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新世界に魔法を  作者: みかんグミ
第一章『王都編』
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第20話 貴方はどちらを選ぶ?

貴方はどちらを選びますか?

「何、言ってるの?」


私は数秒思考停止して、動き出しても考えが追いつかず頭の中がぐるぐると回る。レオンは何を言っているのだろうか。

レオンはそよ風に髪を揺らしながら、普通だったら世の男が惚れてしまいそうなほだやかな笑顔を浮かべている。そして、それで飛んできたのであろうと思える、半分近く黒に染めた天使___否、堕天使の羽で、私の方をバルコニーの柵の上に足を乗せて見つめていた。

こちら側、なんて。それは、まるで______。


「レオン側に……こっちからしたら、敵側に入る……みたいな……」

「そうだよ。今夜は提案に来たの」


いよいよ考えがまとまらなくなる。何故?そんな展開、聞いたことなどない。私とレオンは理由はあれど敵同士で。だからどちらかが味方に入るなんて……。

どうすればいいか分からない。私は、自分の安直な考えでレオンを殺してしまった。だから、それの責任は負わなければならないし、今堕天使という状態でだとしてもなにか手伝える事があるなら手伝う義理はあると考える。

でも、そうだとしても______。


「_________?」


分からない。なぜ、素直にレオン側に入れないのだろうか。妙に、心に取っ掛りがある。

王族の人達に森に倒れていた自分を救ってくれたから?私が作戦会議に至るまで協力する体制を取っていたから?あの人たちといて、嫌な感じがしなかったから?罪悪感が生まれるから?


______________あるいは、その全て?


____罪悪感?なんだ、それ。聞いたことはある。でも実際、どんな物なのかなんて分からない。だって、経験したことがない。そんなもの、分かるわけが____。

いや、今はそういうことを考えている場合じゃない。違くて、違くて、もっと、他に、なにか_________。


「____フレア?混乱してるの?」

「こん、らん。違う」


違う。いや、厳密に言えばそうなのだろう。ただ、そうじゃなくて、今私が思っていることは______。


「分からない、だけ」

「_________。」

「___レオンの行動が、今日の行動全てが、分からないの。_____貴方は、本当にレオンなの?」


私はそう問う。そう。分からない。全く。私の知ってるレオンはこんなのじゃなかった。こんな横暴なことはしないし、レオンの言う”ツッコミ役"で発言も悪い気はしなくて。

今日のように、城に大きい風穴を開けたり、今回の事件の黒幕だって、悪役なんて、そんな事を好んでするような人ではなかった。むしろ、逆だった。

だからこそ、分からないのだ。


「そりゃあ、私はレオンだよ?でも___。」


そこでレオンは目を閉じて1泊を置く。そして閉じていた目をゆっくりと開けると柵から降りる。それを機に、レオンの後ろから今までレオンに感じたことのない圧が一気に加わって、私は息を呑んだ。

そこには、どす黒い感情が秘めているような、そんな感じがして____。


「あなたと出会った、森山玲緒は……レオンは、死んだ。今あなたの前にいるのは、人間ではなく堕天使のレオン」

「__________。」

「だから、確かにフレアと出会った時とは少し違うかも。でも、私は今の自分方が好きかな」


私と出会ったレオンは、死んだ。その言葉を頭の中で反芻する。けれど、何度反芻しても、私自身に納得させることは出来なかった。


そこで再び、レオンは私に問い質す。

_____まるで、今の私の意思を、覚悟を、ここで指し示せとでも言わんばかりに。


「これは提案。だから、確実なものでなくていい。これから、納得させてあげる。」

「_________ッ、」

「今のフレアの考えは、どちら?」


そこで私は、口を開いて、またつぐむ。今の私の考えを、レオンに伝えなければならない。YESと答えれば、理由は分からないがきっと喜んでくれるどろう。しかし、レオンの味方になればリベリカ達にはきっと嫌われる。逆に、NOと答えればもしかしたら不要人物とみなされここで殺されてしまうかもしれない。正直、今レオンと戦って勝てる見込みはゼロだ。しかし、もし生き残れば私を救ったリベリカ達を裏切らないこととなる。

どちらにもメリットとデメリットがある。提案だからといって、それは変わらない。だが、リベリカ達に至っては出会って話して、たった1日。付き合いは薄い。今日は本当に色んなことの連続だったけれど、やはりそれでも時間は短いのだ。

あの時と、今のレオンとで話している時とは何もかもが違う。ひたすら自分の中で論争が続く。

だから、けれども。しかし、だからこそ。

様々な葛藤の中、私は今の答えを導き出す。


「私は、」

ここまで読んでくれてありがとうございました!!!

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