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新世界に魔法を  作者: みかんグミ
第一章『王都編』
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第18話 これからの行動

「さて、皆さん玉座にいるでしょうか」


そうサラは言って、カツカツと靴音を立てながら重たいドアを両手で開ける。

ギイィィィィと少し年季の入った重々しい音を立ててゆっくりと開いた大扉の先には、ほとんどのメンバーが集まっていて、さっきまでにはいなかった新しいメンバーに視線を動かしていた。

軽くみんなの無事を確認して、王室に入っていく。冒険者達は王室に入った経験はあまり無いらしく、物珍しそうに部屋全体を見回していた。


「わ、すっご、広.......。流石ベルカルの王室って感じだな.......。」

「これはちょっとテンション上がるわね?ヨネ」

「ん、そうだね.......。それにちょっと、雰囲気も他と違う.......。なんて言えばいいんだろうな」

「それはヨネにしか分からないだろ。多分、魔力関係のことなんじゃん?」

「.......あー、それは私多分分からんわ.......。」


私とサヤが歩いている後ろで、4人の冒険者は小声で喋りながら歩いてきていた。

私たちが止まったところで、先に来ていたらしいハイラとリベリカは私たちに話しかけてきた。


「お疲れ様。ちゃんと冒険者を集められたのね」

「勿論ですよ!」

「.......リベリカさん、逆に私たちが集められないと思ってたんですか?」

「あーいやね、だって堕天使を一緒に討伐して欲しいなんてもの、いくらベルカルに集まる冒険者といえど難しいのかなーってさ」

「.......まぁ、確かに私が当初思ってた人数よりかはかなり少なくなってしまいましたけど。」


サヤは少し落ち込んだ表情で下を向く。

まぁでも、人数は少ないは少ないで少数精鋭にすればいいのではないだろうかと思う。実際、ついてきてくれたオルドルの人たちも、話を聞くため集まってくれた冒険者たちの中でも特に強い人達のようだったらしいし。

私はそれを言おうと思ったが、同じ考えを持っていたらしいハイラに先に言われてしまった。


「なら、少数精鋭にすればよいのでは?実際、もし人数を沢山集められたとしても、強者を前に数で押せた、なんて話はあまり聞きませんよ」

「結局弱者は弱者、強者は強者って感じだものね。本当の強者の前では、弱者がいくら集まっても意味をなさない」

「___確かに、そうですけど.......。なら、一人一人を強くしなくては」

「そうね。あと、連携もとれるようにしなきゃ。」

「.......となると、課題はいっぱいですね.......。」


そうだ。少数精鋭で討伐を目指すというのならば、強者を集めれたとしても、個々の力をあげた方が討伐がより現実的になるのは事実。個々の実力だけでなく連携なども必要だから、私たちはベルカルを守るため色々な意味で強くならねばならないのだ。

そこまでしなければ、私たちは堕天使には勝てない。それほどまでに、堕天使は___レオンは、強大な敵なのだ。


「でも、実際、レオンは__いつ国を襲うんだろう.......。」


私がふと口にしたその疑問に、サヤは眉を顰める。どうやら私が思っていることは基本誰かも同じことを考えているようで、サヤはそうですね__と前置きしてから


「あちら側の準備というのもあると思いますから、すぐには襲ってこないとは思いますが.......。」

「でも、あまり時間があるとは考えない方がいいですね。時間をかければかけるほど敵側は準備期間が長くなりますが、それは逆に私たちの準備期間が長くなるというのと同義ですから」


小柄な女の子の姿をした子は、感情の薄い座った声音でそう言った。

この子の言う通り、時間は限られている。だから、早急かつ迅速に準備を勧めなければならないのだ。そのため、これからどうしていくか方針を固める必要があると思うのだが………。

そこまで考えが思い至った私は、1つ疑問に思ったことがあった。そういえば、ではあるのだが……。


「___あの、私たち自己紹介ってまだしてないですよね」

「え?」


私が不意に思ったことを口にすると、私の周りにいたオルドルの人達とサラは固まる。だが、それは1人の女性の声によって一気に解れた。


「………そ、そうじゃん!!仲間になって連携がどうとか言ってたくせに名前も何も言ってない.......。」

「___あ、確かに。これじゃ本末転倒かも.......。」

「よ、よし、じゃぁ、うん、自己紹介しなきゃっすね!!」

「あー、そっか」

「_変なところで抜けてましたね、私たち.......。」


それぞれがそれぞれの反応を見せる。1人特になんとも思ってなさそうな人が1人いるが、私は特に気にすることもなく、話を進める。


「まぁ、とりあえずみんな自己紹介をするなら仲間が全員集まってからにしましょう。その方が良いので」


私がそう提案すると、みんなは頷きで賛成を示した。私はそれを確認してもう一度王室を見回す。とりあえず今集まっているのは、私、サラ、オルドルの人達、ハイラ、リベリカだ。8人集まってはいるが、肝心の国王と、後シュベリーというメイドがいない。10人集まれば、とりあえず始められるのだが………。


「?」


そこで私は、扉の先にいる気配に気づく。

シュベリー又は国王様が着いたのかと、視線をそちらに集中させた矢先、思い扉が開かれたと同時に現れたのは、


「っ、お母様!一体今の今まで何処に.......!」


リベリカは驚き、というより己の母の存在を待ちくたびれていたようにして、そう叫んだ。ぐるっと室内を見回したリベリカの母.......国王の妻でもある___マゾベル・ザ・ベルカルは、少し安堵したように頬を緩めこちらに歩を進めてきた。


「__良かった、今の所みんな無事なのね。私は、国王様からお話を伺ったあと、ひたすら敵の在処を探していたのよ」

「!!まさか、あの力を使われたのですか?」

「___えぇ、まあね。今起きているのは、国の存続に関わる大きな異変。出し惜しみなんてしていたら、手遅れになってしまうもの」

「確かに、そうですが.......。」


ハイラはその透き通ったら碧眼で真っ直ぐと母の顔を見つめるが、1つため息を吐いた後「では」と前置きしてから、


「あとはお父様とシュベリーだけですね。出来るだけ、早く帰ってきてくれると嬉しいのですが」


ハイラはそう呟いてから数分が経過した頃、王室内に変化が訪れた。

部屋奥から感じた誰かの気配に気づき、右奥の方を見やった。すると、艶やかな金髪を揺らしながら国王が戻ってきた。頬には、一雫の汗が伝っていた。

国王__カーシックはみんなの所まで向かい、声をかけてきた。


「申し訳ない、少し遅れてしまったな。ひとまず全員、揃っているな?」

「はい。そして、国王様、こちらが新しく私たちの仲間になってくれた者達です」


サラがカーシックにオルドルの人達をそう紹介した。カーシックは4人に顔を向け、


「おぉ、君達が新しく仲間になってくれた者たちか。協力、感謝するぞ」

「いえ。国を脅かす存在が現れたとなれば、俺たちも黙っている訳には行きませんから。俺たち、オルドルが貴方様方の力になれるよう努めさせていただきます!」


カーシックの素直な感謝に、しかしオルドルを代表として前に出た青年は、これからの決意表明をした。

それにカーシックは苦笑して、


「そんなに畏まらなくても良いぞ。そんなことに気を使う位なら、もっと別のことに使ってくれ」


そう言った。私はそこで、カーシックへの評価を1上げる。勿論国を守り纏める国王なのだから当たり前のことなのではあるのだが、


「__とても、国のことを大事に思ってるんですね」

「当たり前だ。伊達に国王の座は持っていない」

「あはは、確かに、これは飛んだ御無礼を」


2人の相性は悪くないようで、ちょっとしたさっきの会話だけで少し和やかになった。

だがやはりこれはカーシックも気になったようで、それを口にした。


「あれ、でもよく見てみると数は少ないな。まぁこの4人はかなり強いとは思えるが………。」


やはり皆同じことを疑問に思うようで、カーシックも尋ねてきた。それについては私が答えることにした。


「やっぱり、堕天使という単語を聞いた瞬間に、本気で協力してくれるグループはどうしても少なくなってしまって」

「うむ.......。まぁ、しょうがないな。現に今も、敵のおかげでかなり最悪な状況に陥っている」


そういったカーシックは曲げた手を顎につけて、悩む素振りを見せた。

私は少し胸の辺りに不快感を覚える。なんなのかよく分からないが特に気にせず、私はそれについて聞いてみた。


「最悪な状況、となると?」

「それは、後で話す。まず、部屋を移そう。こんな所では、会議も出来ない」


確かに何度か周りを見回したが、辺り一面ただ広く豪華な空間が広がっていて、話し合いに適しそうな大きな長机とそれに沿って並べられた椅子は存在しない。

まぁそりゃあ、王室で玉座がある部屋にそんなものがあるわけは無いのだが……。

まぁそれはともかく、今はとりあえずカーシックの言った通り部屋を移した方がいいことは確かだった。だが、カーシックは移動する前に、


「__シュベリー、任務完了だ。城の門番は優秀な聖騎士に任せ、お前は談話室Eに来い」

「___________。」


そう告げると、私からはカーシックの声以外特に何も聞こえなかったがカーシックがおそらく、シュベリー__に告げた数秒後、頷いてあるきだした。


「ついてきてくれ。俺たちがこれから向かう談話室Eに着いたことには、門番をしていたシュベリーもいるだろうから」

「あの、なんで談話室何ですか?」

「あぁ、それはまあこれといった会議室というものが無くてな。談話室は大きいテーブルと椅子も沢山あるしEはその中でも広めな場所だからな」

「なるほど………。」


私は咄嗟に胸の内に出た疑問だったのだが、カーシックはすくまに答えを提示してくれた。


私たちが談話室Eに着くと、予想通りドアの傍にはシュベリーが立っていた。


「皆様、揃っておられますね。では、こちらへ」


シュベリーの案内通り部屋に入って各自席に着くと、カーシックは開幕の宣言をする。


「よし、作戦会議の時間だ」

深夜投稿になってしまいましたが……。そしていつもより短めの文章となりました。ただ、大方この先の話の展開は決まっているので、順調に行きたいと思っています!

ここまで読んで頂きありがとうございました!次話もどうぞよろしくお願いいたします。

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