野外炊飯の練習
「今日は林間学校でやる野外炊飯の練習するよ。俺は指示はするけど手出しはしないから頑張ってね」
「「「はい」」」
彩夏の林間学校でやる予定の野外炊飯の練習をしに林間学校に行く場所と似たキャンプ場へやってきた。今回は同じ班になった彩夏の友達2人とその両親も一緒だ。あ、雪華はバイトで不参加となっている。
「まずは“かまど”に火入れするよ。必ず耐熱手袋をしてから作業してね」
「わかりました」
「薪に火をつけるやり方は学校で習ったのかな?」
「学校で配られた用紙を見ただけです」
「それじゃ実際にやってみようか。やり方は大体同じだから。まずは着火剤を一番下に置いてから……」
まずは1か所のかまどに火起こしをしてもらう。
「先に飯ごうの準備をしようか。まずは蓋でお米の合数がわかるからね。そしたらお米を研いで30分程水に浸けておくよ」
「飯ごうに水を入れる量はどうするのですか?メモリがないですけど」
「人差し指の関節で確認出来る方法があるから教えておくね」
「はーい」
「火起こし出来ました」
「それじゃ、カレー作りを始めようか。学校と同じように切ってある野菜を使うからね」
「「「はい」」」
「まずは肉を炒めるよ。肉は食中毒の原因になるから、ちゃんと焼くこと!次にジャガイモとかの火の通りが遅い食材を先に鍋で炒めてね。それと、火の近くは暑いから交代しながら管理すること。喉が渇いたと感じたら無理せず水分補給するように」
「「「はい」」」
「鍋の取っ手は熱いから必ず耐熱手袋をしないとダメだからね」
「うん」
「肉はもう大丈夫かな?」
「少し赤い部分があるから、もう少し焼こうか」
「わかりました」
薪の火力は大丈夫だし、飯ごうのお米は浸水中。だから今は全員でカレー鍋の管理をしている。
「カレー粉はまだ入れずに、一旦煮て全体に火を通してアクを取り除くよ。アクがあると味に苦味が出るから取り除いたほうがいいよ」
「学校からの用紙には書かれていませんが」
「う〜ん、これは家でのやり方だからなぁ。先生からダメって言われたら、やらなくていいよ」
「わかりました」
「こっちの火起こし出来ました」
「よし。それじゃあご飯を炊こうか」
「はい」
カレー作りは終わっていて、ご飯が炊くのを見守っている段階。
「野外炊飯は何人の班でやるの?」
「あたしたち以外に男子3人の6人です」
「今日は3人だけだけど、その男子とは連携は大丈夫かな?」
「どうだろ?」
「あたしたちの言うことにはしたがってくれるけど」
「学校で練習があるから、それでわかるかも」
「そうなんだね」
どんな男子なのかは知らないが彩夏達の尻に敷かれているみたいだな。変に反発する男子よりも上手くいってるのかもしれないな。
『父さん、彩夏のご飯が出来たから。愛美と朝輝と一緒に戻ってきて』
『わかった』
父さんのスマホにご飯の準備が出来たのを伝える。父さんは広場で愛美と朝輝と遊んでいるから連絡してっと。
「みなさん。愛娘が作ったカレーとご飯が出来ましたよ」
「あら」
「ほら、お父さん。カレーが出来たって」
「んがっ」
バーべキュー場の食事スぺースで寛いでいる母さんと友達2人の両親にも出来上がったのを持っていく。カレー鍋だけは重いから俺が運ぶけどな。
「はい。どうぞ」
「おお。美味しそうだ」
「上手く出来たわね」
自分の両親にご飯を装ってカレーをかけて渡すと皆嬉しそうだ。彩夏も両親と妹弟に楽しそうに給仕している。
「あの、広也君?ご飯が焦げているのばかりだけど」
「あら、本当。飯ごうは焦げるのは知っているから無理しないでいいのよ」
「あはは。大丈夫ですよ。飯ごうの“おこげ”は美味しいですからね」
黒焦げって訳では無く、うっすらと焦げている程度。これが美味いんだよ!美味しく出来ましたってヤツだ。
「「今日はありがとーございました」」
「本番も頑張ってね」
「「はい!」」
彩夏の友達2人とは現地解散となり、俺達も帰路につく。
「おにいちゃん、今日はありがとね」
「大体の流れは理解出来た?」
「うん!でも、林間学校にはおにいちゃんがいないからなぁ」
「大丈夫!あやちゃんもお友達も良く出来ているからね。ただ、火を扱うからヤケドとかには十分に注意するんだよ」
「うん!」
帰りの車内で彩夏の頭をなでながら褒める。指示はしていたけど良く出来たのは事実だからな。本番でも美味しいのを作って欲しい。
〜就寝前のいつもの時間〜
「彩夏ちゃんの作ったカレー、あたしも食べたかったな」
「彩夏の友達の家族もいたからさ。ごめんな」
「わかってる」
「今度俺達のみでまたやるような話しをしていたから食べられるかもよ」
「それは楽しみだね」




