護身術指導再び
学年末テストも無事に終わった土曜日の午前中に内宮班女子全員と一緒に学校の武道場に来ている。テスト期間のバイト禁止も解除されているけど午後から出勤するみたいだ。ちなみに本日の雪華はバイトは休み。
「リクエストがあったので再び護身術の指導をします。不審者情報はありませんが、捕まったとの情報も無いので個人的には感覚を覚えておく為にもいい事だと思います。では、柔軟体操から始めましょう」
「「「「「はい」」」」」
今回は前回手伝ってくれた先輩は不在。大学進学に関するアレコレでお忙しいのだとか。なので今回は1年の男女の柔道部員が手伝ってくれる事になっている。
「まずは前回のおさらいから。腕を掴まれた時の想定を左右両方でやっていきましょう」
こちらを気にする男女の柔道部員がいる中で指導をしていく。
「今回は万が一、後ろから抱きつかれた場合の対処法も教えます」
という事で男子の柔道部員に思い切り後ろから抱きついてもらい。
「完全に支配下にあるのを確認する為に持ち上げてもらえますか?」
と伝えて持ち上げてもらう。その後、下ろしてもらったら、相手の両肘を外向きに広げて拘束された腕の下からスポンと抜け出す。
「今はこちらの両腕が自由な状態で後ろから抱きつかれましたが、両腕ごと抱きつかれた場合は別の対処法があって……」
女子柔道部員「ちょっと待って下さい。え?今、何したの?」
「相手の肘関節をコントロールして、拘束を緩めて抜け出したんですよ。安中先生、俺相手に同じのをしてもらえますか?」
「わかりました」
という事で安中先生に後ろから抱きつき、俺がやったのと同じく抜け出してもらう。本当は恋人の雪華相手にやりたいけど、雪華は別の方法をやりたがるからやらせない。今は初心者に教える時間だからね。
「ここで重要なのは両足が地面についているって事です。なので、持ち上げられた場合は脛を踵で蹴るなどして怯ませる必要があるので、冷静に対処する為にも腕を掴まれた時以上に経験を積む必要があると思います」
教室長!それとなーく護身術教室に来て学ばないか?と宣伝しておきましたよ。
最後に練習に付き合ってくれた1年とは別の2年の男子100キロ級柔道部員が俺の場合の対処法を知りたいと言うので顧問の先生に確認後、投げ技を含めて色々とやらせてもらった。足元を崩された場合の想定でと言いながら捨て身投げを披露したら女子部員から「護身術関係ないんじゃない?」とツッコミをいただきました!あざっす。
舞原「前回もそうでしたけど、息が乱れないんですね」
手伝ってくれた柔道部員もそれぞれ部活に戻り、俺達はストレッチをしている。
「柔道の試合みたいなのだと流石に乱れるけど、この程度は俺にとって準備運動の範囲内だからね。乱れたら護身術教室の後輩達に示しがつかないよ」
鳳来「と言ってますが、安中先生どうなんですか?」
「これは同じ教室生に聞いたのですが、内宮君は教室長に次ぐ実力みたいですよ。ただ、習い事で言う段位みたいなのを取得してないので一番下の位置づけなんですよ」
烏野「何で取得しないんですか?」
「俺が習っているのは雪華や家族、身近にいる人を護る為だからそういうのは邪魔になるんだよ。護身の為に習っているのに手出ししたこちらが警察では不利なんてのは意味無いからね。そんなものいらないよ」
「「「「「おおー!」」」」」
さて、護身術指導も終わり学校を出た俺達はそれぞれ帰路につく。俺と雪華は遠回りして釣り具屋に立ち寄り、サシと赤虫を購入してから帰宅する。その時に近辺の釣果情報を確認するも管理釣り場のトラウト系と湖のワカサギ、海は船釣りだけで防波堤や砂浜の情報は得られなかった。残念。
昼飯を食べ終えたら夏野菜のタネまきや植え付けが始まるから家庭菜園の整備をする。今は収穫を控えるエンドウ豆類とカブしか植わっていないから雑草取りの作業だけだったけど、これからはまた賑やかな菜園になるから楽しみだぜ!
「なあ、雪華が興味あるなら東京方面でやる洋ランの展示即売会に行こうと思うけど、どうする?」
「う〜ん。洋ランの場合は通販やネットオークションのほうが珍しい種類や開花株が売られているよね」
「まあな。即売会のほうは品種改良されたのがほとんどだからな、原種の場合は通販利用のほうがいいな」
「なら、わざわざ時間をかけて東京方面まで行く必要無いよ。デートでの展示即売会なら、ひろ君の好きな日本の野生ランの時にしようよ。それに、穴釣りや潮干狩りにも行くから平気だよ」
「わかった。ただ、潮干狩りは家族で行くのとは別に釣り倶楽部の人達にも声かけしてみようと思う」
「あー、好きそうだよね。特に鳳来さんとか。わかった、行く場合は潮干狩り場?」
「アナジャコやマテガイを採りたいなら別の場所だな。その場合は俺達が持ってるような長靴を購入してもらうけど。穴釣りは雪華だけの予定だ」
「Odotan sitä innolla」
就寝前の時間を過ごし、雪華と別れた後にアナジャコやマテガイが密漁指定されていない場所を検索してから眠りについた。




