高校最後の栗拾い
さあ、今年もやって来ました!栗拾いの季節です。と、いう訳で家族総出で栗農園にやってまいりました。
「あっくん。それは栗の実に穴があいているから食べられないよ」
「そうなの?」
「こっちのイガの中にあるのを取ってね。あみちゃんは次ね」
「うん!」
現在、俺と雪華は愛美と朝輝と一緒に行動していて彩夏は両親と一緒だ。
「今年の実は小ぶりだね」
「それか品種が違う可能性だな。俺も実を見ただけで品種はわからないんだけどな」
「その場合もあるのかぁ」
「ところで、トカゲとかを探さなくていいのか?双子は俺が見ているから探してもいいぞ」
「レオパ以外は繁殖に挑戦して成功したでしょ?レオパの繁殖も考えるとスペースが無くなるからさ」
「確かにな。繁殖をレオパ中心にするなら、採集したやつの繁殖もするのは俺達の家を作ってからだな」
「んもう。気が早いって」
そんな会話をしながらもイガを靴裏で開けて実を愛美と朝輝交互に取らせている。
双子はまだ入園は無料だから彩夏みたいにプラスチック製のコップは渡されていないから栗の実は全部俺か雪華の網袋に入れている。
「一旦、パパとママのところに行こうか」
「「はーい」」
網袋がいっぱいになったから両親の元へと向かうと彩夏がトタトタと駆け寄ってきた。
「おにいちゃん!面白い虫さんがいたよ」
「どんなの?」
「コレ! こうして、ウラ返しにするとね」
彩夏が茶色の甲虫を裏返しにして地面に置いてしばらく待つとピョイーンと飛び跳ねる。
「おお!コメツキムシか。昆虫ゼリーで飼育出来るから持って帰ろうか」
「うん!」
この時期の成虫ってことは越冬成虫の可能性が高いから長く飼育出来るな。
「それとね、こんなのもいたよ」
「ゲッ!クツワムシか。これは小学校の教室に持っていこうか」
「でも、教室に持って行ったらいやがらせでお家に持って帰る男子がいるかも」
「そんな男子がいるのか?」
「教室にお父さんを連れて来た男子だよ」
「なるほどな。でも、このクツワムシを嫌がらせで持って帰った場合は嫌がらせ返しになるぞ」
「そうなの?」
「そうでございますよ。お代官様」
「!! ふふふ。相変わらずお主も悪よのぉ」
クツワムシは秋の鳴き虫の一種で『ガチャガチャ』と大音量で鳴くし、成虫になってからも長生きの種類で飼育環境が良ければ11月下旬位まで鳴き続けるんだよね。だから俺は飼育しない種類なんだよね。
両親に愛美と朝輝を見てもらい彩夏と一緒に少しの間、虫探しをすることとなった。栗農園の従業員に山野草や虫類を持ち帰ってもいいか確認してから探索する。
「ひろ君、ゾウムシはどうする?」
「栗農園のなら幼虫を栗の実で飼育出来るだろうから持って帰ろうか。農園側にとっても害虫扱いだろうからな」
「だね」
「おにいちゃん。ひっくりかえる虫がまたいたよ」
「いいね」
成虫は昆虫ゼリーで飼育出来るけど、幼虫は他の甲虫類の幼虫を食べる。もし幼虫が産まれた場合は幼虫の扱いは気をつけないとな。
俺はいい感じの苔が生えた枯れ枝やカワラタケの生えた枯れ枝も見つけたし、少し珍しいのや斑入りの山野草も見つけた。念の為にもう一度従業員に確認してOKを貰って持ち帰ることにする。雪華?雪華は栗の木の小さな隙間とかをクワガタがいないか探してくれて、まさかまさかでヒラタクワガタのペアを見つけてくれた。うひょー!
全員で農園の入口に戻ってくるとこれから栗拾いに向かう人や俺らと同じく戻ってきた人達が俺と彩夏が手に持っているプラケースを見て不思議な顔をしている。それとそこの子供連れのオジサンさ、暑いけどせめて子供には長袖を着させてあげろよ!虫よけスプレーだけじゃ蚊の対処は難しいぜ?
「よし!車内の暑さ対策もしたし、昼飯を食べに行こうか」
母さん「わかったわ」
虫達の暑さ対策にプラケースに保冷剤を巻きつけ終わったら昼飯を食べるためにいつもの食堂へと向かう。クーラーボックスは密閉状態になるから逆に弱ってしまうからダメなんだよ。
「今年は松茸あるよ?」
「雪華の親戚に頼んでいるだろ?だから、今回はサンマと根菜類の炊き込みご飯の食べ放題にするよ」
「サンマもいいね!あたしもサンマにしよっと」
母さんもサンマにして俺達胃袋に自信あり勢は食べ放題付き、父さんと彩夏は同じくサンマの普通の定食で愛美と朝輝はお子様定食。ただ、来年になれば普通の定食になるだろうな。少しは残すことになるだろうけどね。
愛美と朝輝のお子様定食のご飯はサンマじゃなくて欲しがったからあげた。炊き込みご飯用のサンマの切り身は骨が無いから安心だしな!
食事処は空席もチラホラとあるからデザートを食べつつ食休みをしたら去年同様梨狩りの農園へと向かい、その後は直売所みたいな買い物施設へと行く。今年は何が売られているか楽しみだな!




