終業式
「ひろ君さ、終業式が終わったら学校近くのスーパーに寄ってから帰らない?」
「たまにはいいな。近場のスーパーが休店前後の時にしか行ってないもんな」
関東以外も梅雨明けが発表されて、本格的な夏到来って感じかもな!そんな事を思いながら、雪華と一緒に講堂に移動する。
「それじゃあ、ひろ君行こっか」
「おう!」
終業式も無事に終わり、学校近くのスーパーへと向かう。
「何か目的があるのか?」
「ふふふ。それは、お楽しみってことで」
スーパーに到着してまずは青果コーナーから見て回るんだけど。
「マジかよ。このパイナップルが売られているとは!買いだな」
購入するパイナップルは果肉は白っぽくて甘みが強く、独特の風味がある美味しい品種だ。
「パイナップルを購入する判断基準は?」
「美味しいのを見極める判断は色々とあるけど、俺の判断基準は葉に元気があるかどうかだな。この部分を植えると収穫するのも可能になるからな」
「あはは。ひろ君らしいや」
「と、いう訳で5個購入しよう」
買い物カゴに入れると、近くに居た奥様方がザワついた。ど、どうしたんですか?
「お!コールラビに緑竹のたけのこもあるじゃん!うひょー」
「こんなはずじゃ、なかったんだけどな」
次に来たのは鮮魚コーナー。
「今日来た目的はコレなんだよ」
「ほほう。トビウオか」
「うん!明海ちゃんは桃農園を営んでいるでしょ?新聞紙の使い道が多いから定期購読しているみたいでね、昨日の朝刊にここのスーパーのチラシが入っていたのを見せてもらったんだ」
「なるほどね」
トビウオはアジのように発泡スチロール箱のまま売られていた。
「トビウオは買うけど、先に他の食材を購入しよう」
「わかった」
コールラビを買ったから精肉売場で厚切りべーコンをカゴに入れて鮮魚売場に戻ってきた。
「岩牡蠣はわかるけど、まさかカメノテまで売られているとはね。この店の仕入れ担当者が代わったのかな?」
マニアックな食材が鮮魚売場で売るようになるなら、学校帰りに寄ってもいいかもな!ま、明日から夏休みになるんだけどね。
「「ただいまー」」
「おかえりなさーい」
出迎えてくれたのは俺達と同じく終業式で午前中で帰宅した彩夏のみ、愛美と朝輝は保育園だからな。
母さん「あら、随分と買ってきたのね」
「うん。学校近くのスーパーで珍しい食材が売られていたから、つい買っちゃったよ」
「そうなのね」
雪華「岩牡蠣は生で食べるの?」
「いや、蒸して食べよう。そんで、カメノテはいつも通り塩茹でで食べるよ」
今日は終業式だから午前中で終わったけど、スーパーで買い物してから帰宅したから彩夏は先に昼飯を食べていたみたい。今日の俺と雪華の昼飯はつけめんでスーパーで購入してきたのを早速食べている。
「おにいちゃ〜ん」
「あ、キッチンは今危ないから来ちゃダメだよ。どうかした?」
「遊びに行こうと思って」
「外で遊ぶの?」
「ううん。今日は友達のお家だよ」
「わかった。何かあればお母さんのスマホに連絡するように友達のお母さんに伝えといて」
「うん!行ってきまーす」
彩夏が出かけたから玄関ドアにカギをしたら再びキッチンで作業を開始する。
まずは岩牡蠣をタワシで丁寧に殻を洗ったら今度はカメノテの下処理を開始する。
雪華「トビウオはどうやって食べるの?」
「身は血合い部分が多いからな、刺身よりも炙りたたきのほうがいいかと思ってる。頭や中骨の部分は血合いを丁寧に洗ったら焼いてから出汁を取って味噌汁にしようかなって」
「いいね!」
トビウオから取れる出汁は“あご出汁”で有名だからな。もちろん、色々と加工したのを出汁として取るから市販されているような旨味は出せないけどな。
彩夏が遊びから帰宅して、母さんが双子を迎えに保育園に行ったから晩飯の準備を開始することにした。まずは三枚おろしにしたトビウオの頭と中骨を焼いてから出汁を取るために水を入れた鍋に入れる。
雪華「岩牡蠣はもう蒸すの?」
「熱いほうが美味いから最後で。先にカメノテを茹でてくれるか?」
「はーい」
「さて、最後の岩牡蠣を蒸し終わったから晩飯にしようか」
母さん「わかったわ」
今日の晩飯は岩牡蠣とカメノテ、それとトビウオの炙りタタキの海鮮料理で、明日の晩飯は緑竹のたけのこご飯と焼きたけのこ。それとコールラビと厚切りべーコンの炒め物の予定となっている。
「明日の予定は?」
「明日は勉強しようかなって思ってる。雪華もバイトだしね」
「明後日はテナガエビ釣りの予定でいいんだよね?」
「だな」
さ、高校生活最後の夏休みが始まったぞ。




