異能者IZM第32話~小柴さんのお見舞い~(前編)
32話
汐梨は鏡の中を渡る不思議な力を使い、1分も経たないうちに三重県から東京の自宅に戻っていた。
ほとんどテレポートのような能力ではあるが、異次元空間の中を己の〝印"を頼りに進むのだ。
だからその印を見失ってしまうとたちまち次元の渦の中に閉じ込められて、2度と出てこれなくなるリスクもある。
〝印"を付けた場所であれば、行き来できるし、解除も可能。
とても便利ではあるが、多用すると〝異空間酔い"にあうのが難点。
早速己のデスクの中を漁り、数十枚のお札と丸薬を着用したウエストポーチに入れて、小柴さん達の瘴気浄化の準備をする。
汐梨「…これだけじゃ足りないかも…念の為あそこに行ってみようかな」
そう思い立って、直ぐさま汐梨はまた鏡の前へ立ち、呪文を唱えて鏡の中へ入っていった。
ある場所へ行く為に…
***
そして遠く離れた祖母宅の離れにいる泉雲くんは珍しく悩んでいたのである。
泉雲(…あの消しゴム女がもし死んだら あいつは 悲しむんだろうな…)
泉雲「…あいつに言ったらやっぱりぶっ飛んで行くんだろーか?」
今までの汐梨の〝おともだちの危機"に対する尋常じゃない行動力を思えば想像がつく 頭が痛い…
既に汐梨は動いてるが泉雲は知らない。
「あーくそっ めんどくせぇーな!オレがあっち行くにしたって深夜しか動けねーし 飛ばしても2~3時間かかるだろーし」
※車だと約5時間かかります。
泉雲はわしわしと頭を掻き、ちろりとスマホに目をやった
泉雲「……なんで オレが…」
泉雲は虚無の顔になりながら電話をかけたのだ。
泉雲「なあカラス 」
菊ノ助『わあっ泉雲くんめずらしいね 君からかけてくるなんて♪』
泉雲「どーでもいいけど 誰呼んだんだ?」
菊ノ助『え? なんの事?』
泉雲 イラッ 「消しゴム女の浄化だよ」
菊ノ助(…消しゴム女て…主語がないんだよなー…言葉端折りすぎだから)『あーその話ね!一応払い屋の〇〇呼んだけどね』
泉雲「…あいつじゃムリだろ」
菊ノ助『んー でも 君は遠い所にいるし 他 いないじゃん?え? なになにぃ♪来てくれるの?』
泉雲「…だれが行くっていったよ」
菊ノ助(あれ?…まさか 来る気 あるの?)『えー違うのぉ』
泉雲「…ふん」
菊ノ助(まさか ねぇ~)『…まぁこっちはこっちで最善を尽くすつもりだからじゃあね~』 プツ…
(…うわぁあの子が他人をなんの損得勘定もなく〝助けよう"と考えるのも珍しいんだけどなぁ しかも今三重県でしょ?えー…やっぱムリなんじゃ…やっぱ来ないよ来ない来ない…来るわきゃない)
そして通話を終えた泉雲は
泉雲「……さて どーすっかな いや その前に酒だ! あんのやろぉお~~」
泉雲はまたスマホにズダダッと文字を打ち込んだ。
だが… しばらく待っても
反応無し(未読のまま)それにピキリと青すじを立てて、次は電話をするが…
ー おかけになった電話番号はただ今電話にでる ー ブツッ!
ブチブチッ「あ…あんのやろォ いい度胸してんじゃねぇか」
いつまで待っても返信もない。離れにも来ない藤峰汐梨にイラついてゆく。
そしてプルプル震えながら、
泉雲「~~あいつ いつまで待たせるつもりだ!」
ギリギリと奥歯を鳴らし、握りしめた拳でダン!!とテーブルを叩いて立ち上がり、スパンッ!!と襖を開けてギロギロと廊下を見渡し汐梨の姿を探すが、もちろんいるはずもなく…
汐梨は知らない内にどんどん泉雲の機嫌を損ねていた。
***
そんな それどころではない汐梨は、鏡を渡りある場所に降りたっていたのだ。
そこは日本の桃源郷とも目される その更に山の奥地。
1軒の古びた小さな小屋の中だった。
その中に1つだけ古い手鏡が置いてあり、その鏡がパァーッと光り輝いたかと思えば
その小さな鏡の中から汐梨がスウッと現れたのだ。
そして連続で鏡を渡っているので酔っている。
汐梨「うう…ちょっと 気持ち悪い」
近くの棚に寄りかかり、少し休む。
汐梨はお昼を抜いている事もあって、体調があまり万全ではないが、小柴さんの事を思うとそんな事言ってられないと、目印を施して外に出て更に山の奥へ入っていくのだ。
鬱蒼と茂る藪の中、道無き道を進んで行く。
すると、突然霧に包まれて、花の香りが強くなってきたのだ。
そこで強い風がビュウッと吹いたかと思えば霧が晴れて視界がクリアになっていく。
すると…1面桃の木に覆われた、美しい情景が広がっていたのだ。
ここは神から賜ったとされる禁足地の中にある秘境 本物の〝桃源郷"である。
だからここには不浄なるモノの存在はない。
汐梨「た 辿り着いた」
馨しい桃の香り。木も果実も淡く美しく輝いている。
汐梨は山の神(主)に呼びかけるのだ。
汐梨「や 山の主様 どうかこちらの果実と枝と葉を少しだけ分けてもらえないでしょうか」
汐梨の声が山に響いて消えた瞬間、ザワ ザワザワザワーッ…と風もないのに木々が揺れた。
それを合図に汐梨はポーチの中からあのメガネを取り出して、それを空高く掲げたのだ。
すると…
ー おお …それは この〝桃の木のチカラ"を感じる …お前は〝許しを得ている"のだな ー
汐梨 ごくり…「はい 山の主様 私は貴方様の尊いチカラをお借りしている小さき人間です」
ー…不思議な瞳とチカラを持つ人の子よ よかろう 好きなだけ持っていくがよい ー
汐梨「あ ありがとうございます」
汐梨は感謝を込めてお辞儀をし、桃の果実を2つと木の葉が付いた枝を2つほど、特殊なナイフで切った。
すると不思議な事に切られた枝や桃はすぐ再生して元通りになったのだ。
この地は何千年も、こうして決して朽ちる事なく現状を保っている。
ー はっはっは そんな少しでよいのか?欲がないのぉ ー
汐梨「はいじゅうぶんですありがとうございます」
ー 森羅万象の元 おぬしの好きに使うがよい ー
山の主がそう言うと、汐梨はリュックの中に入れていた1本の〝御神酒"を置いて、
汐梨「お口に合うかどうか 良かったらお納ください」
ー これはこれはかたじけない 遠慮なくいただくとしよう ー
これは山の主様との盟約で、ただ貰うだけの行為は山の主の機嫌を損ねてしまうのだ。
それこそ現世へ帰れなくなってしまう。
だからギブアンドテイクなのだ。
大気の中から小さな手が伸びてきて、その御神酒をひょいっと掴むと、
ザザーッと風が吹き、花びらが舞う。
そして次の瞬間
幻想的な鈴なりの桃の木々が消え去り、
ただの山の木々が生い茂る藪の中になったのだ。
汐梨「山の主様 ありがとうございました」
汐梨は桃の実のついた枝を背負ったリュックの中に入れて、つけた目印を辿り、元来た道を戻って行ったのだった。
そして無事山小屋へ辿り着き、休む間もなく鏡を渡り、自宅の部屋へ戻ったが、
また〝異空間酔い"にあってしまい、
そこでポーチの中に用意した丸薬を1粒飲んだ。
汐梨「……ふぅ やっぱ効くわね」
この丸薬はいわゆる酔い止めの薬。
そして次の行動にでようとすると己のスマホが鳴ったのだ。
それに嫌な予感を感じ確認してみると、
神代泉雲からの7件の通知が表示されていた。
汐梨「…また こんなに来ている…」
ハァー…と大きなため息が出た汐梨の脳裏にいつかのシーンがフラッシュバックする。
ー なんかあったらオレを呼んで ー
それは麦野朱夏を助けた時に言われた言葉。
※24話参照
「!… いや でもそんな事言われても… 言えないし…今回の事は私1人の方が早いと思うし…」
それに1人ツッコミを入れる汐梨。今まで人に頼った事など無い汐梨はブツブツと、
汐梨「…人に頼るって それも神代くんに?そんな そんな…できるわけない じゃない…」
そう言ってギュッと目を閉じあの時にはじめて見た優しい眼差しを、頭の中から消し去ろうとした。 そして 仕方がないので泉雲からのメッセージを確認しようとluin(lineの事)を開いた。 すると
泉雲 てめぇ酒はどーした?? ←1件目
泉雲 遅えんだよなにしてんの? ←2件目
泉雲 オレをおちょくるのもたいがいにしろよ ←3件目
着信×2 ←5件目
泉雲 電話ぐらい出ろよそんなに オレがこわい?←(ちょっと弱気) ←6件目
泉雲 頼む さけ←(さらに弱気) ←New
それを見た汐梨は思い出した。
汐梨「あっあー! そーいえば私 お酒のメモを挟むのわすれてたー!!」
そして焦ってしまい思わず電話をしてしまったのだ。
汐梨(ハッ! わたし ナニしてんの??)
アワアワと焦るが、数コールで泉雲が出たのだ。
泉雲『…もしもし』
汐梨「う… あ あのっ」
泉雲『お前どこいんの? 圏外だったみてーなんだけど』
汐梨「! あっ あの おばあちゃんに お お遣い頼まれて いま 外 なんです ぁあああのっお酒っごめんなさい!離れの台所にリュック置いて ますので」
(おばあちゃんっごめんなさい!)
泉雲 『外にいんの?…お前 来たんなら声ぐらいかけろよ』
汐梨「あっ ごめんなさい すぐ行かなきゃ いけなかった …ので」
泉雲『…ん わかった いつ戻ってくるの?』
汐梨「(…あれ? 言い方やわら かい?)あ…たぶん夕飯頃には帰れる かと あのっ なので しばらく返信できませんので すみませんっ 」
泉雲『…わかった』
汐梨(あれ? すな お…?)
「? では 私 …外 なので」
そう言ってなんとか穏やか?に通話を終える事ができたのだ。
汐梨は動悸が止まらない。
息もなんだか浅く、早くなる。
汐梨「お 怒られなかったけど こんなの…なんだか調子狂うよ…」
汐梨がしばらく動けなくなってる頃泉雲は、
台所に向かいリュックを見つけていた。それを確認して照れ臭そうに、
泉雲「早く言えっての…バーカ」
泉雲は汐梨からの着信で、少しだけ機嫌が直ったのだった。そして気づく…
泉雲(…あれ? あいつ来たんならオレ気配で分かるのになんで気づかなかったんだ?)
泉雲が小さな疑問を抱いている頃、汐梨は東京で山の主様に貰った桃を液体にして小瓶に入れ準備をし、また次の行動に出ようとしていた。
汐梨「…たぶん 小柴さんはあの病院にいるだろうから それなら学校を経由した方が近道だよね? でも もし 違う病院に転院してたら…あーっ今さら考えても!」
人に聞く事が、どうしてもできない汐梨は己の少ない情報だけを頼りに動くしかない。
そしてまた鏡の前へ立ち、汐梨は今度は自分の学校へ向かったのだ。
以前〝印を付けた"あの場所へ…
夏休み中という事もあり、校舎にはほとんど人がいないので、汐梨は無事誰にも見られる事なく鏡を渡れて印をつけた鏡の中から出てこれたのだ。
少しクラッときたが、気にせず足早に出口へ向かい、人目を避けて裏門から街路に抜けた。
今回は〝はじめてのお見舞い"という事もあり、汐梨は失礼のないように着替えてはいる。
※山の主様に会う時は汚れてもいいようにジャージを着用
歩いて近くのバス停まで向かい、病院を目指した。
バスは病院前で停まったので、そこで降りてスマホを取り出し、近くの花屋さんを検索。
1件見つけてそこに向かったのだ。
***
ちょうどその頃院内には刑事の岡松が、以前汐梨に乱暴を働こうとして、泉雲にボコボコにされて入院中の大学生を訪ねていた。
※17話参照
岡松「ー するってーとなんにも覚えてないのか?」
大学生A「あ …あぁ オレら大ケガして気を失って 気づいたらこの病院にいたから…」
岡松「誰にやられたのか 分からない と?」
大学生達は顔を見合せて頷く。
覚えていないのは泉雲の特殊能力で、一部の記憶を消されたからだ。
そんな事は誰も知らない…
岡松(…気づいたら大怪我って…カラオケの個室にコイツら以外にいたのは女子高生2人だろ? 女が3人もの男相手にこんな事できるわけねぇ…そもそもこんな大ごとなのに事件にもニュースにもなってなかった これももみ消された事件の1つだ…)
ー …そもそも犯人は 人間ではないんですよ ー
岡松は謎の〝K"という人物に言われた言葉を思い出した。
岡松(この案件もアイツ(須賀原)からストップがかかってた 普通じゃない事件…バケモンが絡んでやがるって?… いや…マジか?)
大学生B「刑事さんよぉオレら未遂だぜ?それにこれ見ろよ被害者だよな?」
体の怪我を見せつける大学生だが、
岡松「何言ってんだお前ら 余罪があんだろ警察ナメんな」
大学生C「勘弁してくれよぉオレなんて足骨折してサッカーの試合出れなくなったんだぜー」
刑事A「サッカーの試合どころか君たちこれから大学生活も 就活も危ういから ね?」
岡松と同室しているこの刑事はこの市の管轄であり、生活安全課で岡松の後輩でもある。
大学生A「くそっ アイツに関わったせいで散々だ!」
自分たちの悪行を反省せず人のせいにばかりして、今の現状を嘆き、悪態ばかりつく連中に岡松はほとほと呆れ果て、
岡松「はぁー…ところでお前らと一緒にいた女子高生ってどこの学校の生徒なんだ?」
大学生A「…大和だよ」
岡松「ヤマト? 正式名称と女子高生の名前は?」
大学生A「大和仁王学園 麦野朱夏とその連れだよ」
岡松「その連れの名前は?」
大学生A「…覚えてねーよ じみーな変なメガネかけた女だった」
大学生B「いや!メガネ取ったら美少女だったじゃん なまえはたしかーしー …しーし ずか?だったけ?」
大学生C「しほこ? もさ子?いや 忘れたわ」
ある程度の情報を得た岡松は、所轄の刑事と一緒に病室を出て、
岡松「悪かったな つきあわせて」
刑事A「いえ!先輩のお役に立てて光栄ですっ」
岡松「さっき言ってた〝大和仁王学園"って聞き覚えがあるんだが…」
刑事A「あーそれなら高校生連続行方不明事件の事じゃないですか!聴取行きましたよ捜一と一緒に ニュースにもなりましたし」
岡松「あ…あったなそんな事件」
刑事A「なんとも奇妙な事件でしてねぇ…当時学園内で〝神隠し"にあったんじゃないかとか言われてて…でも早々に捜査終了なりまして…」
岡松「…神隠し…」
刑事A「あ!そーいえばその時の発見された生存者3名の女生徒たちがここの病院に入院してますよ」
岡松「なに 本当か?」
刑事A「はい」
岡松「病室は?」
刑事A「…いやそこまでは…生徒達の名前ならわかりますけど…何調べてるんですか?」
岡松「まあ 大した事じゃねぇ 教えてくれ」
刑事A「はぁ…いいですけど…」
そしてちょうどその頃花を買った汐梨が病院前まで戻って来ていたのだ。
小柴さん達の安否を心配し、予めスマホの電源を切って病院の中へ入っていった。
ロビーの中は意外にも空いていて、真っ直ぐ受付まで向かう。
そして 勇気を出して、
汐梨「あ あ…あの」
受付「はい どうされました?」
汐梨「あ…はい あの…こ こしばあかりさんの病室はどこでしょうか?」
(ど どうかこの病院でありますよーに!)
岡松(…ん? 友だちか?)
汐梨の隣には、ちょうど岡松も受付けに来ていて、後輩刑事から聞いた名前〝小柴あかり"の病室は何処かと訪ねに来ていたのだ。
受付「あ 小柴あかりさんですね 少々お待ちください… 」
岡松はちょうど病室を聞いたところでもあって、
岡松「あの失礼 君は 小柴あかりさんのお見舞いに来たのかい?」
汐梨「へ…?」
突然隣の男に声をかけられ、汐梨はびっくりしたが、もしかしたら親族の人かもしれないと思い、
汐梨「はっはい おっ お見舞いに 来ました」
思い切り頭を下げてると、
岡松「俺も今から行く所だからよかったら一緒に来るかい?」
汐梨(!よかった!小柴さんこの病院にいた!!)
汐梨「はっ はい!」
花を抱えた、特徴的なメガネをかけた女子高生風の少女。岡松は刑事の自分が1人で行くより友達を連れてる方が話を聞きやすいだろうと思って汐梨に声をかけたのだ。
汐梨は汐梨で助かったと思って素直について行く事にしたが…
岡松「……」
コツコツコツコツ…
岡松「あの~~ 君 さあ なんでそんな離れて歩くの?」
汐梨「!あっ すっ すみませんっ その あの」
汐梨は元々人間不信で極度のコミュ障。小柴さんの病室が知りたいのは山々だが、神代泉雲で多少は慣れたとしても、見ず知らずの男の隣を歩く事はできない。怯んでしまう。
岡松はそんな汐梨の心情は知らないので、クンクン自分の服を嗅いでいた。
岡松(…そんなに煙草臭いかな? それともアレか…加齢臭でもしてんのか?)
女子高生に〝臭い"と思われたのかもしれないと勘違いし、少し悲しくなっていた。
汐梨「わ わたしのことは…き 気にしないでください…」
(間がもたないよぉ~~早く早く病室について! …でも 私 なんかこの人の顔どっかで見たことあるような気がするんだけど…?)
お互いビミョーな空気の中で、エレベーターに乗り(ここでも汐梨は端っこで縮こまる)降りて目的の病室の近くまで来ると、何やら医者と誰かがモメていた。
医者「ーですから もう少し 検査してみないと原因が明確にならないんです」
患者家族「そんなっ先生そればっかりじゃないですかぁ 血液検査も尿検査だってしたし MRIも受けたのに異常ないって なのにうちのあかりはあんなに衰弱していってるんですよ?どーしてですか??」
どうやら医者とモメているのは、小柴あかりの母親と思われる。
それを見かねた岡松は駆け寄り、警察手帳を提示して仲裁に入ったのだ。
それを見て汐梨はようやく思い出した。
汐梨(あ あー!!あの人華怒鬼町で見た刑事さんだ! え? なんで刑事さんが小柴さんに会いにくるの??)
※22話参照
そして岡松の存在に気づいた近くにいた1人の黒服の男がスマホを片手にこちらに近づいて来て、
すれ違う時に、誰かと通話する内容が漏れ聞こえてきた。
黒服A「あー〝菊さん"問題が発生しました」
と 聞き覚えのある名前が…
汐梨「…え? 菊 さん…?」
(…え 菊さんってまさか…鴉丸菊ノ助さんの事??)
前方の虎(刑事)後方の狼(防衛省?)…
汐梨はじりじりと後退りしながら…
汐梨(ちょ…ちょっとまって…こんな状況じゃあ お見舞いはおろか 浄化なんてっ できないじゃないっっ)
岡松はなんとか患者の母親を宥めて、
岡松「実は娘さんのお見舞いに来た女生徒も一緒なんだがー… アレ?」
紹介しようと後ろを振り返ったが、さっきまで後ろにいた女生徒(汐梨)はいなくなっていたのだ。
岡松は少女の行方を探しに行こうとしたが、小柴あかりの母親が泣き崩れてしまった為、それどころではなくなった。
結局汐梨のはじめてのお見舞いは失敗に終わったのである。
だが…刻一刻小柴あかりの生命の危機が迫っているのだ。
なのにまた逃げ出してしまった汐梨はどうするのか?
次回後編へ続く…
いつも異能者IZMもご閲覧いただきありがとうございます!
後編はおそらく近いうちに投稿できると思いますので目処が経ったらお知らせしますね。
何卒よろしくお願いします。




