第66話:闇へ
頭上では鳥のさえずりが聞こえ、緑の樹冠の間から陽光が差し込み、周囲には木々や低木が点在する森の地面が広がっていた。穏やかな風景は、立ち込める脅威によって暗く染まっていた。
タカは呼吸を安定させようと、かつてデインに教わったマントラを心の中で繰り返した。
「吸って、吐いて……」
やがて、彼らは急な坂に差し掛かった。頂上に着き、周囲をざっと見渡すと、洞窟が見えた。入り口を隠すための努力が全く払われていないように見えたため、 「隠された」という言葉には当てはまらなかった。
「ああ。思ったより簡単だったな。もっとも、ゴブリンに何かを期待することなんて、そもそもないが」と、エシルは呟きながら、地面に打ち込まれた二本のトーテムに近づいた。「これは実に奇妙だ。隠蔽が全くされていないことから、ここは新しい巣だと推測されるが、トーテムの存在がそれを否定している。うーん。」
彼は翼をさっと整え、仲間たちの方を向いた。
「そういうわけで、ここは古い巣だと推測するのが妥当だろう。アーサー、この件には最大限の注意を払って臨むべきだということは、改めて強調するまでもないだろうな?」
「ああ」アーサーは淡々と答えると、一歩踏み出して地面に打ち込まれたトーテムを引き抜き、以前と同じようにそれを粉々に砕いた。「そして、奴らを全員殺してやる」
装備の点検が行われた。全員が準備完了を確認すると、アーサーは彼らを待ち受ける暗黒の深淵へと、不気味な行進を率いた。太陽の光から姿を消すと、六人は洞窟の巨大な口に飲み込まれていった。




