貝の試食とバーべキュー突撃再び
朝のHRの出欠確認で俺達細菌検出組の一部が欠席していた。担任の九條先生が欠席理由を聞くと体調不良と伝えていた。アイツらってまだ同居生活を続けているみたいだな。
昼休憩の時間になり、釣り倶楽部の皆と弁当を食べることにする。
今日は1年はバーべキューの日だから、今頃会場に向かっているだろう。そして去年は全員で学校を抜け出して参加しに向かった細菌検出組は今のところ学校内にいるし、一部は体調不良で欠席している。
「メッセージで連絡した、潮干狩り予定の場所で採取した貝とアナジャコ料理を持ってきたよ。ひと口ずつ試食してね」
雪華「この煮付けにした貝がサルボウガイでフライにしたのがシオフキガイ。こっちのバター炒めがマテガイで素揚げがアナジャコよ」
雪華がタッパーに別々に入れてきたのを説明してくれたので食べてもらう。
「「「「「いただきまーす」」」」」
鳳来「アナジャコは加工せずにそのままなのね」
「うん。もし口当たりが気になるなら、足とかの部位はキッチンバサミとかで切り落としてから揚げるといいよ」
「なるほどねー」
食事をしながら砂抜きや泥抜き方法なんかを説明して、ペットボトルで人工海水を渡すのと携帯エアポンプを貸すのも伝える。
俺はいつもやっているけど、やっぱり砂抜きと泥抜きの手間があるから採取する量は母親と相談するって結論だった。ただ、潮干狩りには行ってマテガイとアナジャコの面白そうな採り方は経験したいとの事だった。
午後の授業も終わり、帰りのHRの開始を待っていると欠席していた細菌検出組が先生と一緒に入ってきた。
「途中から連絡が途絶えた理由はコレか!」
「もうもう。しくじるんじゃないわよ!」
「金髪美少女と繋がる予定があぁぁぁ」
「高校最後のチャンスだから、祈る気持ちで送り出したのにぃぃぃ」
と出席していたほうから嘆きの声が聞こえてくる。
新しくクラスに加わった人達は何があったのかわからずにポカンとしているけど、去年の行動を知っているクラスメイトはまたかよといった雰囲気だ。当然だけど一部の女子からは「サイテー」なんて声も聞こえてくる。
九條先生「知っている人が多いと思いますが、今日は1年はバーべキューの日でした。そして彼らは学校を欠席してまで会場で待機していたようです」
「だって、全員で抜け出すとすぐに見つかるからよ」
「学校に出席するヤツを出し抜けると思ったのにぃ」
「これが知られたら、また筋肉調教がぁ」
と、いつも通りで反省は無いみたいだな。
そして、HR終了後は登校していた人達も含めて全員が事情聴取のために連行されて行ったのだった。
笹嶋「内宮君、潮干狩りの事で少し時間いいかな?」
「もちろん!どうしたの?」
「潮干狩りに行く予定の場所ってホンビノスは無いの?」
「あー。残念ながら無いんだよ」
「そっかー。美味しいから好きなんだ」
「分かる! それならガッカリさせない為に今の内に伝えておくけどホンビノスにそっくりなカガミガイって貝は採取可能で、砂抜きが出来ない貝なんだけど食べるまでのやり方教えようか?」
「うん」
「まずは加熱して、貝殻を開いて身を取り出す必要があるんだ。取り出した身には当然、砂が付着しているから丁寧に取り除く必要があるし、砂袋と呼ぶ部位があるからそれも取り除く手間があるんだ」
「なるほど」
「個人的にだけど、加熱するのは茹でるのがオススメかな。茹で汁で身を洗う事が出来るし、茹で汁は出汁になるからキッチンぺーパーとかで砂を濾せば利用出来るからね」
「確かに」
「ここまで手間が必要なのに、貝殻の大きさに比べて身は小さめなんだ。採取が可能だから皆に伝える為に実際に自分でやったけど、俺はもう採取しないと決めたよ」
「食べる部位が少ないなら採らないほうが良さそうだね」
「砂抜きや泥抜きが簡単なマテガイとアナジャコで十分だと思うよ。あとは、シオフキガイが採れる数が多いから検討すればいいと思う」
「わかった!ありがとね」
「陽翔とデートでの潮干狩りを検討する場合は有料の潮干狩り場のほうがいいと思うよ」
「そうだね。それじゃ、帰るね」
「うん。また明日」
雪華「サルボウガイも砂抜き簡単だよね?」
「簡単だけど調理する前に貝殻をキレイに洗う必要があるだろ?現地で説明して採取するかどうか決めたほうがいいと思ってさ」
「確かに。普通、貝殻は洗うのにキレイに洗うのはどういう事なのかハテナになるね」
「だろ?実際に貝殻にどんなのが付着しているのか見てもらったほうが説明しやすいからさ。あとは砂抜きの手間はほとんど無いから気軽に採れるからな」
「だよね!」
「さ、俺達も帰ろうぜ」
「うん!」
笹嶋さんに説明が終わった俺達も教室を出て帰路につくのだった。




