山菜
「ダブルデートの提案?」
「うん。昨日の夜に陽翔からメッセージが来てさ、陽翔達が一緒にお出かけしないか?って」
中学生による高校入試の日程も無事に終わり、登校中に陽翔から提案されたダブルデートをどうするか雪華に質問してみた。
「行く場所は決まってるの?」
「山菜料理の催し物があるんだって。それをメインにして、ブラブラするのはどうかなってさ」
「山菜料理いいね!今頃から旬になるもんね」
「スーパーでは買えないマニアックな種類もあるかもだしな。で、どうする?」
「相手は佳奈ちゃんだしいいよ。催し物なら日程が決まってるんでしょ?」
「ああ。行くのは3月半ばの土曜か日曜だな」
「その辺の土日ならバイトも休みだから行けるよ」
「了解だ!陽翔にも行くって連絡しとくよ」
「うん。山菜料理かあ、楽しみだな」
「アク抜きしてから調理してるとはいえ、食べ過ぎはお腹がゆるくなるから注意しろよ」
「んもう。変な事言わないでよ」
「別に変な事じゃないだろうに」
「そうだけど!それでも女の子に対してデリカシーがないわよ」
「わかったよ、ごめんて」
「んもう」
痛くは無いけど、背中をパシパシ叩いてきたので謝っておく。
「佳奈ちゃんにもお腹の事は言うんじゃないわよ」
「わかったよ。でも注意は必要だから雪華から伝えておいてよ」
「はーい」
笹嶋「内宮君、陽翔から連絡きた?ダブルデートの件」
「きた。登校中に雪華に確認したらバイトが休みだから行けるって」
「よかった。久しぶりだねダブルデート」
「そうだね。笹嶋さんとは釣りに行くけど陽翔と一緒なのは久しぶりだよね」
「うん」
「笹嶋さんは山菜平気なの?野菜に比べてクセが強いけど」
「ふきのとうは苦いから苦手。たらの芽の天ぷらは好きだよ」
「なるほどねー」
時間は流れて昼休憩中。雪華が鳳来さんとの会話中に笹嶋さんが話しかけてきた。話しの内容は陽翔から連絡があったダブルデートについてで行けると返事をしたら嬉しそうで良かった。
鳳来「話しに割り込んでゴメンね。ふきのとうの調理法の話題なの?」
「うん。苦みがあるよねーって話してたんだ」
「わかるわー。内宮に枝豆とかを渡したでしょ?あそこから送られて来るけどお母さんが悩んでるもん」
「鳳来さん家って餅つき機はある?」
「ないわよ」
「ふきのとうを草餅みたいにして食べると意外とイケるんだよ。砂糖で甘さを加えられるし、あんこもあるしさ」
「それなら内宮いる?箱に入れられて送られてくるから貰ってくれると本当に嬉しいんだけど」
「いつ頃送られてくるの?学年最後の調理実習でスイーツを作るんだから、日にちによっては実習課題で作ればいいんじゃない?もちろん班で話し合ったのも作ればいいんだし」
「それはアリかもね。今日お母さんに確認してみるわ」
笹嶋「餅つき機はどうするの?」
「ウチのを持参してもいいよ」
笹嶋「あるんだ」
「景品として貰ったんだけどお菓子として食べる餅を作る時に重宝するんだよ。今なら、みかんとかの柑橘系やりんごのフルーツ餅を作ると美味しいんだよ」
「「へー」」
「あはは」
ウチの餅つき機は両方ウィンウィンと音がするから、雪華は朝に起床してキッチン付近を通る時に(あー、餅つき機が作動してるねー)と思っていそうだよな。
「ひろ君てさ、山菜はあまり育てないよね」
「山菜として食用可のやつと形状が似ていて食べると食中毒反応が出るのも栽培してるからね」
「あー、確かに」
「ニラを家庭菜園で栽培してないのも同じ理由だな、水仙を栽培してるからさ」
「彩夏ちゃん達はまだ見分け出来ないもんね。紛れ込んだら大変だ」
「だろ?目を離した隙に収穫していた中に入れられたら困るもん。キッチンでは多分確認しないからさ」
「そうだね」
山菜としても利用可能だけど、山野草マニアに人気のある種類や斑入りと呼ぶ葉に変化があるのは収穫して食べるよりも増殖させて小遣いにしたほうがいいしな。
「そういや百合根も収穫は出来るんだよね」
「だな。増殖に時間がかかるから絶対に食べさせないけどな!」
「ですよねー」
百合根として販売されているのはオニユリ・コオニユリ・ヤマユリ・カノコユリの4種類でウチでは全種類栽培しているぜ。
あとはウバユリって種類もあるんだけど、ウバユリは一回繁殖型といって花が咲くと球根は無くなってしまう性質がある。だからタネを確実に採取しておかないといけないんだよね。タネはかなりの数を採取可能なんだけど百合根同様、収穫までに年単位がかかるから収穫して食べるのは雪華と結婚後なのは確実だな。実はウバユリだけは食べようと思ってるんだよ、食べたことが無いからさ。
「今日は山菜の話題が多かったね」
「だよな」
高校生で山菜の話題で盛り上がるのって少数派だよな、きっと。




