彩陽姉さんは合コンに行くのをヤメました
「ひろ君、原木到着したよ。庭側に置いといたから」
「わかった」
「種類ごとに全部で3箱だった」
「マジかよ!まあ、スペースはあるから平気だけど振り込みした金額でいいのか確認してくれるか?」
「はーい。あと、これは松茸ね」
「おう。 やっぱ採りたてだからかニオイが強いな!」
朝食後少し寛いで、さて勉強するかと思っていると荷物が届いて雪華が対応してくれた。雪華の親戚から荷物が午前中に来るのはわかっていたからな。
母さん「あら、そうなの?ステキな出会いがあればいいわね」
「母さん、電話は彩陽姉さんなんだよね?」
「ええ」
「ちょっと代わってくれる?」
「彩陽ちゃん、ちょっと待ってくれる?広也が話しがあるみたい」
「もしもし、彩陽姉さん?今日は来れないってどうかしたの?」
『人数合わせなんだけどさ、合コンにお呼ばれされたのよ』
「なるほどね。場所は居酒屋?」
『そうよ。自由に食べていていいんだって』
「人数合わせならさ、行かなくても平気だよね?」
『まあ、ね。他の人に頼むだけだろうし』
「それならウチに来なよ!今日は松茸ご飯に土瓶蒸し、天ぷらの松茸御膳が食べられるぜ?」
『なん…だと…』
「雪華の親戚から買ってさ。採りたてだからニオイは強いし、ぺラぺラじゃない噛める松茸が食べられるぜ?」
『高級料亭並みじゃないのよ!』
「おう!それでどうする?」
『もちろん、松茸にするわよ!よろしくお願いいたします』
「はっはっは。了解だ!いつも通り家庭教師も頼みますね」
『わかったわ』
母さん「まったく!彩陽ちゃんの出会いを奪っちゃダメよ」
「彩陽姉さんなら問題無いよ。童顔で愛嬌があるからさ。ただ、食欲を受け入れてくれる必要があるけど」
「そうねぇ」
「この“石づき”の部分はどうするの?」
「鉢植えの赤松の根に埋めとこうと思って」
「去年もやってたよね」
「どうせ捨てる部分だからな。ちっこいのでもいいから出たら面白いじゃん」
「あはは。そういえば、ひろ君が栽培しているエビネだっけ?あれも松茸の香りがするよね」
「エビネは元々きのこみたいな香りがするんだけど、あれは俺が交配して偶然産まれた個体なんだよ。来年の春に同じ兄弟株が開花予定だから楽しみだよ」
「へー。ニオイエビネだっけ?あれを交配親に使っているの?」
「使ってないよ。こういうのがあるから種子から育てるのも楽しいんだよ。ただ、開花まで数年かかるんだよね」
「なるほどね。あたしのコノフィツムも開花まで時間がかかるから気持ちはわかるわ」
雪華とそんな会話をしながら松茸の汚れを丁寧に拭きとっていく。
「よし!松茸ご飯の分は終わったな。土瓶蒸しと天ぷらの分はまた後で、だな」
「だね。今日は焼き松茸にしないの?」
「先生達の分の時にやる予定だよ」
「いいね。この後は勉強する?」
「原木を先に設置場所に置いときたいから、勉強は昼飯後からだな」
さーて、何の種類か楽しみだな。
「あれ?種菌したばかりの原木じゃないんだ?」
「うん。ひと夏越したのを販売しているみたいなんだ、だからドタキャンされると困るんだって」
「なるほどな。手間がかかっているんだから当然だな」
ダンボール箱を開封して原木を取り出していくと届いた種類は3種類で一番珍しいのはブナハリタケで、あとはナメコとヒラタケだった。
「この他の種類もあるの?」
「わからないわよ。あたしの親戚が育成しているわけじゃないもん」
「そうだったな。雪華の親戚は山採りだもんな」
「うん!でも、それ以外の季節はお世話になっている業者さんみたいでね。ひろ君がこういったのが好きだから連絡をくれたみたい」
「それなら、きのこ以外の植物の種類も是非!と伝えといてよ」
「んもう」
「さ、昼飯を食べようぜ!今日はホットプレートを使って色々と焼くからさ」
「うん!」
「おじゃましまーす」
昼飯後は俺も雪華もテスト勉強をして過ごしていると夕方となり、彩陽姉さんがやってきた。
母さん「彩陽ちゃんごめんね。折角の合コンだったのに」
「いえいえ。人数合わせだし、わたしの交際相手としては不向きな人達なので大丈夫です」
「そうなの?」
「先輩の好きなチャラいイケメンらしいので。連絡先を交換する気も無かったですし」
「なるほどね。それじゃあ、あやちゃんの勉強をお願いね。広也が伝えたように松茸ご飯だから」
「はい!楽しみに来ました!」
「意気込んでるところ悪いけど、おかわりは1杯の計2杯だけだからね?あとは白ご飯よ」
「わかりました!では、おかずは白ご飯でいただきますね」
ルンルン♪といった感じで彩夏と一緒に和室に入っていった。
晩飯は松茸メインだけど、妹弟の為にお肉も欲しいよねって事で鶏の唐揚げも追加して晩飯のお時間となりました。
やっぱり知名度で言うときのこの王者は松茸だよなってことで両親や彩陽姉さんはホクホク顔で食べてましたよ。




