潮干狩り(アカニシ貝採り編)
「入場料代わりの網袋は3キロのを購入してね」
「「はーい」」
今日は体育祭の振替休日で天気もいいから予定通り潮干狩りに来た。メンバーは鳳来さんと笹嶋さんとなっている。俺達は振替休日だけど平日だからバイトは普段通り夕方からとなっている。だから、釣り倶楽部全員参加が出来るけど残念ながら明槻さんと烏野さんは不参加となっている。
「網袋にはアカニシ貝のみ入れてね。アサリやハマグリも持ち帰りたい場合は、あそこの計量所で追加料金を支払えば持ち帰れるから」
俺と雪華は蔵持先生の為に採取するけど、追加料金での持ち帰り予定だ。
笹嶋「アカニシ貝とは違う巻貝があったよ」
「あ〜。これはツメタガイだね。食べられるけど茹でるとすごい臭いからヤメたほうがいいね」
「そうなんだ」
アカニシ貝採りは順調。大きめのアサリやシナハマグリもあるから鳳来さん達も追加料金での持ち帰りを決めたみたいで確保しているから、ウチから持参した網袋を渡してあげたよ。
雪華「ひろ君大変!ミミイカがいたよ」
「何だって!ただ、ハナイカがいるから採集はヤメておこう」
「わかった」
ミミイカも小型イカで飼育しやすいからハナイカがいなければ採集して飼育するけど、ハナイカがいるからな。
鳳来「いやー、採れたわね。昼ご飯はどうする?」
追加料金も支払い潮干狩り場から上がれば昼飯の時間となっていた。
「近場に海鮮を食べられるお店があるからそこに行く?俺は行ったことはまだ無いんだけど、さ」
笹嶋「いいね。行ってみようか」
と、いう事で家族で来た時に車窓から見て気になっていた食事処に行ってみることにした。
「いらっしゃいませー。何名様ですか?」
「4人です」
「承知しました。どうぞこちらへ」
案内された席は潮干狩り場とは違う海が見える窓側だった。飲食店にとってはお昼の時間帯だけど平日だからか混雑はしていないから、ゆっくりと食べられそうだ。
「俺はこのあら汁付き地魚刺身盛り合わせ定食にしようかな」
笹嶋「それもいいね。でも天ぷらも気になるし」
鳳来「この自家製玉子豆腐も気になるのよね」
雪華「ラーメンも気になるよね」
写真付きのメニュー表を見るとどれも美味そうで迷ってしまうよな。
「「「「いただきまーす」」」」
女子組は気になるのはシェアしながら食べるみたいだな。あ、俺と雪華はご飯大盛りでラーメンも一緒に食べることになった。
鳳来「釣りして家で魚を良く食べるようになって脂のノリってのがわかってきたわ」
笹嶋「お刺身すごく美味しいね」
笹嶋さんが言ったように刺身はすごく美味しい。しかも防波堤では釣れない、市場流通が低い深海魚の刺身だからな。
雪華「はあ〜、食べたね〜」
笹嶋「おなかいっぱい」
全員がデザートも追加注文をしたのも食べ終わり、店内には空席もあるから腹を落ち着かせる為にゆっくりさせてもらっている。潮干狩り場の最寄り駅に向かうバスはこの店の近くにもバス停があるから焦る必要は無い。
「笹嶋さん、また明日ね」
「うん。また明日」
最寄り駅に戻ってきた俺達は駅で笹嶋さんと別れる。笹嶋さんのご両親はアカニシ貝の処理方法は知っているみたいなので安心だ。
「お母さん、ただいまー」
「あら、お帰りなさい」
「アカニシ貝いっぱい採れたよ。それと、処理の方法を教えてくれるって内宮が玄関に来てるから」
「あなたねぇ、お客さんを玄関に待たせているんじゃないわよ。早く案内なさい」
「ごめんなさーい。内宮とゆきちゃんごめーん、上がってー」
「「あはは。おじゃましまーす」」
「まずは貝殻をタワシ等で擦ってある程度は綺麗にしておきます。それと、色々と付着してますが茹でると取れますし、中身には無関係ですから」
まずは5個程試しで茹でてみる事になった。
「ご覧の通り、この茹で汁は利用出来ませんので」
鳳来母「確かにアクが多くて無理そうね」
茹で上がったアカニシ貝をまずはサザエのように身を取り出す。
「このフタの部分があるのが足で可食部になります。それでこの渦巻きの部分は肝になるんですが、かなりの苦味があるのでヤメておいたほうが無難です」
鳳来母「なるほどね」
「言葉にするのは難しいのですが、こうしてこうすると可食部とその他にわけられます」
「へえ〜」
「可食部は固さがあるので、念の為に砂とかを除去するためにボウル等で水洗いしてから味付けして食べて下さい」
「おつまみのパックと同じ見た目になったわね」
「この巻貝が気に入ったら密漁対象なので釣りの時に採取は出来ないんですけど“シッタカ”という巻貝が美味しいですよ」
「鮮直市場で見た事あるけど買った事は無いわねぇ」
「塩茹でにするだけで食べられますよ。肝も美味しく食べられますし」
「なるほどね。今度買ってみようかしら」
「蔵持先生、アカニシ貝を持ってきましたよ」
「今年もこの季節が来ましたか」
「それとですね、ナゼかホンビノスが3個採れたのでどうぞ」
「あら珍しい。お味噌汁にでもしましょうか」
「貝の味噌汁は美味しいですからね」
「ですね」
鳳来さんのお母さんにアカニシ貝の可食部を教えて、今度は蔵持先生にアカニシ貝を渡しに来た。
今日の潮干狩りは蔵持先生に渡すためだったから、これで目的達成だ。




