第41話:研修初日の終わり
その日、アーサーに一撃も命中することはなかった。その一戦でも、その後の十数戦でも。二人は一度たりとも、彼に攻撃を当てる寸前さえもなかった。アーサーが試合終了を宣言した頃には、太陽は沈み始め、空をオレンジがかった赤色に染め上げていた。
酒場へと戻る途中、タカは考え事が山ほどあった。お腹が空いていたし、体中が痛かった――とりわけ手が痛かった。何よりも、ただ食事をし、風呂に入り、眠りにつきたいと願っていた。今泊まっている宿の共同風呂を使う気は特になかったので、どこか公衆浴場に行ってみようかと思った。
頭の片隅では、アーサーに教わったことが延々と繰り返されていた。時間ができたら、図書館を探して「戦闘スタイル」について調べてみよう、と彼は決めた。南中部は特に興味深そうだった。とはいえ、アーサーがそれについて語ったのは「防御型の戦闘スタイル」だということだけで、それはあまりにも曖昧だった。
『レルンには図書館があるはずだ。ベリルが探した時に見つけたかどうかは分からないが、聞いてみるのもいいだろう。アーサーは強すぎて、馬鹿げている。あいつに一撃でも当てられるはずがない。まるで俺たちの動きをすべて予測しているみたいだ! まあ、彼がそうしていると言っていたし、あるいは俺たちにそう学ぶべきだと教えていたのかもしれない。圧倒的すぎる……』
彼の思考はデインへと向かった。デインが、武術の正式な名称や通称について詳しく話したことがあったか、あるいは正直なところ、デインがそこまで詳しく教えてくれたことさえあったか、思い出せなかった。ずいぶん前のことだが、デインが弓の射方、剣の持ち方や振り方、短剣の扱い方、そして構えなどに関する最低限の基本を教えてくれたことは覚えていた……
いずれにせよ、それらはアーサーのおかげで今日受けた訓練の、その足元にも及ばないほど不十分なものであった。
夕食の席は異様に静かだった。普段はベリルとタカが冗談を交わし合うのだが、今夜はベリルが一度もタカの視線と交わすことなく、無言で食事をしていた。
「さっきのことでまだ機嫌が悪いのかもしれないな」とタカは、スプーン一杯のシチューを口に運びながら考えた。いつもよりずっと塩辛かったので、彼は水をもう一杯頼んだ。
「あの、図書館の件だけど……そうだな。しばらくはそれを調べる時間なんてないだろうな、特に 明日も訓練があるならなおさらだ。でも、アーサーに頼んで明日を休みにしてもらえないかな?聞いてみるべきだ。よし、聞いてみるよ」
「ねえ、アーサー」と彼は言い出し、シチューをもう一口飲み込んだ。「明日、休みをもらえないかな?」
「ダメだ。今日はまだ初日だったんだ。」
「まあ、試してみる価値はあったかな。」
そう言って、彼はしぶしぶ、図書館に行こうという心のメモを、いつになるか分からない日へと先送りした。夕食後、ベリルは自分の部屋へ引き上げ、アーサーは食卓に残り、タカは風呂へ行った。
こうして、訓練の初日は終わった。




