向け、その表情は怒りと信じられないという感情が入り混じっていた。「何だ? 一体あれは何だ? 何を言ってるんだ?」
オグレが……金髪の若い男の死体と思われるものを引き裂くや否や、恐ろしい引き裂くような音が部屋中に響き渡った。オグレはそれを噛み砕きながら、死体を無造作に地面に叩きつけた。
心配で苛まれているあの老婆の顔が脳裏をよぎり、彼は激しい吐き気を覚えた――しかし、顔を背け、目を閉じて深呼吸をし、その考えを振り払った。それが誰なのかは分かっていたが、認めるつもりはなかった。今はまだ。
エシルは一歩後退した。「説明すること自体は構わないが、あの獣の前でぐずぐずしてはいけない。もし見られたら……」彼はその言葉を最後まで言い終えなかった。
「あの獣の顎の間にいるのは、エドワードだろう。まず作戦を練ってから行動しよう」
アーサーは鼻を鳴らして、エシルの後を追った。しかし、彼が背を向けたまさにその瞬間、空気が一変した。鼻を鳴らす音、あるいは嗅ぎ回るような音……二度、三度。まるで何かを探している犬のように。はっきりと聞こえる息遣い、うめき声、そして巨大な体が重心を移し、立ち上がった。
全員が凍りついた。
「アーサー」エシルの声は重々しかった。「どうやら、計画を立てる時間はないようだ。さあ……極めて慎重に」
アーサーは集団から離れ、背中の毛を逆立て、剣を地面すれすれに構え、目の前の墓へと踏み込んだ。




