彩夏からのへルプ内容
「おにいちゃん、教室のメダカの水そうを見てほしいの」
「どうしたんだ?」
「何匹か死んじゃったんだけど、そしたら男子がお父さんを連れて来てお薬?を入れたの」
「ふむ」
「そしたらね、みんな死んじゃったの」
「なるほどな」
「どうしたらいいの?もういなくて、さびしいの」
「よし!お兄ちゃんに任せとけ。教室に行って、実際に水槽を見てもいいか先生に聞いといて」
「わかった!」
朝食中に彩夏から教室のメダカ水槽が壊滅状態と聞いたから、先生の許可が出れば教室に行って原因を究明してあげよう。
「彩夏ちゃんの教室のメダカ水槽がダメになった原因って何だろね?」
「思い浮かぶだけで沢山あるよ。夏休みの間にしっかりと水槽の立ち上げをしたかどうかを含めてね」
「ひろ君て衝動買いや衝動採集しているように見えて、淡水も海水もしっかりと水槽の立ち上げしているもんね」
「当然だな。人間だって環境が悪ければ体調を崩したり、病気になるだろ?飼育するなら適した環境にするのは義務だからな」
「ひろ君が飼育しているのって寿命以外で死ぬ確率はすごく低いもんね」
「おうよ!」
魚の場合は種類の習性を把握して混泳が可能かどうかも見極めて飼育しているからな。縄張り争いの小競り合いはあるけど、本格的な喧嘩はないから長期飼育が出来ているんだよな。
高校に登校中は彩夏の影響で雪華とは飼育の話題だった。雪華も爬虫類を飼育しているから盛り上がったよ。
◇◇◇
「それじゃあ、行こうか」
「うん!お願いね」
俺も彩夏も同じくらいに授業が終わる曜日に彩夏の教室のメダカ水槽を見ることになった。
小学校に到着したら職員玄関で受付をして、彩夏と一緒に教室に行くと先生の他に何名かの生徒が残っていた。原因を探すために俺が来るのを知って興味が出たんだろうな。
「先生こんにちは。では、検査をさせていただきますね」
「すいません。お願いします」
水槽のサイズは60cmの規格水槽で上部式フィルターだった。そして、水のニオイを確認する。
(うわー、どうするべ。ダメなところしか出てこねーよ)
「あやかちゃんのおにーさん。どうですか?」
「ダメ。こんな環境じゃあ、死んで当然」
「「「「「えーっ!?」」」」」
一応持参した水質検査薬を見ていると、残っていた彩夏の友達が状況を聞いてきたからダメと伝えたら全員ショックを受けていた。ま、当然か。
「先生、これは水槽の立ち上げからやり直しですね。それと、ポンプが劣化しているので買い替えの提案を上の教師にして下さい。このポンプでは本来の能力を発揮出来ていないので」
「は、はい」
「友達の男子のお父さんが入れた薬はダメだったんですか?」
「ダメ!トドメを刺したってヤツだな。良く知らないのにカッコつけて知ったかぶりをしたんじゃねーの?」
「「「マジかよ……」」」
その父親がいる男子がいるのかはわからんが男子全員ドン引きしちまったよ。
「水槽を今から立ち上げると、またメダカを入れるのはいつ頃になりますか?」
「普通にすると来月ですが、俺の自宅から水を持参すればすぐに飼育出来ますよ」
「それならお願い出来ますか?実際に観察しながら授業したいので」
「了解っす!それなら授業が無い土曜日の午前中にセッティングさせて貰えますか?先生には出勤する事になって申し訳無いのですが、高校が終わってからだと遅くなるので」
「わかりました。セッティングの様子を見たい生徒がいた場合は見学いいですか?」
「もちろんです! それと先生。それまでに水槽と砂利を含めて全部洗ってもらっておいていいですか?」
「わかりました」
「ただ、水槽に水は入れておいて下さい。水を抜いたまま放置しておくと水槽の底が劣化して水漏れの原因になりますから」
「はい」
「では、土曜日に一式持って来ますので。ところでメダカはまた購入するのですか?」
「その予定です」
「それなら10匹を上限にして下さい。水槽内の環境が整ったら追加していいので」
「わかりました」
「ねー、おにいさん。他のクラスではエビもいるの。ここでもかえるようになる?」
「なるよ。それなら、俺の家からレッドチェリーシュリンプっていう赤い色の小さなエビを持ってきてあげるよ。メダカと一緒にエビの繁殖も観察出来るかもな」
「「わー」」
「「「「「やったー」」」」」
嬉しそうに歓声を上げる彩夏のクラスメイト達。その期待に応えてあげるからな!楽しみにしておけよ!




