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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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九條先生からの贈り物

「もうすぐ夏休みだね」

「だな。夏休みに入ったらすぐに鳳来さん要望のテナガエビ釣りに行くけどな」

「その頃には梅雨明けしているんだよね」

「だな。天気は晴れるだろうけど川の中はまだ濁っているだろうし、活性は高いから大丈夫だろう」

「確かに」

「ところで、ショッピングモールで買い物はあるのか?」

「あるけど、たまには女子同士でって事で内宮班女子組でショッピングモールに行く予定なんだ」

「そうか」

「心配?」

「正直言うとね。夏休みだから、やっぱりナンパ野郎が出没しそうだしさ」

「……そっか」

 俺の心配を感じとったのか、黙って何かを考えはじめてしまった。また俺に護身術の指導を考えているのかな?免許無いんだけどなー。


 昼休憩時間となって弁当食べるかーと俺と雪華の弁当を取り出していると。

 笹嶋「内宮君、このお弁当、いくらなら買う?」

 笹嶋さんが見せてくれたのは、お店で買うとしたら“のり弁”として販売されているような見た目だった。

「この白身魚はこの間のキス?」

「うん。それで、こっちがネズミゴチ」

「なるほどね。800円以内なら買うかな」

「そっか」

「もしかして、陽翔の弁当屋のメニューとして考えているの?」

「うん、その、将来の事も考えて、さ」

「そうなると、ネズミゴチとは違う魚のほうがいいな。釣り人にとってはキス釣りの外道として有名だけど市場流通は少ないから、仕入れ価格は上がると思うし」

「仕入れの問題があったか」

「海水魚にこだわらず、淡水魚でもいいんじゃない?ニジマスとかなら養殖されているから安定しているだろうし」

「なるほど」

「笹嶋さんが俺と釣りに行けるのなら、釣れた魚で限定弁当にするとかどう?普段食べられない魚の弁当なら付加価値にもなるだろうし」

「それは陽翔にも言われた。愛する妻が釣った限定弁当で売ろうかって。まだ結婚してないのにね、キャー」

「お、おう。陽翔から愛されているみたいで俺も嬉しいよ」

 笹嶋さんもキャーなんて言うんだね。雪華にもチラッと話しをしたけど合同披露宴の現実味が出てきたぞ、これは。


 雪華「佳奈ちゃんがキャーなんて言ってたけど、何かしたの?」

「笹嶋さんが恋人の陽翔との事で妄想の世界に行っただけだよ」

「安心したわ。良くあることだもんね」

 え?良くあることなの?


「内宮君、ちょっと一緒に来てくれるかい?」

「わかりました」

 帰りのHRが終わり、珍しく九條先生が一緒に来るように伝えてきた。なんだろう?と頭に?マークを浮かべながら雪華と一緒に職員室に向かう。

「あの、先生、テスト返却期間ではありますが職員室に入ってもいいんですか?」

「ああ、入るのは応接室だから平気ですよ」

 雪華と一緒に応接室に入ると発泡スチロール箱がドンッと置かれていた。

「私の親族が伊豆諸島に住んでいるんですがね、先日送られてきたんですよ。生物の先生に種類を聞いたのですが、わからないとの事で」

「なるほど。これはツムブリですね、珍しい種類だから知らなくても仕方無いことかと」

「そうなんですか。ところで、内宮君ならどう食べますか?」

「そうですね。鮮度も問題無いですし、刺身はもちろんだし、暑くなってきましたが“しゃぶしゃぶ”なんていいかもですね。あとは普通に塩焼きや味噌煮とかですね」

「なるほどです」

「教頭と多澤先生に許可を貰って調理室で捌きましょうか?」

「これは内宮君に差し上げますよ。我が家の分は捌いてもらいましたから」

「では、ありがたくいただきます。おいくらですか?」

「いえいえ、お金は不要ですよ。美味しく食べてくれれば、それでいいですから」

「わかりました。ありがとうございます」


「内宮君、九條先生のお話しは何だったのですか?」

「あ、蔵持先生。九條先生の親族から送られてきたツムブリをいただいたんですよ」

「ツムブリとは珍しい魚ですね。……いいなぁ(ボソッ)」

「そんな捨てられた子猫みたいな顔をせんで下さいよ。ウチで捌いて切り身にしたら持ってきますから」

「ありがとーございまーす」

 そんなルンルンで職員室に入って大丈夫なんですか?


「雪華ごめんな。俺のカバンまで」

「平気だよ。背負うだけだし、重くないから。ひろ君のほうが大変じゃないの?」

「釣りに持っていくキャリーがあれば楽だけど、これ位は平気だよ」

 バス内では前方ドア近くにある荷物を置ける場所に発泡スチロール箱を置かせてもらい、最寄りのバス停に到着する。


 帰宅した俺は早速ツムブリを三枚おろしにしてから再び高校に向かう。制服を着ているし、部活動で校門は開放されているから普通に校舎に入って職員室前に持っていく。職員室の給湯所には冷蔵庫があるけど、念の為に保冷バッグごと蔵持先生に渡したら帰宅する。


 雪華「お帰り。ウチではどうやって食べるの?」

「脂のノリが少ない気がするから塩焼きがいいかなと思う」

「いいね!」

 弁当のおかずにして九條先生に見せるのもアリかもしれないな。ちゃんと美味しく食べましたよってね。

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