伝説の修学旅行生になっていたようだ
「ねえひろ君、オモダカって雑草なの?」
「まあ、繁殖力が強い水田雑草ではあるな。どうかしたのか?」
「白い綺麗な花が咲くでしょ?親戚に写真を送ったら「雪華ちゃんの旦那さんは雑草も育てるのねえ」って返信があったからさあ」
「なるほどな。俺が育てているのは八重咲きと斑入りだから、手軽にオークションに出品出来るんだよ」
「へー。ちなみにおいくら位になるの?」
「最近は改良メダカやビオトープブームだろ?1鉢千円位での取引かな」
「なるほどね。親戚の人にも教えてあげようかな」
「やめとけ、やめとけ。普通のやつはお金にならないから労力に見合わないよ」
「そうなんだ」
「それよりも塊茎を揚げてスナック感覚で食べたらいいと思うよ」
「そうなの?」
「オモダカってさ、正月のおせち料理に入っているクワイと同じなんだけど塊茎が小さいから、山芋のむかごと同じ感覚で食べればいいと思うよ」
「なるほどね」
「それよりも何で今更オモダカの写真なんて送ったんだ?」
「きのこの原木どうなったのか連絡が来たからさ、置き場の様子と一緒に白い可愛い花が咲いているんだよって送ったの」
「なるほどな」
「でも、ひろ君が大切にしている高価な種類は送ってないからね」
「別に送ってもいいぞ?高価な種類も購入出来るような収入がある証拠になるだろうし」
「あはは」
雪華とそんな会話をしながら、登校する為にバス停へと向かう。俺は栽培目的だけど食べられる種類も多いから非常食にもなるんだよなー。
昌史「内宮、お前、伝説の修学旅行生みたいだぞ」
鳳来「何よ、それ?」
「修学旅行の昼飯で内宮が大食いチャレンジしたのは覚えているだろ?」
「もちろんよ」
烏野「食べ終えた食器とVサインをした内宮君の胸元の写真が貼り出されましたよね」
「おう!今日、同じところで昼飯の為に立ち寄ったら店員さんから内宮が伝説の修学旅行生として去年の出来事の話しがあったらしいんだ」
鳳来「なるほどね。制服を見れば同じ高校ってわかるもんね」
「そういうことだ」
「ところで何でそれを知ってるのよ」
「義妹が行っててさ、興奮した口調で電話してきたんだよ。内宮先輩が伝説になってるよって」
「なるほどね」
まさかそんな事態になっていたなんて。俺は腹が減っていたから食べただけなんだけどな。これって毎年紹介されることにならないよな?通学するのに気軽な距離の高校だから妹弟達も通う可能性がある。そうしたら『おにいちゃんだ!』ってことになる。まいっちゃうぜ!
はっ!雪華がジト目で『全然まいって無いでしょ』と呆れ顔で見てきてるからウインクでもしておくか?
「今日の晩ご飯はカツ丼?」
「大食いチャレンジの話の影響を受けてないか?今日は白菜と豚バラ肉の鍋で変更はありません」
下校時間となり、自宅最寄りのバス停に向かうバスの車内で雪華が晩飯のおかずが決まっているのにカツ丼か聞いてきた。
「あはは。ごめんごめん」
「土曜日にコノフィツムとか多肉植物の展示即売会に行く予定だろ?その時にカツ丼を食べるか?」
「同じ豚カツなら定食にしようよ。ご飯のおかわりが出来るからさ」
「それならカツ丼はウチで作るか。文化祭の振替休日で釣りに行く予定だからその後になるけど」
「いいね!」
さて、最寄りのバス停に到着したし一旦帰宅したらスーパーに行きましょうかね。
「最近野菜や果物が少し珍しいのも売られているな。精肉売場同様チーフが変わったのかな?」
「そうなの?」
「前回みたいなカボチャは今まで売られて無かっただろ?」
「確かに」
「それと、これはポポーって果実なんだけどスーパーでは滅多に売られていない果樹なんだよ。それにバナナも沖縄で栽培され始めている種類もあるしこれから楽しみだぜ!」
「ひろ君と気が合いそうだね」
「いや、案外同族嫌悪かもしれないぜ?」
「あはは」
ポポーもバナナももちろん買い物カゴに入れた。
「あれ?ポン酢ってあったっけ?」
普段なら母さんに連絡するんだけど今の時間は保育園に迎えに行ってるから、家にいるのは留守番している彩夏だけ。
「開封しなければ大丈夫だから買っとけば?」
「そうするか」
鍋物が美味しい季節になるし、大きいほうを買っとくか!今のは小さいタイプだから大丈夫だし。
「買っといて良かったね」
スーパーから帰宅して冷蔵庫を確認するとポン酢はひとり分位しか無かった。雪華の助言が無かったらまた買いに行く所だったぜ!




