エスターとの生活その1
「拐ってきたんですか?!エスター様!」
「違う。我が国の森で怪我をして倒れてたのを師匠が保護したんだ。私は雅の魔力を感じて探してたら本当に師匠の所に居たから連れてきた」
「本当に雅様ですか?髪色も瞳も違いますが?」
「あの~、わたしが婚約者って本当ですか?」
「勿論だ!君は私の大事な婚約者だから心配しなくていい。記憶喪失だから忘れてるだけだ」
「エスター様!またそんな事言って…」
「雅の部屋は私と同じ部屋でいいからな。服とか着替えさせたい。血が付いてる…誰が雅をこんな目に…」
「あの、あの、同じ部屋って無理です。覚えてないのに…」
「大丈夫だよ?君が嫌がる事はしないし、君の命を狙ってるやつがいるから結界を張って守るだけだよ」
「エスター様、流石に一緒の部屋は…」
「雅が心配なんだ。私がずっと一緒に居るから心配しなくていい」
「え…ずっと一緒?お、同じ部屋なんて無理」
「ほら、エスター様!嫌われますよ?雅様が無理って言ってるんだから近くの部屋で妥協して下さい!」
「……分かった。だけど、公務の時も一緒に居るのは譲れないから」
「全く、初恋だからって拗らせて…。雅様、侍女を呼びますから部屋で着替えましょう」
「何から何までありがとうございます」
「雅は婚約者なんだから気を遣わなくていいんだよ?いっそ、結婚しよう」
「結婚?!エスター様と?!それは…わたし…思い出せないし…」
「雅、様はいらないよ。呼び捨てでいいから」
「エスター様!雅様が困ってます!さぁ、行きましょう!雅様、こちらです」
「はい…」
「私も行く!着替えの時は部屋の外に居るから安心して」
「……はぁ。拗らせ過ぎです」
「本当に王様なの…?」
「雅!いつもはもっとクールな方だから!」
「自分で言ってますが雅様、本当ですよ。エスター様は恐れられてますからね…」
「そうなんですか?!意外…」
「雅には嫌われたくないから…キャラチェンジしてる。他のやつはどうでもいい」
「また!そんな事言って!エスター様がそんなんだから側近が怖がるんですよ!」
「お前ぐらいだ…私にはっきり言うのは…」
「えー、意外…普段のエスター、見たいかもしれないです」
「雅が居るのにあんな感じにはならないよ」
「みんな、ビックリしますよ…きっと」
「私が暴走しないか恐れてるだけだろう?昔のように…今は力の制御出来るのにな…」
「エスターの暴走?」
「いつか話すよ…私は親殺しの王なんだ…」
「エスター様…」
「ほら、行こう、雅!誰か侍女は居ないのか!?」
すると侍女達が数名現れた
「はい…王様…いかがしましたか?」
「着替えを手伝ってくれ」
「かしこまりました」
「着替えぐらい1人で出来るわ!」
「だーめ、私の部屋の一番近い部屋で頼む」
「はい、王様」
雅は親殺しの王と言う言葉に引っかかっていた
エスターにも何か訳ありなのかと…




