クラス替えの人達は?
「ついに最終学年の3年かあ」
「だな。クラスの入れ替わりが少しだけ不安」
「それも不安だけど、あたしと一緒の2年間はどうだった?」
「毎日が最高に決まってるじゃん!引っ越しするまで同じマンションに住んでいたけど休日は会わない日ももちろんあっただろ?でも、今はお互いの時間があっても朝と夜には必ず会えるんだから」
「だよね。あたし達はひろ君家族との同居だけど、同棲のふたり暮らしの場合はどうなってたのかな?」
「最悪、俺が学生時代はたまにしか会えなくなる出来事があったかもな」
「どうしてそうなるのよ!」
「雪華をその、妊娠させたからとかそういった理由で、だな」
「そ、そ、そうなんだ。で、でも、今まで平気だったよね」
「今は家族と一緒だから、自制心がかなり強いんだよ。でもこれが、同棲や半同棲みたいな環境だったらすぐに雪華を求めていたと思う」
「そ、そうなんだ」
「まあ、それだけ好きだし愛してるってことだよ」
「う、うん。ありがと」
「雪華は俺との生活はどうだ?改めて聞くのは恥ずかしいし、この際だから教えて欲しいんだけど一緒に暮らしていてイヤな言動があったりする?」
「全然無いよ!結婚して夫婦生活になっても不安は無いよ」
「よかった〜」
「一緒に暮らしていると、お互いの食べ物の好みや趣味への理解はとても大事なんだなって思った。彼氏彼女で付き合っているのと夫婦になるのとでは考えに違いが出てくるんだろうな、って思ったもん」
「へえ」
「上手く言語化は出来ないんだけどね、ひろ君となら仲良し夫婦でいられるなって感じるんだ」
「それはありがたいな」
今日は新年度始業式。そんな日だからなのか、少しだけ不思議な感情での登校になっている。感傷的とは違うけど何だろうね?この気持ちは。
「あれ?クラス掲示板見ないの?」
「とりあえず判明している教室に向かうよ」
「はーい、ってそっちは2年の靴箱だよ」
「おっといけねぇ」
「んもう」
学校に到着して3年のクラス掲示板を見ずに靴箱へ向かおうとしたら間違えてしまった。
「「おはよー」」
3年の教室にいつも通り挨拶しながら入る。フム、今の所は同じクラスメイトばかりだな。それにしても今日はみなさん早い登校なんですね?遅刻ギリギリに来る人も教室にいるし。やっぱクラス替えの影響なのかね?そう思っていると内宮班の面々が続々と教室に入ってきた。
「情報通の鳳来さんに聞きたいんだけど、入れ替わる人っているの?」
「貼り出されているクラス掲示板や学校からの連絡は見てないの?」
「名前だけ見てもわからんから、教室だけ確認したんだ」
「なるほどね。結論から言うと男子2人女子3人が新しくクラスメイトになるわ。これは、進学クラスに行った人達の穴埋めとクラスチェンジね。だから同じ人数がクラスから去ったわ」
「へえ。進学クラスに行った人もいるんだね」
「内宮って無関心すぎない?進学クラスに行くと知った時にはザワついたんだけどね」
「そうなの?」
「それと残念ながら?俺達おバカ組は全員同じクラスよ。新しい男子はそこには加入しないと思うけどね」
「なるほど。で、その人達は雪華に危害を与える可能性がある人達なのかな?」
「女子は安全よ。多分だけどクラス内最大派閥の内宮班があるこのクラスに避難させたって見方もある子達だから」
「と、いうと?」
「う〜ん、上手く言えないけどクラスのボスの女子から圧力があったって感じかな。悪いけど男子の内宮には理解出来ない感情なのよ」
「なるほどな。ただ、そのボスから解放されて性格が一変なんてことにもなるんじゃない?」
「その場合は青イソメでも見せれば大人しくなるわよ」
「どゆこと?」
「その子達は大嫌いだから」
「なるほどな。雪華に対して不穏な動きがあれば、それら苦手なモノを連れてこよう」
「その面白いオモチャを見つけたような笑顔はヤメなさい!」
「それで、男子のほうは?」
「内宮は体育で柔道を選択しているでしょ?その授業が終わると厳田や柳原に笑いながら護身術をしているのは学年で周知されているから、恋人のゆきちゃんに近寄らないわよ」
「でも、同じ学年の柔道部員は半信半疑だったけど?」
「武道系の部活に入部している人は1年の途中からは柔道以外を選択する決まりだからね。柳原が柔道を選択出来ているのは部活では無くて、学校非公認の同好会だからよ」
「そうだったのか」
「ただ、新しく加わる男子に洋食屋のオーナー息子がいるから内宮に勝負を挑んでくるかもよ?」
「それは無いよ。だって、経営と調理は別物だし、俺の料理技術は家庭向けだもん。それに、勝負を挑んでくるなら先生達に振る舞う調理中に乱入してくるだろ?」
「確かに、それもそうね。なら、気にする男子はいないわね。もう1人は風呂が好きなオタクだから」
「わかった!情報ありがとう」
「いえいえ」
雪華「ひろ君、美夜子ちゃんと何を話してたの?真剣な表情だったけど」
「ん?ああ。新しいクラスメイトの情報収集をしたんだよ。鳳来さんはクラス外にも友人がいるからね」
「なるほどね」
その後は講堂に移動して始業式を行い、教室に戻ると入れ替わりはあったけど自己紹介の時間は無く委員会を決めて終了。委員会はクラスの女子側のクラス委員が進学クラスに行った影響で不在になったけど新しいクラス委員はすぐに決まり、その他は全員同じですんなりだった。
最後に先生から明日は新入生の入学式があるのを伝えられて本日は解散となった。
そうだ!担任は九條先生で副担任は蔵持先生の同じ先生だったよ。ま、蔵持先生が一緒なのは知ってたけどね。




