高校最後の夏休みパーティ 中編
集まれる人達でまずは高校の校門前で待ち合わせ。レンタルキッチンを借りてくれてた多澤先生も合流して部屋へと向かう。
多澤先生「それでは一度離席しますね。次に来る時は蔵持先生と安中先生も一緒ですから」
「わかりました」
部屋を出ていく多澤先生を見送り、ソファーに座ってひと息つく。
桃瀬「今日はのんびりだね」
「今日は魚を捌く必要は無いからさ。今日のメインメニューは厳さんが持参してくれる鹿肉ハンバーグだからね」
「鹿肉が初めてで苦手な人がいるかもよ?」
「それに備えて、念の為に牛肉のハンバーグを俺が用意しておいたよ」
「なるほどね」
「ところで笹嶋さんは一緒じゃないの?」
「佳奈ちゃんはね、彼氏さんと専門学校のオープンキャンパスに行ってるのよ。さっき最寄り駅に着いたと連絡があったから、もうすぐ合流出来るんじゃないかな」
「そうだったんだ」
と、いう事は陽翔と一緒だったのかな?おかしいな?陽翔からは専門学校近くのマンションの内見に行くと聞いていたんだけど。もし、笹嶋さんと一緒なら同棲も視野に入れての内見だったのか?陽翔も笹嶋さんもやりますなあ。
昌史「内宮、久しぶりだな」
「おう!久しぶり。焼けてるなあ」
「ああ。由依が野外ライブをする機会が何回かあってな、ライブは夕方から夜だったけど準備は日中だったからな」
「そかそか。引き締まった体に見えるから案外いいかもな!」
そんな会話を昌史としていると、一緒に来た厳さんが「俺の存在を忘れないで」と腰に抱きついてきた。ええいヤメい!
「内宮がクーラーボックスを持ってきて良かったぜ!帰り際に土産があるから渡すから」
「ありがたいけど、お金は大丈夫なのか?パーティの鹿肉の購入費もあるだろうに」
「パーティ分は両親が出してくれたからさ。俺の負担は内宮と昌史の分だけだから」
「そうなのか。厳さんの両親には感謝だな」
「俺の両親も高校時代を楽しく過ごす事が出来た内宮班には感謝しているんだよ」
「中学時代は俺と昌史の三人だけだったもんな」
「確かにな。内宮より関わりは薄いけど、皆といられて楽しかったよ」
昌史「なんだか厳さんだけ先に卒業するみたいな会話内容だな。それか、転校か?」
「「あはは。確かに」」
舞原「今日はパーティの時に良く見るショウジンガニ?じゃないんだね」
「これはワタリガニの一種のガザミ。少しだけど身の部分も食べられるよ」
「そうなのね」
バイト中の明槻さんと鳳来さんが来るのは多分最後になるだろうけど、集まりつつあるから味噌汁の下準備を開始する。
新山「内宮君久しぶりです」
「おお!新山君久しぶり。新山君も少し焼けてるね」
「あはは。(コスプレ)会場は野外がほとんどですから」
「なるほどな。でも、一緒に参加している下津木さんは焼けてないよね」
「念入りにケアしてますから」
「色々と大変なんだなぁ」
「お互い好きなことなので苦にはならないですけどね」
「それは理解出来るな。好きなのって苦にならないよな」
ウンウンと新山君と頷きあっていると「爽ちゃんどうしましたか?」と恋人の新山君がそばに居なくて寂しくなった下津木さんが来たから返してあげることにした。
雪華「今日はのんびりだね。パーティの時のひろ君は常に動いているから皆とカードゲームも楽しめている今日は嬉しいな」
「魚を捌いている時も楽しいんだけど、こういうのもいいよな」
そんな時間を過ごしていると先生達が来たからアワビの準備をする。
ヌメリをとって、貝殻から外してバター焼きにして先生達に提供する。
「先生方、アワビのバター焼きになります。まずはこちらをつまみにビールをどうぞ。メインの鹿肉のハンバーグは全員が揃ってから試食をしますので」
安中先生「試食、ですか?」
「初めて食べる人が多いので、苦手な人がいると困りますからね」
多澤先生「なるほど」
安中先生と多澤先生がメインの鹿肉に興味を示す中、蔵持先生はアワビのバター焼きをひと口食べてからビールを流しこんでプハーとしていたよ。
厳さん「内宮、そろそろ試食用のハンバーグを焼こうと思うんだけど」
「わかった。この裏面に記載の焼き方と同じように焼くといいよ。俺が隣でサポートするから安心して作業すればいいよ」
「ああ、頼む。やっぱ自分が提供するのは自分で焼きたいからな」
「その気持ち、よ〜くわかるぜ!」
烏野さんも合流して明槻さんと鳳来さんもコチラに向かっていると連絡があったから、厳さんが試食用を焼きはじめることにした。
パーティが始まるのはもうすぐだ。




