マラソン大会
「食べた後に走るのってキツイよね」
「授業の時もそうだけど、余裕を持たないと脇腹が痛くなるもんな」
「だよねー」
今日はマラソン大会当日。去年は昼休憩の時間帯に走ったけど、今年は学年最後で学校の授業でいうと午後の授業が開始して少ししたあたりで走り始める。なので、時間としては1年の時より更に中途半端で午前も午後も遊ぶのには不向き。
「さて、そろそろ家を出るか。学校で着替えて現地に向かおうぜ」
「うん」
早めに食べたお昼は軽くうどんだけ。マラソン大会が終了したら再び軽く食べて、晩飯の流れ。俺と雪華の食事量は多いから食事の面でも中途半端だよなあ。
「「行ってきます」」
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
母さんに見送られて家を出て、学校へと向かう。
学校に到着したら、去年同様女子の着替えに開放されている教室で雪華は着替え。俺は授業を受けている教室で着替えても、他に男子は来る気配が無いので教室の自分の席に座って雪華を待つことにした。
「ひろ君、お待たせ。行こっか」
「おう」
教室を出て階段付近の昇降口に向かう廊下で着替えた笹嶋さんと桃瀬さんに出会った。
「笹嶋さんに桃瀬さん、こんにちは。一緒に行かない?」
笹嶋「うん。目的地は同じだもんね」
「なら、昇降口で待ってるから荷物置いてきなよ」
桃瀬「ありがとう。すぐに戻るから」
二人してパタパタと荷物を抱えて小走りで教室へと向かうのを見送っていると。
「佳奈ちゃんと一緒に行けるのは良かったかも」
「ん?どういう事だ?」
「佳奈ちゃんはおムネが立派でしょ?それに、制服でも私服でも無いジャージで寒さ対策に上着を羽織っているだけだから余計に視線を集めると思うし」
「確かに男の俺でも視線は感じるな。学校のジャージで何だ?って感じの」
「でしょ?それがムネにも向けられるのよ」
「なるほどな。なら、去年も大変だったかもな」
「しかも、去年よりも大幅にアップしてるみたいなのよ?あたしは少しだけなのに!あ〜ん」
「雪華だって動きやすいし、ガサガサの時に水面が見やすい自分のムネが気に入っているんだろ?俺も好きなんだしいいじゃん、な?」
「そうだけど!それとこれとは別の複雑な女心なのよ!」
「わかったから落ち着けって、な?」
そう言って俺の胸に顔を埋めるような体勢で抱き合い、背中をポンポンとしていると笹嶋さんと桃瀬さんが戻ってきた。
桃瀬「どういう状況なの?これ」
「色々あってさ。ほら、戻ってきたから行くよ」
そう言って俺の胸をスーハーしている雪華に声をかける。洗濯したばかりだから汗臭くない洗剤のニオイしかしませんよ。
桃瀬「ジャージで走るんだから仮設の着替え場所くらい用意してくれてもいいのにね?」
「管理事務所みたいな施設だけだから無理なんじゃないの?一般開放はしていないから、設置費用が全額自腹の学校側の負担もデカそうだし」
桃瀬「そうだけどさあ。この電車移動が嫌なのよ」
4人横並びで座れるスぺースは残念ながら無く、ホーム側と反対側になるドアに集まっているんだけど、可愛い女子三人に男の俺が一人なもんで男性の視線を感じつつ移動中。
笹嶋「流石に多くの学生がウロチョロしているから不審者は来ないよね」
「居ないとは思うけど、俺が警戒してるから三人は安心していいよ」
さて、会場の最寄り駅に到着。マラソン大会が行われる緑地とその最寄り駅は近いから緑地内に避難させるのは簡単だろうと思いつつも何事も無く会場に到着してクラスの待機場所にいる担任の九條先生に挨拶をする。
「「「「先生、こんにちは」」」
「こんにちは。出欠確認の点呼まで待機していて下さい」
すると、内宮班は厳さんと昌史以外到着していた。
烏野「皆さん一緒に到着したんですね」
「うん。学校で偶然一緒になったからそのままね。ところで舞原さん質問があるんだけど」
舞原「わたしに?」
「この昼過ぎの微妙な時間の先生への挨拶は“こんにちは”で良かったのかな?」
舞原「え?」
「ほら、バイト組なら理解出来ると思うけどバイトに来た時の挨拶は時間に関係無く“おはようございます”だろ?だから、登校と同じになるこの場合はどうなんだろうと思ってさ」
「「「あ!」」」
鳳来「うちら一緒に来たんだけど、普通に「おはようございます」って挨拶してたわ」
「俺達は笹嶋さんと桃瀬さんも一緒だから“こんにちは”にしたんだけどさ」
舞原「う〜ん。どっちでもいいんじゃないですか?挨拶の決まりは校則に無いですもん」
「そっか。ありがとね」
疑問も解消している内に厳さんと昌史も到着して、出欠確認からの準備運動の時間となりました。
昌史「それじゃ厳さん、またゴールで会おう」
「泰ちゃんガンバ!応援してる♡」
厳さん「おい内宮!気色悪いこと言うな!」
「だって、義姉さんから間違って俺のところにメッセージが来たんだもん。ほら」
「本当だ。てか何で内宮に?」
「その前に厳さんの姿の写真を送ったから、その続きで誤送信したんだよ、きっと」
「何だよこれ!昌史に背中を押されて悲鳴を上げてる場面じゃねーかよ」
「べストショットだろ?」
そんな会話をしてたら走り始める時間となり、男子の内側を走る雪華が腰の位置で軽く手を振るのに気付いたので俺も腰の位置で振っておいた。
「ハー、ハー。これで、マラソンも、終わり、だ」
昌史「なあ厳さん、呼吸を整えてからにしろよ」
新山「あはは」
後方で走っていた厳さんも無事にゴール!実は先にゴールしていた人達で軽く大会の後片付けをしてたんだよね、2年が最後だし。ま、体育委員が主導だから手伝い程度で負担にはならんけど。
「それじゃあ、また明日」
現地解散ではあるけれど大体の人達が学校で着替えているし、最寄り駅も同じなので混雑を避ける為に電車をズラして乗車した俺達も最寄り駅に到着する。内宮班でも厳さんを初め一部の人達は直接向かったみたいなので着替え組とはここでお別れ。
鳳来「今日は水曜日でバイトが休みだけど、時間的にどうする?喫茶店でひと休みする?」
「無理にお金使う必要は無いんじゃない?使うなら今度の釣りの飲み物代にしようよ」
烏野「そうですね。夜ご飯の時間も近いですし」
明槻「そだね」
鳳来「なら、そうしますか」
学校に到着して着替え前に話し合った結果、今日は解散となったので雪華と一緒に帰路につく。
帰宅後、軽く腹がへったので雪華と俺は肉まんを食べておいたよ。晩飯は普通に食べられるので、ご心配なく。




