第29話:より深く、より暗く
そこは意外にも広々とした地下室だった。数分間歩き続けると、ベリルの呪文が、まるで引き下がっていくカーテンのように闇を押し退け、進むにつれて汚れや朽ち果てたものが露わになっていった。
周囲を見渡したタカの気持ちを表すのに、「恐怖」という言葉はぴったりだった。隅々や天井には蜘蛛の巣が張り巡らされ、床やあらゆる物には粘り気のある厚い埃が積もっていた。壁沿いには奇妙なカビや苔が生えていた。時には、見ないほうがましな物もあるのかもしれない。まあ、少なくともここは地下墓所とかそういう場所ではないだけマシだ。
タカには、もしここに巨大なネズミがいなかったとしても、きっと何か気持ち悪いものがこの場所を住処にしていたに違いないという気がした。そして、この世には巨大なネズミよりもはるかに恐ろしいものが存在する――例えば、巨大なクモだ。そのことを考えるだけで、彼は身震いした。うっ。
突然、アーサーが立ち止まった。彼は何かをじっと見下ろしていたが、一体何だろう?
タカは喉を鳴らした。数フィート先に、悪臭を放つ、半分食べられたネズミの死骸が転がっていた。それより小さなネズミ――いや、二匹の小さなネズミが、唸り声を上げ、チッチッと鳴きながら、貪るようにその死骸を食い荒らしていた。
すると、それらは立ち止まり、首をぴんと伸ばした。耳をぴくぴくさせ、顎からは血が滴り落ち、目は赤いビーズのようだった……耳をつんざくような金切り声を上げ、それらは闇の中へと逃げ去った。
しかも、あれは「大ネズミ」ですらなかった。
「あ、あいつ、食べてた……?」ベリルの声は、その震える手と同じくらい激しく震えていた。タカには、それが今、最も心配すべきことではないように思えた。
『あいつらが俺たちを見たあの目……』
アーサーはしばらく黙っていた。石のように固い表情で、剣を構えたまま前進を続けた。
口を開いたとき、彼が発したのは簡潔で平板な一言だった。「行こう」
9月18日より、連載スケジュールが「3日おきに19:30」から「毎日19:30」に変更となります。このスケジュールにより、皆様にこの世界をより深く楽しんでいただき、より多くの方々に本作に注目していただければ幸いです。ありがとうございます!(n_n)
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