夜の採集
「伝えていた通り、今日は夜に採集したいのがあるから遅くなるから。22時までには帰宅する予定だから安心して」
「わかったわ。夜ご飯はどうする?」
「夕方から開店する弁当屋があるみたいでさ、それを食べる予定だから平気」
「いいわね!気をつけて帰ってくるのよ」
「もちろん!それじゃ、行ってきます」
「行ってきます」
「まずは潮溜りでガサガサ。次に防波堤で釣りをしながら夜を待つ感じだな」
「楽しみだね」
海へ向かう電車内で今日の予定について再度雪華と打ち合わせ。今日は日没まで待って、ウミホタルを採集する予定なのだ。
「雪華、悪いんだけど、去年きのこを送ってくれた親族に連絡して松茸とかのきのこを送ってくれるか交渉してくれるか?」
「いいよ。家族分だけでいい?」
「可能なら松茸は先生達の分までお願い出来るか?去年好評だったし、卒業するから最後になるからな」
「そうだね。連絡しとくね」
「お金はちゃんと払うからな」
「あはは。そこは心配してないよ」
「今日の狙いは何?」
「とりあえず餌用のエビを中心に、密漁対象になっていない種類で食べられる食材の確保。それと、餌が判明しているウミウシも採集しようと思う」
「盛りだくさんだね」
「それじゃいつも通り、沖側からガサっていくぞ」
「おー!」
海の磯場に到着して準備を終えていざ出発!
「アオウミウシやシロウミウシは採集しないんだよね。そこにいるけど」
「その種類はダメだな」
「だよねー」
早速、ウミウシを見つけたけど飼育に不向きな種類だった。残念。
「ひろ君。黄色いチョウチョウウオがいるけど、どうする?」
「! あれはウミヅキチョウチョウウオかも知れない!採集するぞ」
「よっしゃ!」
ウチにいない種類のチョウチョウウオだから採集することにした。
「よし!ショウジンガニを捕まえたぞ」
「食べる種類も採れていい感じだね」
「だな。あとはウミウシが採れればいいんだけど」
「やっぱり潜水して採集しないと無理じゃない?」
「そうだな。残念だけどウミウシは諦めて防波堤に移動すっか」
「りょーかい」
防波堤はここから少し離れた場所で、海底が砂地の場所だからバスで移動してっと。
「夕方になったから、これを頭につけてくれるか?」
雪華にへッドライトを渡す。常夜灯のある防波堤だけど夜は危険だからな。
「さて、それじゃあアナゴに狙いを変えるとするか。夜はこの仕掛けでゴンズイが釣れる可能性が高まるから気をつけてね」
「だね」
防波堤に到着してからは、岸壁採集やキスといった砂地の魚を狙いながら釣りをしていたけど、アナゴ狙いの仕掛けに変更する。
「さてと、ウミホタルを採集して帰るとするか」
ウミホタルを採集する為に、餌を入れたペットボトルを投げ入れる。あとは十数分待てば採集出来るだろう。
「だね。あ、ひろ君、あれって飼育出来るウミウシじゃない?」
「確かに!小エビとかを捕食すると言われているヤツだな。どうやら交接しているみたいだから、まとめて採集するぞ」
「まかせて!」
夜だから、海に落下しないようにいつも以上に慎重に採集を完了する。採集の途中で交接をヤメてしまったけど、水槽で一緒すれば大丈夫だろう。
「うわー。ペットボトルの中にウジャウジャいるね」
「これを網に入れると……」
プランクトンネットよりも網目は大きいけど、ウミホタルは逃げられない網にペットボトルの中身を入れる。
「幻想的な青白い海水になったね。綺麗」
「だな。見る価値あるよなー」
採集するのに使用したペットボトルは自動販売機や売店で良く見る500mlの容器で、これに多くのウミホタルが採集出来た。
「夜釣りしている人って意外と多いんだね」
「今の時期は日中は暑いからな。だけど、毒魚も増えるから一長一短だよな」
「確かにね!」
防波堤最寄りの駅前の弁当屋で弁当を購入してから乗車する。ボックス席だった場合は電車内で食べても良かったんだけど、違ったからウチに帰って食べることにした。
「「ただいまー」」
母さん「お帰りなさい。予定の時間より早かったわね」
彩夏「おにいちゃん、お帰り」
帰ってきたのは21時30分頃で夏休み中の彩夏はまだ起きていたみたいだ。流石に愛美と朝輝は寝ちゃったみたいだけど。
帰宅して弁当を食べたら、釣った魚の内臓を取り除く下処理と採集してきたのを飼育部屋に置いたら風呂に入って寝ることにする。
夜の採集は気を使って疲れたからな。もちろん、飼育や食べるのに明日で問題無い状態にしてからだけどな。




