テスト返却週間
テスト返却週間となり、2年は修学旅行へと出発していった。昌史は旅行先での義妹ちゃんが心配らしく心労でグッタリとしている。昌史に頼まれて腕を掴まれた場合の対処法は軽く教えておいたけど修学旅行を機会に告白される可能性もあるからな!俺も雪華だけが同じような状況になったら心労で倒れてしまうかもしれない。
ちなみに義妹ちゃんの行き先も俺達同様、新幹線で行く場所だった。沖縄じゃなくていいのか?と思ったけど本島よりも離島のほうが好きらしく、プランに離島は含まれていないから新幹線エリアにしたそうだ。昌史は新婚旅行先に考えているらしいが、夏の場合は北海道にするみたい。
「今年は文化祭のことを考えなくていいから楽だね」
「だな」
下校するのに廊下を歩いていると文化祭準備で賑わっている。俺達のクラスは文化祭不参加だけど参加する3年クラスももちろんあるし、クラスメイトの一部は同じく不参加クラスの友達と一緒に出展するようだ。鳳来さんは他クラスにも友達がいるから参加するのかと思ったけど不参加らしい。理由は部活を引退した彼氏と一日文化祭デートが楽しめるから、との事だった。
「あの、先輩。少しだけ話しをいいですか?」
「ん?どした?」
「先輩は料理に詳しいですけど、パン料理にも詳しいですか?」
「わりぃ、パンはわからないんだよ」
「意外ですね」
「俺が資格所持して知識に強いのはお米関連だからね。役に立てなくてゴメンな」
「残念です。去年クラス出展過去最高売上を達成した立役者の先輩ならいいアイディアをくれると思ったのですが」
「そうなのか、ごめんな」
「もし、アドバイスが欲しい場合はお願いしてもいいですか?」
「いいぞ。俺は文化祭には不参加だからクラス含めて誰にも迷惑はかけないからね」
「「「「「ありがとうございます」」」」」
昇降口で料理クラブがあれば入会したかった1年女子からパン料理の知識を求められたけど、俺にパンの知識はございませんからね。悪いけどお断りさせてもらった。クラス出展なのか校庭出展なのかは不明だけど頑張ってほしいな。
「カボチャはやっぱり飾るんじゃなくて食べなきゃだよな」
「だよねー」
一旦帰宅して、スーパーに向かうと各地の珍しいカボチャが販売されていたからテンションが上がってしまったぜ!
「あ、雪華、それは“そうめんカボチャ”だから買わないよ?普通のカボチャと食べ方が違うからね」
そうめんカボチャは茹でると綿糸状になる不思議なカボチャでシャキシャキとした歯ごたえなんだよね。
「はーい」
買い物カゴにカボチャを入れていくと他の奥様方がギョッとした目で見てくるけど、話しはしなくても俺のことを知っている人は『ああ』といった表情になる。
「もしもし母さん。イトヨリダイが安く売られているからアサリと一緒にアクアパッツァにしようと思うんだけど、どうかな?」
『いいわね』
「使用するオリーブオイルは安価なのを1本買っていくから」
『わかったわ』
電話して母さんから許可をもらったから人数分のイトヨリダイとアサリも買い物カゴへと入れる。
「よし!オリーブオイルも買ったし帰るか」
「ひろ君、アクアパッツァって白ワイン使うよね?あたし達未成年で買えないけどどうするの?」
「白ワインは前回使ったのがあるから、それで足りるよ」
「よかったー」
「料理用にしか使わないから安くていいからね。また赤と白のワインを父さんと一緒に買っておかないとな」
彩夏「色々なカボチャがあるんだね」
「これは飾り用じゃなくて食べるカボチャだからね、楽しみにしててね」
「うん!」
スーパーから帰宅してダイニングテーブルにカボチャを並べていると妹弟達がやってきた。
愛美「どうやってたべるの?」
「雪華お姉ちゃんがまずはグラタンを作ってくれるよ」
「「「グラタン!」」」
喜んでいる妹弟達に雪華もニッコリして嬉しそうだ。
「喜んでいるけど今日はカボチャじゃないからね?今日はお魚とアサリのアクアパッツァだよ」
「「あきゅあぱっちゃ」」
愛美と朝輝が上手く言えないのを見て、まだまだしゃべるのが舌足らずだった時のことを思い出す。保育園に迎えに行った時にも感じるけど、舌足らずな子って可愛いよね。
「またアクアパッツァ食べたいな」
「イトヨリダイは熱を通してもふっくら柔らかいからね、アクアパッツァと相性がいいんだよ」
「なるほどね」
アサリも秋の旬の時期だしな!
でも、魚介類は他の食べ方も多いから次にアクアパッツァを食べる日は不明となっている。




