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『異世界の記録:3人のパーティー』  作者: Hikaru Taka
第4章:シックスティーン

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第43話:図書館

図書館は趣のある、比較的小さな建物で、ギルドホールの約半分の大きさだった。

建物はそれほど高くはなかったため、平らで低い屋根の向こうに、近くの木々の梢が見えていた。建物の基礎部分全体を囲むように長い窓が伸びており、どの角度から覗き込んでも内部が見えるようになっていた。もちろん、その窓の真後ろに立っている場合を除いては。

「あの設計は、図書館だから、読書中に外を眺めたいという理由からだったのかな?」

中をじっと見つめていたタカは、無数の本棚以外にはほとんど何も見えないことに気づいた。 そこには特に長い本棚があり、店内の少なくとも半分を遮っていた――ベリルはもちろん、他の誰の姿さえも、その奥には見えなかった。もしかすると、プライバシーを守るために本棚をそう配置したのだろうか?

彼はドアを押して開けると、陽気なベルの音が迎えてくれた。数秒が過ぎたが、誰も彼に挨拶をしてこなかった。入ってくるまで何が待っているのか見当もつかなかったが、これはまた別物だった――ここはギルドとは対照的に、完全に静まり返っていた。

右側をちらりと見ると、大きな机があり、その上に木製の看板が置かれていた。「会計」と書かれていた。その下には、「昼食中。30分後に戻ります」と書かれた紙のメモが貼られていた。

「30分か」とタカは呟いた。「まあ、曖昧だな……」

彼は辺りを見回したが、誰もいなかった。ここには人の気配が全くなく、まるでこの場所に自分一人しかいないかのようだった。正直なところ? それはそれで、なかなか心地よかった。

…

その気持ちは長くは続かなかった。彼は依然としてその本を見つけたいと思っていたが、どこから手をつければいいのかさえわからなかった。それに、その休憩時間がいつ始まったのか、誰がどうやって知るというのか?「チェックアウト」エリアをいつ利用していいか、どうやってわかるというのか?「チェックアウト」とはどういう意味なのか?一体、これはどうなっているんだ?すべてが次第に重くのしかかってきた。タカは知らず知らずのうちに鼻の付け根を揉んでいた。

「まあ、今や俺もベリルみたいになってきたな。信じられないよ」と、彼は不機嫌に思った。

ため息をつき、タカはカウンターから背を向けた。おそらく実りのない探し物になるだろうと諦めていた。南中部スタイルについて読みたいということ以外、自分が何を探しているのかよくわかっていなかったし、どこへ行けばいいのかもわからず、理解もできず、そして彼は……

「ハ~ロー! こんにちは、えっと、あなた! あの、お客様、何かお探しですか?」 彼の真後ろから、とても上品な声が響いた。

タカは、何が待っているのか分からず、首を回した。カウンターの後ろには、小さな帽子と、それにぴったりの丸い眼鏡をかけたイタチ族が立っていた。これが司書に違いない。

『その声は顔にぴったりだ』

イタチ族のひげがピクッと動いた。

「さて、お客様? 何かお手伝いできることはありますか?」

「えっと……図書館に来るのは初めてなんです」とタカは前置きした。「探しているのは……剣術の流派についての本だと思います。特に南中部について書かれたものがあれば、何かありますか?」

「南中部、南……剣術の流派、うーん……ええ、ええ……確か数冊あるはずですが……それに……いや、それなら必要ないはずですが……」司書は独り言のように呟き、毛むくじゃらの手の甲で眼鏡を押し上げると、うなずいた。

「では、こちらへどうぞ」彼はカウンターを回り込み、タカの前を先導するように、まるで跳ねるように歩いていった。

『こいつ、俺より背が高いな。まあ、みんなそうじゃないか? いや、待てよ、俺ってそんなに背が低いわけじゃない。俺って、何だっけ、5フィート6インチくらい? じゃあ、こいつは5フィート9インチくらいか。それなら納得だ』

5分ほどに感じられる間、タカは司書に続いて、迷路のような図書館の中を、本棚の周りや下、そして間をくぐり抜けて進んだ。その場所は信じられないほど閉塞感があり、それがかえって彼の疑問をさらに募らせるばかりだった。

「それで、この場所を全部、あなた一人で管理しているんですか?」

司書は誇らしげにニヤリと笑いながら、こう答えた。「ええ、その通り、その通り! ここに来てもうすぐ10年になりますよ! ここにある本はすべて、私が自分で集めたものです。旅人や商人、さらにはこの町に住んでいる人たちからも集めたんですよ!」

タカはまばたきをした。

「集めたんですか?」

「買ったのよ! あるいは寄付されたものもあるわ」

「……ああ」と彼はうなずいた。

『確かに、彼は元気いっぱいだな』

やがて、イタチ族は巨大な本棚の前で立ち止まった。それは壁一面に広がり、信じられないほど高く、本でぎっしりと埋め尽くされていた。しかも、ほぼ満杯の状態にもかかわらず、本は完璧なアルファベット順に几帳面に整理されていた。タカには、それを整えるのにどれほどの時間がかかったのか、想像もつかなかった。

「……これも全部、自分で整理したんですか?」彼は畏敬の念を抱きながら尋ねた。

「まあ、魔法の助けもあったけどね」

「ああ。なるほどね。」

『まあ、当たり前だろ、バカ。もちろん手作業で全部やったわけじゃない。でも、一体どんな呪文を使えば……』

「これは違う、これも違う、これも違う……」

イタチ族の男は、本の背表紙を指でなぞり、上下左右、ぐるぐると探り回していたが……

「あ、これだ。見つけた。」彼は引っ張ってみたが、本は微動だにしなかった。「おい、頼むよ、このクソ本め……」

本は挟まっていた。本棚がこれほどぎっしり詰まっているのだから、驚くことではない。まるで本棚はとっくに満杯になっていたのに、それでもなお、何らかの理由で本が壁の隙間に次々と押し込まれ続け、やがて常軌を逸したほど、危険な状態になっていたかのようだった。

『一体どういうこと……?』

「あの、手伝おうか?」タカが尋ねた。

「いや、大丈夫……。」司書はうめくように答えた。「ほら!」 ポンという音と共に、その本は本棚の狭き隙間から抜け出し、二度と戻されることはなかった。イタチ族はタカにその本を差し出した。彼を待たせたくなかったタカは、両手でそれを受け取った。

「これ、あなたが探していた本ですよね?」

タカは表紙をひと目見た。『戦士と剣の歴史――武術大百科』。

「えっと、ええ、これなら良さそうですね。どうもありがとうございます。」お辞儀でもすべきかと思ったが、代わりに、彼は静かにじっと見つめ、本とイタチ族の間をぎこちなく視線を移し替えた。

イタチ族の男は、気まずい沈黙が数秒間続く中、その場に立ち尽くし、近くの書棚を真面目に指でつついたり、触ったりしていた。作業が終わると、彼は再びタカに向かって満面の笑みを浮かべ、うなずいて「はい! 問題ありません」と言うと、跳ねるように走り去り、図書館の残りの部分――まさに本の海――の中に姿を消した。

実のところ、タカにはこれが「正しい」本なのかどうかも見当がつかなかったが、あの男の時間をこれ以上無駄にしたくなかったのだ。それに、彼は次第に気まずさと気後れを感じ始めていた。

「よし」と彼は独り言をつぶやいた。「よし、よし、よし……」座る場所を探して立ち尽くしていると、今になってその本がどれほど重いかがわかった――少なくとも5ポンドはありそうだ。

手のひらに痛みを伴うほど本が食い込み始めたちょうどその時、彼はぴったりの場所を見つけた。長い窓のすぐそばにある、快適そうな椅子だ。彼は安堵のため息をつきながらその椅子にどっかりと腰を下ろし、本を膝の上に置き、手を揉みほぐした。

なかなかいい席だ。外や空、通り過ぎる人々が見渡せる。馬車に乗った商人、馬に乗った冒険者たち……

気が散って、彼は窓の外をじっと見つめながら、心の中で考えた。

「あの人たち、僕が見えているのかな。だって……外から中が見えたんだから、たぶん……見えるんだろうな?」

窓のすぐ隣に座っているにもかかわらず、冒険者になってから毎日聞き慣れていた物音が聞こえなかった。なんだか奇妙だった。

彼は再び本に目を落とした。

「そろそろ読み始めたほうがいいだろうな」

タカは最初のページを開いたが、別の考えが頭をよぎった。本を返す準備ができたとき、どうすればいいのだろう? 自分で戻しに行かなければならないのだろうか? タカには、それができるとは思えなかった。あの本棚は、つまようじでつなぎ合わせているかのように見えた。間違った方向にほんの少し押しただけで、おそらく爆発するか、何かが起こるだろう。

…まあ、そうでもないかもしれない。でも、それでも彼には手を出したくないことのように思えた。

「気にしないで。それは後で考えよう」と彼は決めた。

大きなため息が彼の注意を引いた。そこにはベリルがいて、彼を睨みつけていた。

「……えっと、なんでそんな目で俺を見てるの?」

ベリルの表情が曇った。「あれは俺の……」彼は言葉を途切れさせ、ふんと鼻を鳴らすと、口を開いたり閉じたりした。彼の視線は、座席とそこに座っている人物の間を、一度、二度と行き来した。眉がピクッと動いたが、言葉は出てこなかった。

タカは、まるで誰かが悲しみと怒りのすべての段階を一度に経験しているのを見ているような気がした。あるいは、自分の気持ちをうまく表現できない誰かを見ているかのようだった。

この「プロセス」が長く続いた後、ようやくベリルは言葉を見つけた。その言葉は、軽蔑に満ちていた。

「いいや、もういい」と彼はヒソヒソと呟き、目を白黒させると、踵を返して怒り狂うように立ち去った。タカは彼の背中を見送り、気づかないうちに息を止めていたことに気づき、ようやく息を吐き出した。

「そうか……」

頭の中が過度に活発に働き、様々な考えが渦巻いていたにもかかわらず、タカは本に集中しようと努めた。最初のページをじっと見つめ、無理やり読み進めた。

『第1部:歴史。うーん……サウス・セントラルについて読まなきゃ。それが読みたかったんだ。この本には目次とかあるはずじゃなかったのか?』

彼はページを一つ戻し、そこで見つけたものに愕然として見つめた。目次ページは単にないというだけでなく、本から完全に引きちぎられていたのだ。残っていたのは、かつてページがあったはずの綴じ目にひっかかった切れ端だけだった。

「まあ、最高だな。」

『この分厚い本をざっと目を通すだけでも、かなり時間がかかりそうだ……』

ため息をつきながら、彼は最初のページに戻り、サウス・セントラル・スタイルに関連する何かが目に留まることを期待して、何百ページもめくっていった。

ページがぼやけて過ぎていく中、彼は探していた言葉をちらりと見つけ、ページがめくられる前にそのページを掴んだ。

「あった……」

本を大きく広げ、ページ番号を確認した。326ページ。いざという時に覚えていられるようにと、その番号を口に出して繰り返しながら、タカは真剣に読み始めた。

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