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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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調査目的の潮干狩り

「ここが釣り倶楽部でやる潮干狩り予定の場所?」

「うん。遠浅とまではならないけどいい感じだろ?」

 保育体験も無事終わった週末土曜に俺と雪華は砂浜に来ていた。とは言っても釣りをするには不向きの場所なんだけど、今の時期はゴカイ類の集団産卵、バチ抜けと呼ばれているのがあるから思わぬ大型魚がいる可能性を求めて釣りに来る人はいるだろう。バチ抜けは夜間に行われるから俺達には関係無いけどな。


「とりあえず、泥で足が沈むエリアを見極めつつ巣穴を探していこう」

「うん」

 ガサガサの時や潮干狩り場と違い、常に雪華の傍で行動する。


「意外と足場は悪く無いね」

「だな。ただ、今日は中潮の周期だから釣り倶楽部で予定している大潮だともう少し先に行くのが可能だ。もしかしたら、そこが危険な可能性もあるから油断は禁物だ」

「そうだね」

 干潮時に中潮や大潮以外では海中になるだろう場所は比較的安全なのは確認出来たから良かった。


「よし、まずはマテガイのサイズを確認するか。この穴に塩を入れてみて」

「はーい」

 塩を入れて少し待つと縦型の茶色いのがニュッと出てくる、それのなるべく下部を持って取り出す。

「ひろ君、いいサイズだよ!」

「だな。自宅分を採っていこう!目安はこの大きさで、小さいのはリリースな」

「うん!」

 マテガイはアサリと同様にある程度の集団でいるから採取は楽だったりする。


「よし!次はアナジャコを釣(・)る(・)か。この筆をこの穴に入れてっと」

 書道で使う筆を穴に差し込んでいく。

 マテガイもアナジャコも同じ穴を探して採取するんだけど穴に違いがあるから判別は可能。ただ、経験は必要になってくると思うけどね。


「この筆って全部買ったの?」

「買ったのもあるし、貰ったのもある。俺が通っていた中学は書道の時間があってさ、小学校時代に使っていたのとは別の書道セットを購入させられたんだよ。それで、卒業前に要らないって人達から筆を貰ったんだ」

「なるほどね」

「高校は芸術科や書道部に入らなければ使用する機会はほとんど無いから、今後書道をする予定が無い人達からすんなり貰えたんだよ」

「確かにね。あたし達が通ってる高校は書道の時間は無いもんね」

 小学校時代に国語の一部で習字の授業があったから処分してなければ雪華も俺と同じ道具を持っている。雪華が通った中学では授業で書道があったかどうかは聞かない。雪華から話すのなら別だけど。


 さて、会話をしながら待っていると筆が穴から押し出されてきたので、毛の部分を掴んでいるハサミを持ってからゆっくりと引き上げればアナジャコの捕獲完了!

「よしよし!アナジャコのサイズもいい感じだな。これなら釣り倶楽部の潮干狩りも大丈夫そうだ」

「だね!それじゃあ、アナジャコも食べる分だけ捕獲しますか」


「ここって他の貝もいるんだよね?」

「もちろんいるぞ!ただ、アサリとアカニシ貝が密漁対象になっている影響でマニアックな貝しか採取出来ないから潮干狩りに来る人は少ないみたいだな」

 今日は土曜なのに採取に来ているのは俺達だけ。釣り倶楽部は俺以外は女子だから、こういう落ち着ける場所のほうがありがたい。

「ハマグリは対象じゃないの?」

「ここはハマグリは無いよ。雪華の言うハマグリは潮干狩り場でたまに採れるシナハマグリだろ?この場所は在来種のハマグリ類は生息していないよ」

「そうなんだ」

 マテガイもアナジャコも家族分を採取したから、今は普通の潮干狩りみたいに砂を掘りながら会話をしている。


「ふうっ。足場の安全面とかを確認出来たから帰るとするか」

「はーい」

 砂浜から近くの階段を上って道路に行くと腕章を付けた人達から声をかけられた。どうやら漁業関係者みたいなので採取物を見せるけど、密漁対象は採取して無いので特になし。


「今日採ったのは晩ご飯で食べるの?」

「アサリみたいに砂抜きが簡単な貝以外もあるから全部では無いよ。ただ、マテガイとアナジャコは食べる予定だ!」

「楽しみだね」

 他に採取したのは赤貝に似ているサルボウガイに外来種のホンビノスに似ているカガミガイ。それと隠れた美味さのシオフキガイ。明日の日曜はこれらの貝が食卓に並ぶことだろう。


 帰宅したら、まずは全部の貝を人工海水とエアレーションをした容器に入れてから暗めな環境にしておく。アナジャコも人工海水に入れて軽く泥抜きをする。長期飼育をする訳で無いから水合わせとかはやらないけどな。

 実はアナジャコ採取していたらフクロムシに寄生されていた個体を発見したんだよ。寄生を研究している人達にとっては興奮するんだろうけど、俺は興味無いからリリースしといたよ。


 その後、俺と雪華の長靴を軽く洗剤で洗ってから干しておく。今回のような泥が混じる場所だと水洗いだけでは泥臭さが消えない場合があるから洗剤で洗う必要があるんだよね。


 アナジャコの海水が泥で濁るから数回交換していれば晩飯の準備をする時間となり、折角だから雪華と一緒に調理する。

 マテガイはバター炒めでアナジャコは唐揚げにして、とても美味しくいただきました!


 あ、今回は調査目的だったから蔵持先生の分はありません。

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