天ぷら定食
雪華「昨日は晴れていたのにね」
「梅雨の晴れ間ってやつだな。ただ、夏休み前には梅雨明けするみたいだぜ」
俺は家庭菜園でメロンやスイカの摘果作業中で、雪華は作業はしていないけど俺のそばでお喋り中。
今日の天気はくもり空で時間帯によっては小雨が降る、みたいな感じだ。
「この摘果したやつは、ぬか漬けにするの?」
「おう!飼育部屋で栽培している時は摘果なんてしなかったけど、露地だとポコポコ出来るからな」
「キュウリやシロウリとは違う味で美味しいよね」
「だな」
キュウリは雪華が好きな味噌汁用も含めて収穫出来ているし、次の苗も育成中でシロウリも収穫が始まっている。
愛美「おやさい、いっぱいだね」
朝輝「だね」
「今日の晩ご飯で食べられるよ」
「「やったー」」
リビングに戻ると愛美や朝輝が収穫してきた野菜を見て目を輝かせている。
母さん「彩陽ちゃん。彩夏の英語はどうかしら?」
「覚えが早くていいですよ。特に発音はいい感じで上達していますね」
「わかったわ。これからもよろしくね」
「もちろんです!」
彩夏の英語の勉強は和室でやっているんだけど、簡単な会話の勉強の時は愛美や朝輝も参加する時があって賑やかに勉強している。今日は朝輝が参加していて、愛美はリビングで父さん相手にお人形遊び中。
彩陽「今日は天ぷらなんだね」
「庭で育てた野菜と釣ってきた魚の天ぷら定食だよ。揚げ物って、ひとり暮らしだと面倒臭いだろ?」
「確かにねー。スーパーの惣菜コーナーで買う位だよ」
「だろ?来週では無いけど、豚の代わりに猪肉を使った豚カツならぬ猪カツやじゃがいもコロッケも予定しているから楽しみにしていてくれな」
「うはー。彩夏ちゃんの家庭教師になって良かったー!」
「この漬け物美味しいね」
「我が家自家製のぬか漬けだからね」
「ウリっていうのはわかるけど、何なの?」
「家庭菜園のメロンとスイカを摘果したやつだよ。意外と美味しいでしょ」
「うん」
「夏の時期はぬか漬けの種類が増えるから、漬け物も楽しみにしていてよ」
「あざっす」
「彩陽姉さん、これお土産」
帰宅する彩陽姉さんにタッパーを渡す。
「これは?」
「釣ってきた魚を天ぷらじゃなくてフライにしたやつ。タルタルソースで食べてよ」
「ありがとー。明日のお昼のお弁当にしよっと」
「それと晩飯に出した、ぬか漬け。洗わずにわざと糠を付けたまま渡すから2〜3日冷蔵庫で保存出来るから」
「ありがとね」
「糠のニオイが気になるだろうから手袋をして洗いなよ」
「わかった」
「それと、ちゃんと野菜もちゃんと食べなさいよ?」
「お母さんにも言われたのに、また同じように真似するー」
「あはは」
「それじゃ、失礼します。彩夏ちゃんSee you next week」
彩夏「See you next week」
雪華「オクラの天ぷら美味しかったね」
「納豆に入れて食べるのもいいけど、天ぷらも美味いよな」
家庭菜園で育てた野菜以外にもスーパーで購入した、れんこんとかも天ぷらにしていたけど、やっぱり庭で育てた野菜が美味しく感じるよな。
雪華「それに、キス以外の魚の天ぷらも美味しかったよね」
「白身魚だからな、明日の弁当はフライにするから。弁当用の小袋タルタルソースも持っていくからさ」
「いいね!」
晩飯の後片付けも終わり、雪華とリビングテーブルで天ぷらの食材についての話しをしながらほうじ茶を飲みつつまったりする。
「飼育していたキスはどうなったの?」
「もう俺の腹の中だよ。昨日、入れ替えたでしょ?あの後、コンテナボックスに天然海水を入れて泳がせていたのを捌きました」
「わかってはいるけど、毎回複雑な心境になるわね」
「だから飼育していたのは全部俺が食べているんだよ。お寿司屋さんとかにたまにある生け簀と思えばいいからさ」
「そうなんだけど、さ」
「愛着うんぬんは切り離しているよ。飼育していたのを海に放すのはよろしくないからね。ただ、カゴカギダイだけは釣れたやつしか食べないけどね。俺達にとっては思い出の魚になるしさ」
「ありがとね」
「おう!」
お互い風呂に入り、リビングで色々と話しをしたから就寝前の時間は無い予定だったんだけど、「えへへ。ひろく〜ん」とナゼか甘えた声で胸に顔をスリスリしてきたと思えば、首に腕を回してキスしてきた。
どこで好感度が上がったのか、わからないんだけどな〜。




