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最強博物学者の優雅な秘境調査 〜絶滅種のモフモフ幼女を助けたら、懐かれすぎて新米助手になりました〜  作者: 月影


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第6章・第3話 :黒王の代行者と、崩壊する世界の理

不気味な門の奥から、ずるりと這い出てきたのは、全長数十メートルに及ぶ、全身が黒い結晶体で構成された異形の超巨大蜘蛛――『異界の黒曜魔蜘蛛オブシディアン・アラクネ』だった。



――ギチギチギチギチ……ッ!!



その無数の赤い複眼が私たちを捉え、空間そのものを震わせるような甲高い駆動音を鳴らす。

彼女が動くだけで、周囲の地面は次々と黒い結晶へと侵食され、植物の命が瞬時に吸い上げられていく。



「フハハハ……! ついに現れたか、我が主の尖兵よ! 王宮の計画は潰えたが、この大地のヘソさえ破壊すれば、大陸の全マナは反転し、世界は終焉を迎えるのだ!」



巨石の影から現れたのは、黒い法衣を纏った一人の狂信者の男だった。エレノアの背後にいた秘密結社の残党だろう。



「ひゃぅ……っ! あの大きなクモさん、歩いた場所の草さんがぜんぶ真っ黒になって死んじゃうの……ひどいよ……」



シルヴァが悲しそうな、そして怒りを秘めた瞳で巨大な蜘蛛を睨みつける。



「世界のことわりを歪め、生態系を強制的に書き換えるか。なるほど、知的好奇心としては興味深いけれど、博物学者としては看過できない乱暴な手法だね」



私は眼鏡の位置を直しながら、一歩前に出た。



「てめえ、何者だ! この『黒王』の魔獣を前にして、なぜ怯えもしない!」



狂信者が声を荒げる。



「私はアルス。ただの博物学者さ。君たちのその不格好なペット、この場所の生態系にはあまりにも不適合だからね。即座に強制退去・・してもらうよ」



「ふざけるな! 噛み殺せ、オブシディアン・アラクネ!」



狂信者の命令を受け、巨大蜘蛛がその鋭い前足を振り上げた。その先端から、あらゆる物質を分解する『暗黒の酸』が、雨のように私たちへと降り注ぐ――。

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