音楽鑑賞会
九條先生「それではこれより音楽ホールへと向かいます。2年の時とは違い現地解散ではありませんので気を付けるように」
今日は音楽鑑賞会。教室でのHR終了後にバスで音楽ホールへと移動する。音楽ホールへの移動時間は道路の混雑も考慮して45分位を考えているらしい。もし遅れた場合でも演奏プログラムの変更は無く、全てやるとのこと。
さて、バスの座席の隣は当然だけど雪華だ。ちなみにバスは観光バスのような大型バスでは無く路線バスみたいな感じだ。車内につり革もあるしな。
「今日は演奏会が終わって音楽ホールを出て学校に戻ったら帰宅の流れになるんだよね」
「だな。ただ、昼飯は去年よりも遅めになるけどな」
体育祭同様、音楽鑑賞会も学校行事なので進学クラスも参加することになっているみたい。
バスは順調に走行して音楽ホールに到着する。ホール内に入場したらクラス内で事前に決めた座席に着席する。
厳さん「クラシックって眠くなりそうだよな」
左隣は雪華だけど右隣は厳さんとなっている。昌史は通路そばの席にいる。トイレ休憩はあるけどトイレにすぐ行ける席に座るのが昌史のクセなんだよね。
「安心しろって。中盤のこの楽曲名は多分だけどゲーム音楽だぞ」
「え?マジで?」
「ああ。国民的コマンド式RPGのフィールド曲名と同じなんだよ」
「良かったぜ!ここからの後半はJ-POPの曲みたいだから前半のクラシックを乗り切れば大丈夫そうだな」
残念ながら時代劇で流れる音楽は無いようだけど。
『……音楽とは……』
演奏前に校長が学校行事としての音楽鑑賞会の意義の話しを終えたら演奏開始。まずはクラシック曲からとなっている。
『ここで10分間のトイレ休憩とします』
小中学校時代の音楽の教科書に楽譜の記載があるような有名曲の演奏が終わり、トイレ休憩となった。
「くーっ」
トイレに行く気は無いけど立ち上がり伸びをして体をほぐす。
『ここからはクラシックでは無くゲーム音楽の演奏となります』
トイレ休憩が終わり生徒は着席するけど少しザワザワしている中、同行の先生が次の演奏プログラムを伝えてくる。
厳さん「クラシックでもテンポのある曲は良かったけどウトウトする曲もあったからな。ゲーム音楽なら楽しみだぜ」
雪華「この曲って彩夏ちゃんと一緒にプレイしていたゲームの町とかで流れる曲だよね」
「だな。ただ、戦闘曲はゲーム音源のほうがいい気がするけどな」
「そうなんだ」
雪華と小声で話しをする。彩夏が苦戦していた場面とかが脳内再生される。
厳さん「この曲、どこかで聞いたことがあるんだよな」
「厳さんがどこで聞いたのか知らないけど、これは弾幕ゲームのボス戦の曲だよ」
「内宮がやる弾幕ゲームを俺はやらないからなぁ。どこだったかなー?」
曲は違うけど厳さんと似たような人達がいるようだ。これはこれで音楽に触れるという意味では学校側の狙い通りなのかもしれないな。
『音楽鑑賞会はこれで終了になります。バスで学校に戻りますからホール内の休憩スペースにクラス毎に集まりバスへと移動して下さい』
演奏が全て終わり、学校へと戻ることになったから休憩スペースに移動すると後半の演奏がJ-POPの曲だったこともあってか「学校が終わったらカラオケ行こうよ!」との会話があちこちから聞こえてくるんだけど「学校の最寄り駅を含めて近くに無いよ?」と言われている光景ばかりだ。俺は音痴だからカラオケには行きたくないからありがたいけどな。
「ひろ君さ、小学校の音楽の時間に歌うのを発表する授業があったよね?あれ、嫌じゃなかったの?」
「好きじゃなかったけど、嫌いでもなかったよ」
「何だか含みのある言い方だね」
「時効だろうから言うけど、俺の下手くそな歌声を聞いた後は攻撃する矛先が雪華から俺になっていたから、さ」
「んもう、バカ!寝る前の時間覚悟してよね」
学校に戻るバスの車内で雪華から小学校時代の音楽の授業について聞かれたから答えたら就寝前の時間は覚悟するように言われた。
学校に戻ってきたら解散の流れとなる。いつもなら騒ぐあの連中が静かだと思っていたら、どうやら最初のクラシック演奏で熟睡していたらしく音楽鑑賞会の間はずっと寝ていたらしい。ま、演奏会の感想レポートは提出不要だから寝ていても問題は無いから先生方も起こさなかったのだろう。
就寝前の時間、雪華がメチャクチャ甘えてきて困ったよ。




