エスターとの生活その2
着替えを手伝って貰い、着替えた雅は落ち着かない様子だ。エスターが常に隣に居るからだ
「あの~王様なんだし忙しいんじゃないの?」
「勿論、忙しいよ。国を統治するって簡単じゃないよ。私は家族が居なくてね…必然的に王にされたからやめたいんだけど邪眼の力が有るから無理矢理やらされてるだけ。民の事は守るけど…他になりたい人が居たら譲るよ?」
「そうなんだ…家族が居ないのって…さっき言ってた事?」
「そうだね…雅には話してもいいかな…記憶喪失だけど雅も訳有りだからね」
「わたしも訳有り?命を狙われたのもそのせいなのかな…?」
「誰かは知らないけど…雅は私が守るから安心して。そうだな…どっから話そうかな…私のこの邪眼は隔世遺伝でね。父と母にはなかったんだけど…10才の時に力を制御出来なくて暴走したんだ。その時に王宮の半分をぶっ壊してね、玉座の間に居た父と母を一緒に消してしまったんだ…」
「それって…亡くなったって事よね…?だけど!好きでそうなった訳じゃないし…その…えっと…小さかった訳だし…」
「いいよ。遠回しに言わなくても。力のせいで亡くなったのは事実だし。それからは師匠に制御方法を学んだんだ。今はよほどの事がない限り暴走したりしないよ、多分」
「そ。そうなんだ…恐れられてるって邪眼だから?」
「そうだね。別に王にはなりなくなかったけど…他に私以上に強い王族が居なかったから仕方なくね…。叔父上とか従姉妹は居るからなりたいなら譲るけど雅の国が攻めてきたりするし防御するにも私が必要なだけだね…」
「え?わたしの国が攻めてくるのにわたし達、婚約者なの?」
「あぁ!それはお互い一目惚れだから内緒で婚約者になろうって感じかな!雅は自分が鬼人族って言うのも忘れてるのか?」
「鬼人族…思い出せないわ…」
「そう。無理に早く思い出そうとしなくてもいいから。雅は狙われたんだから」
「そうね…。その間、お世話になっちゃって本当に大丈夫なの?」
「私が良いと言ったらいいんだ。王だからな。そのぐらいのご褒美欲しかったから一生居てくれ」
「一生…そうね…いいかも…何故だか…」
「そうだろう!これからはずっと一緒だ!」
王座の間にて
「王様…その女性は…?」
「私の婚約者、いや、妻になる予定」
「そのような方が出来たのは喜ばしい事ですが…公務にまで連れてくるのは…」
「別にいいだろう?聞かれても将来、妻になるんだから」
「……エスター様、椅子を用意させますので膝の上に乗せるのはやめましょうか」
「嫌だ!これでも支障はない。お前達が気にしなきゃいいだけだ」
「わたしは恥ずかしいので部屋に居ますから!」
「心配なんだ!雅は私の側に居る事!」
「だけど…会議なんじゃ?やっぱり部屋に…」
「これから、このスタイルでいくから皆が慣れればいいだろう、問題ない」
「エスター様、そんな無茶な事を…」
「譲らないからな!」
そんな感じで日々が過ぎていった




