テスト週間
中間テストも始まり、クラス内はピリピリした雰囲気となっている。進学クラスのような都内の有名大ではなくても烏野さんのように県内の大学とかに進学を目指す人は多い。学校のテスト以外にも色々とテストはあるから気持ちはわかる。
「中学の高校受験の時ってクラス内の雰囲気もこんな感じだったの?」
「そうだな。夏休み明けからピリつき始めて年明けで受験が近づくともっとピリピリしていたな」
「へー。あたしは学校のテストは視聴覚室で受けてたから、この空気は知らないや」
「知らなくて良かったと思うぞ?鬱憤のはけ口にされた可能性もあったかもだし。辛い時間だったとは思うけど不登校で良かったと思うよ」
「そっかー」
「さ、中学時代の嫌な話しはこの位にして今週末の話題にしようか」
「愛美ちゃんと朝輝くんの勉強机とランドセルを買いに行くんだよね?」
「おう!良く行くショッピングモールとは別の大型ショッピングモールに行くからな、きっと楽しいぞ?」
「ひろ君の楽しいが何を指すのか知らないけど、勉強机とランドセルはその場で持ち帰るの?」
「ランドセルはそうなるかもだけど、勉強机は来年の2月頃に配送してもらう予定だよ」
「なるほどね」
テストも終わり、バスの車内でそんな会話をしながら最寄りのバス停に到着して帰宅する。
「今日の昼飯はラーメンだけど何味にする?」
「ひろ君は何味?」
「俺は塩。この後、買い物に行くから冷蔵庫の野菜整理も兼ねてね」
「買い物はどこに行くの?」
「商店街だよ。魚屋の大将から筋子とアイナメが入荷したって連絡があったからさ、ついでに八百屋に寄る予定」
母さん「わたしは味噌にするわ」
「それじゃあ、あたしは醤油にするー」
「あいよ!」
今日のラーメンは乾麺タイプだし、味も違うから個々の鍋で麺を茹でる。麺を追加で茹でるのは自分でお願いしますってね!
「大将こんちわ!八百屋で先に買い物してくるから帰り際に寄るね」
「おう!待ってるぜ」
商店街に到着してまずは八百屋に行くとヤマイモのむかごとヒシの実が売られていたから買ってしまった。もちろん目当ての野菜も購入したぞ。
「大将お待たせ!」
「おう!これが筋子とアイナメな」
「あとアサリもお願い」
「あいよ!」
「ところで大将どした?何か疲れた顔をしてるよ?」
「実はさっき面倒臭い客が来たんだよ。初めて来たのにアレコレ細かい注文でよ!お断りさせてもらったぜ」
「そうなんだ?いるよなそういった迷惑客って。内容は知らんけど細かくやりたいなら自分で技術を身につけろよな!」
「まったくだぜ!こっちにだって客を選ぶ権利はあるってんだ」
大将にお代を払って商店街を後にする。時間があるから愛美と朝輝の保育園に迎えに行くか母さんに連絡したけど大丈夫とのことだからそのまま帰宅した。
「ただいまー」
「おかえり」
「あれ?自室で勉強していたんじゃないの?」
「ちょっと水分補給にね。今日はアイナメなんだよね?お刺身にするの?」
「煮つけだよ。防波堤では釣れないサイズだからな!美味しい皮も一緒に食べたいし」
「なるほどね。ところでコレは何?」
「こっちがヤマイモのむかごでこれはヒシの実だよ。小さいけど両方ホクホクで美味しいから雪華も気に入ると思うよ」
「ヤマイモのむかごなら庭の一画でも出来てるよね」
「あれはヤマイモじゃなくて自然薯だからね。むかごを少し育てた種イモはお金になるから食べてないけど美味しいよ」
「そうだったんだ」
「ちなみにあの自然薯は推定2m位のイモになっていると思うぜ?」
「完全にイモを食べる気はないんだね」
「まあね」
後続のイモは掘り起こすのが楽なように栽培をしているから雪華も何度も食べているんだけどね。
雪華は自室での勉強に戻り、俺はアイナメの煮つけを作りながら筋子を60度位のお湯で薄皮を取り除いていくのを数回繰り返したら冷水で軽く〆たら準備完了。あとは漬け汁に入れて冷蔵庫で寝かせたら、いくらの醤油漬けの出来上がりだ。明日の晩飯で食べることが出来るだろう。
アイナメの煮つけが終わったから、むかごとヒシの実の下処理を開始する。試食用に処理したヒシの実を食べていると愛美が口を半開きにして見上げているから口の中に入れてあげた。すると朝輝を呼びにいって、朝輝は彩夏を呼んできて、といった流れで試食用は全部無くなってしまった。
商店街の八百屋でヒシの実を見たのは初めてだからまた入荷するか不明。また食べたいとなったら取り寄せるしかないかもな。
アサリ?アサリは明日の朝食の味噌汁にするんだよ。




