バレンタインデー
今日はバレンタインデー。
我が校ではテスト前週間中だけど、少しだけ浮ついた雰囲気がある。校内にカップルがいる恋人同士はモチロン、気になるあの子が持ってるチョコの行方も気になり目で追うことになるのだろう。
厳さん「内宮、知ってるか?」
「何を?」
「他のクラスにハーレム男がいるんだよ」
昌史「俺も知ってるぞ、そいつの事」
「へえ。漫画とかの主人公特性でも持ってるんかね?」
厳さん「取り巻きは3年の先輩から1年までいるらしい」
「ふ〜ん。日本は一夫一婦制なのにバカなの?と思うのは俺だけかな?」
昌史「いや、俺も同感だ」
「でも、今までそんな話しなかったよな」
厳さん「教室が離れた他クラスだから知り合う機会も無いけど、去年の夏休みが終わってから転校してきたみたいだぜ?」
「へえ〜。ハーレム好きなら雪華に声かけしそうだけど、気配は感じなかったぞ?」
雪華は転校生に嫌な記憶があるから、知らずに乗り切ったのなら良かったかな。その頃に情緒が不安定になっていなかったし。
厳さん「それは、他クラスとの合同の柔道の授業の時に内宮は俺や昌史相手に護身術の投げ技と関節キメを笑いながらやるだろ?だから、内宮の目の届く内宮班の女子には手出ししないんだよ」
昌史「だな。柔道は必修科目だから、内宮のヤバさを知っているんだろうよ」
「厳さんと昌史は顔は知っているのか?」
「「知らん」」
「知らんのかーい」
今までの会話は何だったんだよ!ハッ、まさか新作コントの練習だったのかな?でも俺は台本を渡されてないぞ?どうなってるんじゃ〜い。
鳳来「ハーレム男ならいるわよ。愛する恋人がいるうち達には関係無いけど」
「実在するんだ。やっぱイケメンなの?」
「どうかしら?うちは魅力を感じないわね」
「男の俺から言わせてもらうと彼氏がいるのに魅力を感じられても困るけどね」
「あはは。確かに」
舞原「でも、彼の取り巻きは10人以上はいますからね」
「そうなんだ」
厳さん達が話す人物が実在するのか情報通の鳳来さんに確認すると実在するらしい。しかも、舞原さんの追加情報によると10人以上の取り巻きがいるんだとか。スゲー。
「おにいちゃん、こえあげゆ」
「ありがと」
チョコを持ってトテトテ来た女の子からチョコを受け取り、頭を軽く撫でてあげると嬉しそうに目を細めた。
高校の授業が終わった俺は今、保育園に雪華と双子のお迎えに来ていて雪華はショーコ先生と会話中で、俺は双子のクラスの女の子を中心にチョコを受け取っている。保育クラスのママさんで大量のチョコを貰う俺を“何者だ?”と不思議そうに見てくる人もいるから、あの人達は新入りなのだろう。
「「おにいちゃーん。おまたせー」」
チョコの受け取りが終われば愛美と朝輝が元気よく俺に突撃してくるのを受け止めて、先生に挨拶して保育園を出る。
朝輝「おにいちゃんはチョコいっぱいだね」
「あみちゃんとあっくんの仲良しの子から貰ったんだよ。友達いっぱいでいいね」
「「うん!」」
雪華「小さい子とはいえ、あたしは複雑よ」
「まあまあ、兄チョコなんだから」
「この後には彩夏ちゃんのお友達からも貰うんでしょ?」
「そうなるな。ただ、お返しが大変なんだぞ?今日の保育園では愛美達の下のクラスの子からも受け取ったから顔と名前を覚える必要があったから」
「そうなの?何で?」
「多分だけど、前に先生の代わりに絵本の読み聞かせをしたことがあったんだよ。その時に懐いた子達かな」
「んもう。ツッコミどころばかりじゃない」
帰宅して、遊びから帰宅した彩夏に玄関に連れて行かれると彩夏の友達がいてチョコを渡される。お嬢様もいて驚いたけど、彩夏と仲良くしているのは嬉しいな。
「ひろ君、ハイ、愛してるよ」
「俺もだよ、雪華」
晩飯後、雪華が取り寄せたチョコを自室で食べる事になったけど、チョコの香りだけじゃない甘い空間となっている。
「ねえ、キスしよ?」
「今日はチョコ味のキスばかりですなあ」
「さっきまでは唇と唇の間にチョコがあったんだから、キスとは言いません」
「はいはい」
口移しでチョコを食べたら、今度はキスを要望してきたのでチュッとキスしてから抱き合ってお互いの体温を感じる。
甘い雰囲気が終われば、リビングに行ってテレビ番組を見る。今日はいつも見ている番組の特番が放送されて笑わせてもらった。
今年は俺達存在感無くなった組がマシュマロやグミを貰って大歓喜で「アーハッハッハ」と笑っていたけど、翌日にバレンタインで貰うお菓子の意味を知ったらしく落ち込んでいた。嫌いな意味のお菓子を貰った場合もお返しって必要なのかな?と夜しか眠れなくなるような疑問が出来てしまった。




