内宮班年末パーティ(中編)
「ただいまー」
「みんなおかえりー」
寛ぎはじめて少ししたらインターホンが鳴り、出てみれば鳳来さん達買い物組が戻ってきた。
レンタルした部屋で毎回思うのは、買い物から戻った時や出迎える時に何て言うのが正解なのかね?自宅と同じでいいのか考えてしまう時があって夜しか眠れなくなるんだよ。
鳳来「こっちの様子は?」
「魚は三枚におろして、アラはこのように出汁を取ってある状態。そっちは?」
「こっちも大きな問題は無かったわ。ただ、鮮魚売場には今回の魚は当然だけど販売してないから参考に出来なくて、何をどうするかで迷っている人ばかりだったわ」
「この辺だと鮮直市場まで行かないと販売してないかもな」
「あそこならありそうね」
「ところで、そのゼリーは?」
「早めに夕食を開始して、ゆっくり食事する予定だけど時間まで小腹が空くから買ったのよ。鍋を食べるのに影響が出ない範囲でね」
「確かに、あと数時間あるもんね」
そんな会話をしつつ食材を冷蔵庫に入れていく。今回のすき焼き用の卵もお高めのを買ってプチ贅沢となっている。
年末の29日ともなればいつもの放送とは違う特番が放送されているので先生達はそれを見ている。俺達は、というとトランプとかのカードゲームやゲーム機の携帯モードで対戦ゲームをしたりして過ごしていたんだけど、炊飯器の蒸気が吹き出す音により鍋パの準備を始めることにする。
厳さん「内宮、座卓の準備出来たぜ」
「次はカセットコンロを2台ずつ設置してくれ。危なくないように離してくれよ」
厳さん「おうよ」
「昌史はこの出汁が入った鍋を厳さんが設置した片方のコンロに置いてくれ」
昌史「おう」
「これから昌史が出汁の入った鍋を何回か持っていくから注意してねー」
「「はーい」」
食器類を準備してくれている女子達に注意をしておく。
「新山君はこの鉄鍋をもう片方に置いてくれ」
新山「何も入ってないですよ?」
「それはすき焼き用だから。牛でも焼いてから調理開始する人達もいるけど、イノシシ肉は完全に火を通す目的で焼いてからにするからさ」
新山「なるほどです」
男性陣に設置作業をしてもらっている間、女子達にも野菜やきのこの下処理も頼んでいる。一応はレンタルキッチンの部類なので、シンクとかが広めに設計されているから楽に作業出来るんだよね。
「それじゃあ、魚をどうするか決まっていると思うから知らせて欲しい」
蔵持先生「ではまず、私達から。コブダイとヒラスズキを鍋用にお願いします」
「わかりました」
先生達にはメジナとカワハギの刺身、それとウツボのたたきの提供は決まっているので、それで十分という事だろう。
「では、これが三人分となります。申し訳ないですが、全員が揃うまでカセットコンロへの点火は待って下さい」
多澤先生「もちろんです」
「それじゃあ、次は誰の番?」
舞原「では、わたしが」
こうして、全員が食べたい魚と食べ方を決めていったのだった。
「まずは海鮮鍋のコンロの点火をお願いします。次に、イノシシ肉のすき焼きの作り方ですが最初に肉を鍋で焼いていきます。肉の脂だけで焼けるので大丈夫です。焦げ目がある焼き加減にするかどうかはお好みでお願いします」
俺の言葉の後、ジュウジュウと肉の焼く音がするようになった。ちなみに、俺の分は雪華が焼いてくれている。
舞原「内宮君、割り下はいつ頃入れるの?」
「好みの肉の焼き加減のタイミングでいいよ。みんなの会話を聞いてた感じだと焦げ目をつけたい人は少し早めに焼きはじめたみたいだしね」
そして、割り下を入れるとジュワーという音と一緒にすき焼き特有の香りがする。いいね、いいね、鍋パらしくなってきたぜ!
「では、煮込んでいる間に乾杯をしようと思うので、ジュースを注いでお持ち下さい」
全員がグラスを持ち、俺も雪華から受け取る。
「今年も1年、内宮班のみんなで仲良く過ごせて楽しかったです。先生方も1年ありがとうございました!」
蔵持先生「内宮君、少しだけいいですか?」
「はい、もちろんです」
「みなさん、今年も1年パーティの時には呼んでいただきありがとうございます。本来ならまだ先の発表になるのですが、みなさん全員は3年も同じクラスになるのが決まっています」
蔵持先生の暴露発言?にザワッとしたけど、すぐに収まる。
「そして、今までと同じく担任は九條先生で副担任は私、蔵持が受け持ちます」
これには納得だよねといった空気になり、うんうんと頷く女子もいる。
鳳来「あのー。入れ替わる人はいるんですか?」
「それは、まだ秘密です。この場には関係者しかいないので言っただけなので」
鳳来「あはは。わかりました」
蔵持先生「内宮君ありがとう。報告は以上です」
「ありがとうございます。みんな!聞いての通り、最終学年も一緒だから引き続き仲良くやっていこうぜ!でも、まずは、今年1年ありがとうってことでカンパーイ!」
「「「「「カンパーイ!!」」」」」
こうして普段の夕食よりかは早い時間から鍋パは開始するのであった。




