第13話 フレアの過去 2nd
少し長めになりました
「え、あのちょっと」
「助けてください!ここはどこなんですか!?」
「えぇ……?」
私は、今よくわからない状況に陥っている。急に助けてと言われても……。
まず、誰か知るのが先決である。
「まず誰だか知りたいんですが……。」
「え?あ、すいません!私、森山玲緒です!」
「モリヤマ・レオ……?」
あまり聞かない名前だが……。どこか遠くの国の人なのだろうか?
「モリヤマ……珍しい名前だね」
「そうですか?」
レオはうーんと数秒唸ってから、あ、そっかと呟いたあと、困った顔をして、
「ここは異世界……。えっと__。」
「イセカイ……?」
知らない単語がでてきたが、レオは薄ら笑いを浮かべて、
「レオでもいいんですが……。そうですね、レオンって呼んでください!」
「本名じゃなくていいの?」
「はい!それに、なんかレオンってかっこいいじゃないですか?」
「そういわれれば……?」
これからはレオのことはレオンと呼べばいいらしい。なぜかこの子とは長い付き合いになりそうだ。
「___そっか。私はフレア。レオン、よろしく」
と、私がそう言って手を伸ばすと、レオンはすごく安堵したような表情で、私が伸ばした手にレオンは手を乗せて、
「はい……。」
と言ったのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それから時は少しばかり流れ_____。
「そっか。じゃぁレオンは、その地球って所にいたんだ」
「はい!私みたいな人間が沢山いる世界です!」
レオンはとても誇らしそうに胸に手を当て話している。なんかすごく周りが明るい。なんとなく。
そんなことを思っていると、突如レオンは表情を変えて、
「あ、そういや、フレアさんって何族なんですか?」
と聞いてきた。レオンは見た目とさっきの発言からするに人間だとは思うが……。
「?私は魔族だけど……。」
「!?」
普通に答えただけなのだが……。レオンはかなり動揺している。なんでだと少し考えたあと、あ、そっか。と納得した。
確か、人間と魔族の間には敵対関係があるのだ。気にしてないから忘れていた。
となると、かなり警戒されてしまうのだろうか。そう思ってこちらも少し身構えてしまったあと、
「まさかの魔族!?魔王います?」
なんて変なことを聞いてきた。魔王なら私の父だしいるが……。
「うん」
「じゃぁ、勇者は?勇者が魔王を倒しに来たりは?」
「最近はないけど、昔はあったって言ってた気もする」
そういや、今人間の勇者はいるのだろうか。
魔王城に攻め入ってきたときはかなり昔の話だったと思うので、今もいるかまではよくわからないのだが。
そんなことをもんもんと考えていてふとレオンの顔を見ると、
「わ」
と思わず声を出してしまった。なぜなら、思わずそうしてしまうくらいレオンが変な顔をしていたからだ。眉間にしわが……しわが寄っている。
すごく堪えがたい表情をしているのだが……。
「あの、レオン?どうしたの……?」
そう聞いてみると、レオンは少しずつ口を開いていって、
「あ、RPG要素満載じゃないですか……。」
「あーるぴーじー……?」
「これが、異世界っ……!!!!」
なんか空を見てすごい興奮しているようだが、魔王と勇者の存在がそんなにテンションのあがることなのだろうか……?
それにしても……。
「なんかレオンと話してると知らない言葉が沢山」
イセカイとかあーるぴーじーとか。でも、そういうのは私の知的好奇心をくすぐられる感じがする。
話してて嫌な感じはしない。
すると、レオンははぁ、とため息をつき、細い目をして空を見ていた。
「__でも、私これからどうしていこう……。」
「それは……。」
「元の世界に戻ることはきっと難しいですし……。」
「まず、世界を渡るってできるのかな……?」
「そういうのは全然詳しくないですが、難しいと思います……。」
世界を渡るなど今まで聞いたことはないが、出来るのだろうか。
だがここの世界以外にも地球という人間界が存在していることが判明してレオンが渡ってきている以上、異なる世界への転移は可能なのだろう。
だが、やり方はわからないが……。
「だから、フレアさん」
「?」
「私と、もう少しだけ話してもらってもいいですか?」
「_________。」
そんなことをお願いされるとは思っていなかった。正直目の前の少女のことは、あまり良くわからない人物ではあるが……。
「私には、敬語なんて使わなくていいよ。名前も呼び捨てでいい」
「え?あ、はい」
「どうせ暇だから、いいよ」
「_____!!ありがとう、ございます!!」
「だから、敬語でいいって」
「あ、そっか」
どうせ暇だし。ここにいてレオンと話すのも、嫌な気持ちにはならない。また、ここに来ればいい。
ヒーラから報告もないから、きっと魔獣はどこか別の場所に行ったのだろう。それならきっと安全___。
「あ」
そこで私は一つの重大な問題が起きていることに気づいた。私がレオンを見つけてから、一度もヒーラに報告をいれていない____。
「?フレア、どうしたの?」
レオンはそう私に声をかけてくるが、これは結構ヤバいかもしれない。
そう思って、ヒーラに連絡を入れようと思ったその時。
「そこにいたのね……。探したわよ__。」
「!!」
突然に響いたここにいないはずの声に、肩が反応する。
「その声は___。ヒーラ……。」
森の大木の影からぬっとでてくる紫の影は、苛立ちを隠さずにフレアとレオンの方をみやり、ふーんと呟いた。
「もう一時間以上経ってるし……。呑気に話してるってことは、異常はなかったっぽいわね」
「うん」
「はぁ……。んでフレアの話し相手は……?」
どうやらヒーラの方も大丈夫だったらしい。そして、ヒーラはレオンのほうを睨む。
「、人間?」
「あっはい……森……じゃなくて、レオンです!」
ヒーラに問いかけられたレオンは、頭に生えているうねった2本の角で一瞬で魔族だと思ったようで、ガチガチに固まってかしこまっている。
するとヒーラは私の方によってきて、
「アンタ珍しいわね……?」
と耳打ちで言ってきた。そうだろうか??というか何が??
「まぁいいわ。帰りましょう。こっちも異常なしよ」
と腕を組んでヒーラが言ってきた。
たしかにもう時間オーバーしているわけだし、報告するために私達はもう帰らなきゃならない。
でもその前にひとつヒーラに提案しなければ……。
「待って。ヒーラ、一つ提案が」
「あん?提案?」
「うん。レオンが住む場所ないから魔王城に連れて行ってもいい?」
ただ提案してみただけなのだが、ヒーラは驚愕の表情を見せた。
「住む場所ないってのも気になるけど……。人間を魔王城に……!?」
「なにか問題でも?」
ただ住む場所をもとの世界に帰るまで借りるというだけなのだが……。
「何かって、問題大アリよ!!人間を忌み嫌う奴だっているのに……。」
「え、」
「レオン、だっけ?アンタ死ぬかもよ?」
「えっ……。」
レオンはそのヒーラの言葉に濁点がつきそうなくらい低い声を出した。
確かに、それだとヤバいかもしれない。
「私、死にたくないです……。」
「それじゃぁ、どうしよう……。」
これは困ったことになってしまった。
ここまで読んでくれてありがとうございます!




