第10話 久しぶりの再会
「“この鍵には、盗聴器、そしえカメラの機能が備わっています”」
盗聴器……?カメラ……?そんな機能があれについてたのか?でもあれは、普通に街に落ちてたし……。
誰が拾うかわからないものだ、たまたま拾った人の生活を除くようなものだが……。
本当にそれだけなら、ただの趣味の悪い変人といえる。____でも本当に、それだけなのだろうか。
「んな______ッ!」
「えっ」
リベリカもハイラも、王室にいるだれもが強い動揺をしている。当然かもしれない。
ただ、今一番動揺しているような気がするのは、
「カメラと、盗聴器……だと?」
「……………………はい」
この国の王、カーシックだった。まぁもちろん、この国の問題になりそうなことだし、気持はわかるけど、
「おいおい、そんなの」
動揺というよりかは、
「そんなの聞いてないぞ…………」
隠しきれない強い焦りがあるように見えた。
「まぁ、逆に聞いてたらすごいことになってしまいますが……。」
「そう、だけど」
ひょっとしてハイラは天然というやつなのだろうか。いや、ただの……?
まぁ今はそんなのどうでもいいが、この少しの異変にサラは少し気になっている様子で、動揺に対する冷や汗をかきながら、カーシックのほうに目を向けていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
澄んだ夜空に無数に広がる星々の下、古ぼけた建物の屋上で、手を広げ、夜空を見上げる少女がいた。
隣には、跪いている少女もいる。
「さぁ、準備は整ったわ」
そう屋上から見える広い王国を見渡しながら、宣言するように声を上げた。
「レオン」
「__。はい」
そして、隣に跪く少女に命令を下す。
「______だけど、良い?」
「勿論です」
「ふふ」
その少女___レオンは、その命令に即答で答える。その声には、淡い期待が宿っていた。
そしてまた、流れ星が空を走ったとき、手を広げている、仮面の少女は始まりを宣言する。
「舞踊会の、始まりよ」
それだけでは終わらない。ヒールつきの靴をはいているようで、カツ、カツと音を立てながら屋上を歩いていく。
「ここね」
すぐ飛び越えられてしまいそうな小さな柵の目の前までして、下を見下ろす。
そこには、銀色の四角い貯蔵タンクのようなものがあった。
それを見つけると、手を上げ、魔法陣を貯蔵タンクの上に展開する。かなり大きい魔法陣だ。黄色と白で、ギラギラ光っている。
それをひと目見て、その魔法陣に魔力をこめ、そして詠唱する。
『_____ライトニングッ!!!』
魔法陣は詠唱主に応えるように、瞬間的に魔法が発動した。電撃系の魔法で、一気に高電力の電気が貯蔵タンクを覆う。
___そして、ショートした。
強い電気から生まれる強い光で、魔法を放った者の姿が一瞬あらわれる。
まるで、パーティーに行くような、格好だった。
それを、レオンは地面を見つめながら中級魔法を唱える詠唱を聞いて、「ふぅ」といきをついてから立ち上がる。
早めに撤退しなければ、これを見てかけつけてきた兵たちに見つかってしまう。
それに、これが終わったら、レオンには大事な一仕事がある。
「さ、私はもう一仕事しなきゃ。__また、会えるかな」
と、誰にも聞こえない程の声でレオンは呟いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「!?」
再び王室は驚きに包まれる。なぜなら、王室が
「暗くなった……?」
そういうことである。急に停電したのだ。もう夜なので、電気が消えると部屋は月光だけになるため、ほとんど真っ暗だ。しかも、今日はよりによって新月の日。かなり暗い。
『ライト』
サラは急いで杖を取り出し、初級魔法の詠唱をする。その詠唱のあと、サラの持っている杖を中心に柔らかい光が広がった。
「サラ!この部屋の明かりに魔法で明かりを灯すことはできる!?」
「リベリカさんですよね、すいません、私そういう光系の魔法は苦手でして……。ライトがやっとなんです」
「そう……。しょうがないわね。___フレア!」
「ん??」
急に呼ばれたのでん?しか返せなかった。でも、最悪明かりがなくても……。
「あなた、魔力感知はできる?」
「魔力感知……。できる」
「ならそれを使って」
「了解」
私が明かりが見えない中で考えていた解決策だ。
魔力感知__その名の通り、相手や自分の持っている魔力を感知するものだ。
相手の魔力を覚えていれば、何処に誰がいるのかが瞬時にわかる、といった仕組みだ。
「____。」
魔力感知を発動させる。特に、誰も居場所は変わっていないようだ。リベリカが少しだけ移動しているくらい?
私はひときわ強めの魔力のある方へ向かう。そして、そこにいる少女に声をかける。
「サラさん、サーチをお願いできる?」
「____ッ、はい!」
サラはすぐ杖を構え、周囲に検索をかける。
「できるだけ、広く」
「わかってます」
目を閉じ、集中し始める。一分ほどしたあと……。
「どう?」
リベリカもサラの方に近づいて、声をかけた。
「えーっと……。」
サラは答えづらそうに眉を潜める。
「停電している訳ですし、蓄電所のあたりを重点的に調べたのですが……。」
「結果は……?」
「はい。魔法蓄電所のあたりが……。結構な、魔力反応です。」
「______ッ!!」
魔法蓄電所……。多分そこを、誰かが攻撃したんだろう。結構、厄介なことに巻き込まれているのかもしれない。
(王都に来た初日でこれか……。__かなり、あの、目的が達成するまでは時間がかかりそうだな)
まぁ王城に連れられて寝ていたときも、含めると結構な時間が経過していたかもしれないが……。
どちらにしろ、超級モンスターのときもいいこんなに厄介なことが続けざまに起きるとは……。
「あの!」
がそんなことを思っていると、ハイラは大きい窓めがけてかけていく。
「きっとなにかあったんです!私、向かって見に行ってみます!!」
「えちょ、待って……!」
ハイラは初対面の時から正義感が強そうだなとは思ってたけれど、やっぱりそうだったか。
でも、これで勝手に行かせるのはまずい。
「でも……!」
「___。」
ハイラが振り返って力強い声で私に浴びせる。どうし………。
ゾクッ。背筋が凍ったような感覚を急に感じる。これは、やばい。
私が何も言わなかったことを合図に、窓から飛び出そうと、勢いをつけたとき、声を大にして叫ぶ
「止まって!!」
「え?」
全く動かなくなったので、私が無理やりハイラの体を掴んで窓から離れさせる。
「ちょ、急になんで……、!?」
ハイラがそういった瞬間、ハイラの真横を巨大光線が横切った。
「_____ッッ!!」
「あつ……!?」
とんでもない熱量だ。その光線が止んだあと、王室に光線の影響で煙が立ち込める。
一体誰が……。
「___ッ、あそこに誰か……!」
リベリカが声を荒らげてそういった。
………………………?待て、この魔力……。ただ、少し歪んでいる。これは……?
これは……………………。
段々と、煙が晴れていく。そして、完全に晴れたときには_____。
「____見つけた。」
私の瞳には、きっと嬉しがり、そして懐かしんでいる、レオンの姿。
そして、レオンの瞳には、きっと、冷や汗をかいて、驚きに顔を歪めた、私が写っていたと思う。
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