連休後の土曜
社会人の方達は4月の休日から明日の日曜までの間の平日に休みを取得して大型連休にする人や出社が嫌になり、退職する人が出るなど様々らしい。
ちなみに、父さんの部署でも毎年新人さんで必ず退職する人がいるらしく連休が終わるまでは本格的な業務は教えないんだとか。
そんな週末土曜に俺は午後から和室にミシンを持ち込んで衣装を作製中。これは愛美用なんだけど彩夏も欲しがった場合は別の衣装を作製してあげる予定だ。今回はお揃いのドール衣装は作製しない。
「広也、支社長がお土産があるらしいから玄関に来てくれるか?」
そろそろオヤツ休憩にするかなと考えていたら父さんが呼びに来た。支社長が俺を呼ぶ理由は一つしか考えられないから少しワクワクしながら玄関に向かう。
「やあ広也君。まずは先日のお礼を言わせて欲しい。見抜いてくれてありがとう」
「ありがとうございます」
「あれ?何かしたっけ?」
「春休みに部署の会議に同席させた事があっただろ?その時の事を支社長は仰っているんだよ」
「ああ!あれですか。自分は気になった点を指摘しただけですので」
「それでも企画が動けばお金も動くからね。無駄な出費を出さずに済んだんだ、お礼を言うのは当然だよ」
「あはは。ありがとうございます」
偉い人に褒められるのは嬉しいけど、慣れてないからケツがムズムズする。
「さて、今日の本題だが船でメバル釣りに行ってきてね。外道を君に渡そうと思ったんだ、飼育が難しければ食べてもいいからね」
「いつもありがとうございます。この時間て事は午前中に帰港する船釣りだったんですね」
「ええ、そうです」
「お土産は嬉しいのですが、本命は釣れたのですか?」
「もちろんだ。何匹か渡してあるから美味しく食べてくれたまえ」
「ありがとうございます」
「では、我々はこれで失礼するよ」
「失礼します」
父さんが玄関の外まで出て支社長の見送りをしているが、俺はお土産の魚を確認する事にした。上から見ると体型が小型の魚種っぽい。ま、とりあえず薬浴させますか。
母さん「明日の晩ご飯はお刺身だから、このメバルは今日食べる?」
父さん「明日、刺身にして一緒に食べるのはどうだ?」
「メバルってアニサキスの多い魚だから、アニサキスライトで駆除するの大変だよ。それに、メバルはやっぱ煮付けが最高だよ」
「そうなのか。寄生虫は怖いな」
「それに、同じ魚料理でも妹弟達にとって刺身は別料理の認識になるから平気だよ」
「それもそうね。じゃあ、メバルの煮付けにしましょ。半身ずつになるから予定していたおかずも出せるしね」
「了解だ!今回は二枚おろしにして、骨側は俺達が食べればいいよな」
「そうね」
という事で新鮮な内に捌いて冷蔵庫のチルド室に入れておく。
「愛美ちゃん、ちょっとサイズ調整するから着てくれるかな」
「はーい」
服を脱ぎはじめたのはいいけど下着のシャツも脱ごうとしたので止める。
「パンツは?」
「お風呂に入るんじゃないから脱がなくていいの!」
「きゃはは」
何か面白いみたいでキャッキャしている。
「ここはこれでいいな。丈も大丈夫っと。愛美ちゃん、こういう風に両腕を広げて」
「こう?」
その後に少し脱力してもらって、俺が誘導しながらポーズをしてもらう。
「よし、ありがとね」
「いつきるの?」
「明日には完成するよ」
「たのしみ」
朝輝「ぼくのは?」
「あっくんは買った服があるからね。でも、一緒に写真を撮るから楽しみにしてて」
「うん!」
「ひろ君、このお魚は?」
「父さんの勤め先の支社長が船のメバル釣りに行ったみたいでね、それのお裾分け」
「やっぱり防波堤と違って型がいいね」
「だよな。さ、温かい内に食べようぜ」
「「いただきまーす」」
バイトから帰って来た雪華とふたりで晩飯。両親や妹弟は食べ終えてリビングでテレビを見ている。
「鶏肉はしいたけの肉詰めにしたんだね」
「本当は照り焼きの予定だったけど、メバルがあるからな」
「でも、このしいたけも肉厚で美味しいね」
「これは原木栽培のしいたけだから、味は格別だよ」
「ふふ。自画自賛だね」
「朽ち木として利用するから管理はしっかりしているからな」
「今日もお土産あったんだね!どうするの?」
「とりあえず、魚種を見極めてから水槽に移すよ」
「2匹だけなんだね」
晩飯後に飼育部屋に雪華と一緒に来てコンテナボックスで薬浴中の魚を見せる事にした。
「メバルが好調だったって事だろ。他にも外道は釣れたとは思うけど、美味い魚種なら自分達で食べるだろうしね」
「そだね」
メバルの船釣りならマフグやサバフグなんかも釣れると思うんだけど、遊漁船の主人って免許は所持しているのかな?毒の部分を切除すればトラフグ同様、美味しい魚みたいだけど。今度、支社長にフグが釣れた場合について聞いてみようかな。




