サゴシ釣りの翌日
鳳来「そんな訳で内宮お願い!もう一度サゴシが釣れないかしら?」
「無茶言わないでよ。多分、船釣りか沖堤防に行かなきゃ釣れないよ」
烏野「確かにあの美味しさはまだ舌に残ってますね」
笹嶋「あれはうまかった」
桃瀬「貰った立場だけど、家族全員ごはんが進んだよ」
明槻「感想は聞かないでね」
雪華「あはは」
サゴシ釣りの翌日金曜は通常通りの授業があるから登校、そして昼休憩はサゴシ釣りの話題ばっかり。
鳳来「確か沖堤防って船で行く防波堤よね」
「そ。当然だけどトイレなんて無いからね?いつものように気軽には行けないよ?」
烏野「それは不便ですね」
「送迎時間も決められているから、突然の天候悪化とかにも対応してくれないからね?俺は沖堤防には行かないと決めている」
鳳来「なら、来年かあ」
「いんや。狙おうと思えば晩春頃から釣れるよ。ただ、脂のノリは少ないけどね」
笹嶋「そうなの?」
「うん。その頃から初心者にも簡単に出来るサビキ釣りも釣果が期待出来るからね。去年も最初はサビキを中心にやってただろ?」
鳳来「確かに。一足先に始めた千奈っちゃんはウキ釣りとかもしてたわ」
「それに、その頃は俺があげた高級なターゲットも接岸する時期だからね?」
鳳来「なんだっけ?」
雪華「アオリイカよ」
「「「!」」」
「俺達が釣りに行けるのは土日。その頃の休日は釣り人で賑わう防波堤ばかりなんだよ。だから、サビキ釣り以外のターゲットが少なく釣り人の少ない防波堤を選んで行ってたんだから」
笹嶋「そうだったんだ」
鳳来「昨日行った防波堤はどんな感じなの?」
「昨日の防波堤は先端部分の両側が海に面してる場所でやっただろ?」
「うん」
「俺達は友達同士だから窮屈さは感じなかったと思うけど、あれより人が多い中でルアーを飛ばす必要がある」
「確かに」
「投入する狙い目の場所は同じ付近でオマツリの確率は高いし、魚もバカじゃないからルアーに食い付く事も無くなって釣果は見込めないよ」
中には邪魔をしてくる悪質な連中もいる。女の子が釣りをしているなら余計に難くせを付けて、ナニかしらを要求してくる可能性があるから空いた防波堤にしてたんだよね。だから、去年はサゴシ狙いの釣りはしなかったんだ。
「専門に狙う防波堤とは別にイワシとかの回遊魚を追いかけてくる個体も少ないけどいるから、それを狙って俺は釣ってたんだよ」
鳳来「なるほどね」
「ま、今年はサゴシ狙いもするからさ」
鳳来「お願いよ」
蔵持先生「息抜きに釣りに行くのもいいですけど、春からは3年になるんですよ?進学や就職にも目を向けなさい?」
「「「「「はーい」」」」」
チャイムは鳴ってないけど、どうやら昼休憩は終わりの時間のようで午後の最初の授業担当の蔵持先生が入室していた。卒業に向けてお気楽な考えなのは俺だけなのかもしれないから、進級してからは釣りに誘うのは慎重にすべきなのかもな。
「特設コーナーだけど、安くは無いのよねぇ」
授業が終わった放課後、買い物で雪華と一緒にスーパーへと来たんだけど雪華はお菓子売場近くにあるバレンタインに向けたチョコを中心とした特設コーナーを見ていた。
「今日買うの?」
「もう少し先かな。暖房でチョコが溶けるのが心配だし、必ずコレって商品でも無いしね」
「なるほどね」
そう言って値段を見ると包装代も含まれているんだろうけど、いいお値段だね。
「今日は野菜中心の鶏肉料理かあ」
「違うよ?これは、明日の晩飯の鶏だんご鍋の材料だよ。今日は豚肉料理だよ」
「そうなんだね」
明日は冷え込む予報だから鍋料理と母さんと決めてあるからね。
「あたしも持つよ?」
「これ位、平気だって」
「両手が塞がってたら、手を繋いだり腕を組んだり出来ないじゃん!」
「おっと!これは失礼。じゃあ、こっちの軽めのやつを頼むよ」
「うん!」
買い物を終えてスーパーを出た俺達は片手に買い物袋を持って、恋人繋ぎをしながら帰路につくのだった。
「広也に荷物が届いてるわよ」
「わかったー」
帰宅して手洗いうがいをした後、冷蔵庫に買ってきたのを入れていると母さんが荷物の存在を教えてくれる。ま、玄関に発泡スチロール製の箱が置いてあるから帰宅した段階で気付いているけどね。
「何が届いたの?」
「海水魚のエサ用のイサザエビだよ。ひと晩水合わせをする予定」
制服から部屋着に着替え、荷物を飼育部屋に運んだら開封する。数匹死着してるけど、これは想定内。死着したのをウミスズメの水槽に入れるとスグに食べてしまった。
「さ、晩飯の準備までリビングでまったりしようぜ」
「うん!」
お互い、飼育部屋で夜の作業を終えてリビングに移動してまったりする。来週からテスト期間に突入かあ、と思いながらテレビで動画を流していた。




