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銀髪幼馴染との同居生活がすんごく楽しい  作者: 遍羅


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学年末テスト中の一日

「あのさぁ、そのハマグリが食卓に行くことは無いからね?」

「いや〜、大きな身で美味しそうだよね」

「砂中に潜ってんだから見えないだろうに」

「ここのガラス面から丸見えで潜っている個体がいるのよ」

「まったく。ひな祭りが近づいたら販売されるシナハマグリとは違う種類のハマグリを買ってあげるから」

「はーい。そういや、今年もカクレエビの長期飼育に挑むの?」

「あたぼーよ。去年は産卵から稚エビまでいった後に親共々ダメになったけど見通しは明るいとみた!積極的に狙うぜ」

 朝の飼育部屋での作業中、棚の下段に設置してあるハマグリ水槽を雪華が食材を見る目で見つめているから注意をしておく。ハマグリが嫌う低水温にはならないし、エサのプランクトンも豊富な環境だから身の詰まったハマグリで美味しいだろうなと俺も思うけどさ。


「あ、雪華ごめん。カナリヤを飼育している付近には行かないでくれ」

「どうしたの?」

「産卵や抱卵しているのがいるから、ストレスを与えたくないんだ」

「そっか。カナリヤは繁殖期になったんだね。今年も手乗り用のヒナ鳥を買取してもらうの?」

「おう。老いたペアのヒナを買取してもらう予定だ。ヒナを取られて可哀想とは思うけど子育ては負担もデカいからな。若いペアは巣立ちまで面倒を見てもらって来年のウチの繁殖用と若鳥での買取用になるな」

「それなら老鳥は繁殖させなきゃいいじゃん」

「そうしたいけどメスはこの時期に卵を産むんだよ、オスの有無に関係無くさ。ウチでは例え無精卵でもオスと交尾すると平気なんだけど、メスのみの場合は卵詰まりになって処置が必要になるのが多いんだよ。だから、繁殖期は繁殖行動をさせた上で負担を取り除くことにしたんだ」

「なるほどね、考えてるんだ」

「そりゃ、俺が飼育しているんだから長く健康に生きて欲しいからな」

「その結果、販売店みたいな状況、と」

「品揃えが豊富でございますよ、お客様」

「将来の嫁があたしで良かったね。普通はこんな状況の旦那は嫌われるよ?」

「その場合は一生独身だったかもな。ヤメるという選択肢は無いし」

「趣味に理解のあるパートナーは大事だよね」

「まったくだ」


 ◇◇◇


「高校入試による休校の時の釣りは何にするか決まった?」

「決まってない。狙うなら根魚だけど、繁殖期だからお腹に稚魚がいる可能性が高いだろ?根魚を必要以上に釣らないように伝えてはいるけど、寒い中で釣れたのにほとんどがリリースなんて事になれば不満が爆発するかもだし」

「あー」

 メバルやカサゴは卵胎生。つまり、熱帯魚のグッピーとかと同じくお腹で稚魚にしてから放出する。釣ったメバルを持ち帰って内臓処理をしようとしたら稚魚がわんさか出てきた、なんて事もあるのだ。根魚では無いけどウミタナゴも稚魚がいる可能性があるし、どうしたもんかね。


「捌いて卵の場合は煮付けとかで美味しく食べられるけど、稚魚の場合はグロテスクと感じる人もいるかもだしね」

「だな。それに、資源保護の観点からも稚魚を放出してもらいたいし」

「そうなると、ブダイとか?」

「ワガママ、と言われるかもしれないけど俺が違うの釣りたいの」

「あはは」

 学年末テストが始まっているから、学校は昼過ぎで終了。帰宅して昼飯を食べた俺と雪華はダイニングテーブルにて勉強中。俺も資格では無く、明日実施される科目を勉強しているぞ。今は小休憩中でほうじ茶を飲みながらまったりしている。


「くあー。俺はここまでにすっかな。雪華は?」

「あたしも終わりにする。テストもあと少しで終わりだから寝る前の勉強もヤメてるんだ」

 玄関チャイムが鳴って彩夏が学校から帰宅したので俺はテスト勉強を終わりにしたら、雪華も終わりにするみたい。母さんは双子のお迎えに保育園に行ってる。


 彩夏「おにいちゃん。夜ごはんは何?」

「今日はトンカツだよ。お兄ちゃんの学校近くのスーパーでお肉が安かったからね」

「やったー!」

 近所のスーパーの休店はまだ先だけど、品揃えを見るためにここ数日は学校終わりに冷やかしに行っている。今日は豚肉の安売り日でトンカツ用も安かったので購入してきた。


 彩夏「おかあさん、来週のおべんとおねがいね」

「何か食べたいのがあれば言ってね?」

「うん!」

「ん?あやちゃんが弁当なんて珍しいな」

「来週、社会科見学があるのよ」

「おしょうゆの工場に行くんだよ」

「へえ。どうやって作るのかしっかり見てくるんだぞ?」

「うん!でも、おにいちゃんが作るのといっしょでしょ?」

「あれは家庭用のキットだけど、工場は機械で作るから一緒ではないからね」

「そうなの?楽しみ」

 工場の社会科見学は雪華と行ったな〜。でも、年配の社員の人が雪華の髪への視線がイヤな感じだから背中に庇っていたけど。俺達はお土産にって工場で生産している商品を貰って持ち帰ったけど、彩夏の通う小学校ではどうなんだろね?


「彩夏ちゃんのお弁当はひろ君が作るの?」

「母さんが作るよ。彩夏が母さんに頼んだだろ?あれが“おにいちゃん”なら俺が作ったよ」

「言われてみれば確かにおかあさんって言ったね」

「だろ?ま、給食がメンテナンスとかで休みの場合は母さんに頼んでも俺が作る場合があるけど、学校行事の場合は色々なのを含めて思い出になるからさ。出しゃばるような事はしないよ」

「そっか」

 就寝前の会話中もいつもの調子だから、小学校時代の社会科見学を思い出して、感情が乱れてなくて安心する。

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