夜間の外出は違反です
鳳来「へえ〜、タチウオって意外と美味しいのね。偶に見かける銀色の切り身って印象しかなかったけど」
週明け月曜にタチウオの唐揚げ風焼き魚を弁当で持参した。それを見た鳳来さんが食べてみたいと言うのであげた反応がコチラです。
「新鮮なタチウオは幅広く色々な調理が出来るんだぜ?スーパーで販売されているのは加熱調理必須だけどな」
烏野「へえ〜」
明槻「その割に、釣りに行くとは言わないね。それを聞いた後だと少しホッとするけど」
「タチウオを防波堤で釣る場合は深夜帯の釣りになる。つまり、今の俺達では外出禁止の時間帯だから出来ないんだよ。どうしても、の場合は貰ったのと同じく船釣りになるな」
鳳来「なら、卒業後になるのか。夏の夜釣りってのも面白そうね」
「夜釣りなら暑さも和らぐし、紫外線対策も少なくて済む。それに、アナゴが狙えるのも魅力だ」
笹嶋「本当に?あたし、アナゴの天ぷらが大好きなの」
「アナゴの天ぷら美味いよね!一尾を丸々使った豪快な天ぷらも釣れれば可能だぜ?ただ、ゴンズイって毒魚も大量に釣れるみたいなんだけど、ゴンズイは毒の部分を処理して持ち帰ればアナゴ同様に天ぷらで美味しい魚なんだよ」
「「「「へえ〜」」」」
ゴンズイは日中でも胴突仕掛けで釣れる場合があるからな、ハオコゼ同様注意が必要だ!
雪華「卒業後の進学や就職までの休みは夜釣りに連れて行ってと言われるかもね」
「だな。来年の話しになるんだけどな」
寒い時期なら深夜の潮溜りでダンゴウオ採集も可能になるけど、密漁の疑いもされやすいから雪華にそんな思いはさせたく無いしなあ。ま、現時点では繁殖して数が多いから嫁や婿候補に毎年数匹購入するのを続ければいっかな。
雪華「深夜の防波堤ならアイツも採集しやすいんじゃないの?」
「アイツ?」
「お正月にひろ君が言ってたオニヤドカリよ」
「あぁ、タラバを食べた後に話題にしたヤツか」
「うん」
「確かに夜行性だから、日中は潜る必要あるけど夜間なら岸壁採集出来るな」
「でしょ?そう考えると夜間の活動が出来るの嬉しいね」
「まあな。ただし、資格取得の為に勉強も疎かにしてはダメだぞ?」
「Tietenkin」
午後の授業開始が近づき、解散したけど近くに座る雪華と会話は続けていた。オニヤドカリはシャワーのある海水浴場近くの岩場で採集予定だから今年食べられるぜ?
「休店は数日だけど、その間は高校近くのスーパーを利用する必要あるから義妹ちゃんと買い物デートしてから帰れるぜ?」
「それはいいな!制服デートは恥ずかしがるけど自然な流れで一緒に帰れる」
放課後に昌史と教室で会話していると、厳さんと鳳来さんが〈なんだなんだ?〉とやって来た。昌史は中学時代は寡黙だったけど、内宮班の活動を通じて寡黙さが消え口数が増えている。これには義妹ちゃんも喜んでいるし、進学や就職の時にマイナスな印象を持たれないだろう。口数が増えるのに2年近くかかったけどな。
「厳さんも無関係な話じゃないぞ?俺達が利用するスーパーが外壁塗装が終わったと思ったら店内レイアウトを変更するから数日休店すんだよ」
厳さん「え?あのスーパーが?」
「そう!だから、高校近くのスーパーで俺達が買い物してから帰宅してあげる必要があるんだよ。それか、休店日を乗り切る分だけ買っとく必要があるぞ」
厳さん「ま、姉ちゃんのスクーターがあるから俺は平気だな」
「あのな厳さん、駐輪場すら無いスーパーなんだぞ?何回か利用してるんだから覚えときなよ」
「そうだったー!」
鳳来「うちは兄貴のバイクと両親も車の運転が出来るから遠方でも買いに行けるから平気かな」
舞原「内宮君がこの近くのスーパーを一時的に利用するってことは彼氏の家も利用出来ないのかな?」
雪華「あたしはひろ君の祖父母とは諸事情で交流が無いし、彼氏君の母親にも会ったのは一度だけだから、わかんない」
舞原「そっか」
明槻「わたしも利用する店だけど、頼まれても困るなあ」
烏野「そうですね。特に生鮮食品は目利きなんて無理ですよ」
雪華「それなら、ひろ君に頼めばいいよ。あたしも一緒に行くけど」
舞原「どういう事?」
雪華「ひろ君はね野菜と魚介類、それとお米に関する最上位の民間資格を取得してるからね。ま、お肉には興味無いみたいだけど家庭で使うのなら問題無いって」
「「「すごーい」」」
俺達の近くで雪華達も会話している。俺の所持している資格を「すごーい」と言われて雪華も誇らしげなのをチラ見してたら、気がついてウインクしてきた。うん、可愛い。




