高校最後の夏休みパーティ 後編
「焼き加減はこの位でいいか?」
「もう少し焼こうか。専門店以外で半生の肉を食べるのはよろしく無いからな」
「よろしく無いってどういう事だ?」
「食中毒とまでは言わなくても腹が痛くなるかもだろ?」
「そういう事か、確かにな」
「よし!これで後はフタをして蒸し焼きにすれば完成だな」
「時間は…弱火で約5分か」
「だな。後は待つだけだ」
「蒸し焼きって裏返す必要は無いのか?」
「無いよ。この待ち時間に付属のソースを温めておこうか」
「了解だ」
厳さん「みんなちょっといいかー?鹿肉ハンバーグの試食用が出来上がったから食べてみてくれるかー?」
「俺は先生方のほうに持っていくから、厳さんはみんなの方を頼むよ。現地で実際に食べた厳さんが説明したほうがいいからな」
「わかった」
「これが鹿肉ハンバーグですって。一口大に切ったので試食して下さい」
多澤先生「では、いただきます」
安中先生「(パクッ) あら、脂が少ないんですね」
蔵持先生「赤ワインを持ってきて良かったですね。安いやつですけど」
「では、鹿肉ハンバーグで平気ですか?」
「「「はい。あと、牛肉ハンバーグもお願いします」」」
「了解っす」
「厳さん。先生方は鹿肉ハンバーグでいいって。そっちは?」
「こっちも平気だ。俺も感じたことだけど、脂が少ないと言われたよ」
「その辺は付け合わせで調整するよ。バターを使用したりしてさ」
「それと、内宮が予備で持参してくれた牛肉ハンバーグも食べたい人がいるんだ」
「気を悪くしないで欲しいんだけど、小さめだもんな」
「これでも販売していた中では一番大きいサイズなんだぞ?」
「そうなのか。さ、ハラペコどもが騒ぐ前に焼いていこうぜ」
「ハラペコどもは内宮と嫁さん、それと昌史くらいだと思うんだけどな」
そんな厳さんのつぶやきは聞こえなかった。
笹嶋「厳田君。鹿肉の焼き加減を見たいから手伝ってもいいかな?」
「本当か?助かるよ。俺も教わっている立場だから内宮のほうで頼むよ」
「わかったわ。内宮君お願いね」
「おう!頼むよ。それじゃあ俺は付け合わせの調理をするから」
雪華「付け合わせの調理はあたしも手伝うよ」
「それじゃあ、ポテトフライを頼むよ。コンロはいっぱいだからフライヤーでの調理を頼む」
「あいよ」
「ハンバーグの付け合わせの野菜の味付けでにんにくを使うけど、にんにくはイヤって人はいるー?」
下津木「何の野菜を使うのですか?」
「にんじん、玉ねぎ、ブロッコリー、きのこが数種類だね。じゃがいもは皮つきポテトフライにしているよ」
舞原「にんにくの使い道は?」
「スライスしたり、市販のチューブを利用してって感じかな」
「「「なるほどねー」」」
鳳来「内宮が気にしてるのって口臭でしょ?うちはパーティが終われば家に帰るだけだからお願いしようかな。にんにく味って美味しいから」
「「「確かにねー」」」
結局、先生方も含めて全員がにんにくの味付けを希望した。
厳さん「鹿肉ハンバーグが焼き終わったから取りにきてくれー」
雪華「付け合わせの野菜類も出来てるよー」
「牛肉のハンバーグも希望の人は、今は蒸し焼き中だからもう少し待ってくれなー」
焼き上がりが近いのを教えてあるから、全員でテーブルの準備をしてくれている。
笹嶋「お味噌汁はどうするの?」
「カニの半身をお椀に入れて渡してあげて。おかわりは汁のみになるけどね」
「わかった」
雪華「ひろ君も炭酸でいいよね」
「おう。頼むよ」
牛肉のハンバーグも焼き終わり、全員が席についたのでパーティ開始の挨拶をさせてもらうことにする。
「高校最後の夏休みにも集まってくれてありがとう!一応パーティの予定はまだあるけど進学や就職に向けて本格的な時期になるから、学校外で全員参加で会うのは最後になるかもしれない。でも、学校行事とかでは引き続きよろしくってことでカンパーイ!」
「「「「「カンパーイ!」」」」」
さて、鹿肉ハンバーグを堪能させてもらいましょうかね。
「厳さんさ、この鹿肉って通販とか無いのか?普通に焼き肉や鍋物でも食べてみたい」
「そんなあなたに、このチラシをどうぞ」
「どれどれ。ほほう、普通の肉も売られているんだな」
「普通の肉状態だと目安人数の記載はあってもどの位の量を用意をすればいいかわからんだろ?ハンバーグならわかりやすいと思ってさ」
「なるほど、確かにな」
チラシには当然だけど値段の記載もあるから今日のパーティでおいくら使ったのか知ることが出来てしまうけど、そこはツッコまないほうがいいだろう。
雪華「猪肉同様取り寄せするの?」
「一回は家族みんなで食べてみたいからね。取り寄せてみる予定だよ」
「楽しみね」
後片付けも終わり、毎回恒例?の新山君と下津木さんのアイスを食べたら解散のお時間となりました。
もうすぐ学校が再開ということもあり「また学校でね」との別れの挨拶でそれぞれ帰路につくことに。
厳さん「これお土産な」
「ありがとな」
「おう!それじゃ、また始業式の日で」
「だな!」
厳さんからのお土産は俺と昌史の分だけみたいだから、皆と別れてから受け取った。
厳さんからのお土産は食べ物だったけど鹿肉ではありませんでした。まあ、家族の人数が多いのは知っているからね、肉のお土産なんて期待出来ませんて。




