きのこ料理のフルコース
朝食後に昨日購入した淡水魚を水槽に導入して、他にも混泳可能なのを飼育部屋から移動する。俺の部屋の水槽は60cmの規格水槽が2台となった。これで、飼育部屋の淡水魚水槽を減らすことが出来たから海水魚水槽を増やすことが出来るけど、ガサガサで採集して飼育するつもりは無いのは雪華に伝えた。すると、残念な気持ちなのか唇を尖らせたから、そこにチュッとさせてもらったよ。
昼飯の準備をしながらも晩飯の準備も始める。今日は昨日購入した山採りきのこ料理がメインとなっております。
「あやかのきのこは使わないの?」
「あやちゃんが栽培しているきのこはカレーにするんだよ。今日は香茸の炊き込みご飯だよ」
「こうたけって、あの香りがいいきのこ?」
「そうそう。晩ご飯で鶏肉と一緒に炊き込みご飯にするからね」
「たのしみー」
そう言って両手を上げてクルッと回って喜ぶ彩夏にホッコリする。
時間は過ぎて、15時を少し過ぎた頃に彩陽姉さんがやってきた。
「おじゃましまーす。 ってあれ?何かいいニオイがする?芳香剤なんて使ってたっけ?」
「あ、彩陽姉さんいらっしゃい。これはきのこのニオイですよ!直接嗅いでみますか?」
「では、お言葉に甘えて。 って何コレ!間違って芳香剤をぶちまけたと言われても違和感ないよ」
「だろう?これは香茸というきのこで松茸よりも高価な幻とも呼ばれているきのこなんですよ」
「そんなきのこをわたしに見せて、どうするつもりなの?ヒドイわ!」
「昨日、父さんの本社主催のイべントに行って来たんですけどね、そこで山採りのきのこを買ったので今日の晩飯のメインのおかずはきのこですよ」
「きのこか〜」
「少し残念な表情が隠せて無いですけど、彩陽姉さんが全部自分で買った場合、月収の10分の1が吹き飛びますよ?」
「なん…だと…」
「香茸は炊き込みご飯に、他のきのこはバター炒めや天ぷらなどで濃厚な味を堪能してもらえますよ」
「急に楽しみになってきたわー」
なんやかやあったけど、3時のおやつの時間に来た彩陽姉さんの手には姉御先生の洋菓子店の箱を持っていた。今日は雪華がバイト中だからカウンター越しに出会ったかな、と思って聞いてみた。
「彩陽姉さんさ、ケーキ屋で雪華に会った?」
「会った会った。期間限定のケーキを買う予定だったんだけど、同じく期間限定味のシュークリームの焼きたてが提供出来るって言うからさ、シュークリームにしたのよ」
「そうだったんだ」
「変なことをお聞きしますが、余ったケーキのお持ち帰りなんてあるのですか?」
「残念ながら無いよ。人気店だから売り切れになるからね」
「そうなんだ」
「ただ、試作品を食べる事は出来ますよ」
「いいなー」
そんな会話をしながら、彩陽姉さんと家族全員でシュークリームを食べ終えたら彩夏は勉強の時間となりました。
「マッシュルームって英語では、広い意味できのこってことなんだって」
「勉強になるねー」
トイレから和室に向かう途中で、彩夏から今日の勉強内容について教えてもらった。多分だけど炊き込みご飯の水蒸気で香茸のニオイが充満したから、引っ張られたのかもしれないな。
「本当にきのこのフルコースなんだね」
「おう!炊き込みご飯にバター炒め、天ぷらにスープとなっております。きのこメインだから、他の食材は少量づつだけど満足度は高いと思うよ。ただ、炊き込みご飯はおかわりは一杯だけで残りは白ご飯になるからよろしくね」
「了解っす」
そう言って食べ始めたんだけど、きのこの濃厚な旨味に目を輝かせていた。さて、満足げな彩陽姉さんも見れたし雪華を迎えに行きますかね。
「今日は彩陽さんが来店したんだよ」
「知ってる。焼きたてのシュークリームをオススメしてくれたんだろ?」
「うん。他に誰もお客さんがいなかったからね。ひろ君の家に持っていくって言うからさ」
「ありがとな。さ、早く帰って昨日買ったきのこ料理を食べようぜ」
「うん!」
雪華と家に帰ると、彩陽姉さん含めてマクワウリの自家製シャーベットを食べていた。美味しいよね、ソレ。
「それじゃあ、天ぷらを揚げるから着替えてきなよ」
「うん」
そんなやりとりをしてキッチンに向かい、きのこと少しの野菜を揚げはじめることにした。揚げるのは俺と雪華だけだからフライパンでやって、バター炒めはビンゴで当てたAI様にお願いしていい感じに温めてもらっている。普通の電子レンジも使って機嫌を損なうことが無いようにしている。
「ひろ君、手伝おうか?」
「揚げ終わるから、ダイニングテーブルに食事の準備をお願い出来るか?」
「はーい」
揚げたての天ぷらをテーブルに置いて、雪華がレンジからバター炒めを取り出して食べ始める。
「炊き込みご飯は2杯だけな。濃厚なきのこ料理は白ご飯で食べるといいと思うよ」
「だよね!炊き込みご飯はこれ自体でいいもんね。ところでスープは?」
「これだけ。もっと飲みたい場合はインスタントになるから」
「はーい」
俺達が食べている時に彩陽姉さんは帰っていって、マクワウリの自家製シャーベットで口の中をサッパリさせて食べ終わると。
「ん〜!きのこ料理んまかったー」
と雪華がお叫びになられた。これだけで満足したって言うのが伝わってきて嬉しくるな!




