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異能者IZM  作者: てんせん
31/33

異能者IZM第31話~夢の中の君~

31話



穏やかな陽射しの中、爽やかな春のそよ風が吹いている。その風に乗って花や草木が薫ってくるのだ。

なんて心地よい良いお天気。後でお布団を干そうと気分が浮かれてくるものだ。


そんな中で誰かが声をかけてくる。


男「 ーひめ… 姫さま 」


汐梨「ん… はい?」

(え…だれ ひめ って なに ?)



そこで誰かに声をかけられ起こされたのだ。


汐梨「ふぁあ… むにゃ…」


「こんな所で眠りこけては 風邪をひきますよ」


声には聞き覚えがあるようなないような…

そんな朧気な意識の中で、

汐梨が薄っすら目を開けた。

ボーッとした頭の状態で、目の中に飛び込んで来た男の姿に汐梨は意識がハッキリし、目を丸くしたのだ。

それは…

見た事ない袴姿で瞳も髪の色も黒く、ただまつ毛の長いつり上がった切れ長な瞳は、

あの碧い瞳を持つ神代泉雲と重なってみえたからだ。

だからどういう事かとガバリと勢いよく起き上がったのである。

その時違和感が…


汐梨(あれ? やたら重い…)


どういう訳か、着ている服が重い…

どういう事かと頭を巡らす前に、次の違和感が…

起きたはずみで己の髪がバサリと垂れ下がって顔の周りを影で覆ったからだ。


汐梨(…あれ? 私の髪 長くない?)


思わず自分の髪を鷲掴みして、キョロキョロと長さを確認する。

その汐梨の動作に男はカラカラと笑いながら、


男「姫様 先ほどから寝ぼけておられるのか?」


汐梨「へ? ひ め…?」


なに言ってんの?と

袴を着た見知らぬ男に〝姫様"と呼ばれて汐梨は困惑し、 とりあえず距離が近いとスクッと立ち上がって、男から離れようと目の前の湖まで着衣を引き摺りながら向かった。

そして…その水面に映る己の姿にまたも仰天したのだ。


汐梨「えっ?? なっ なに??ダレ? デスカ??」


汐梨がワケわからぬまま困惑するのも無理もない…顔や目の色以外は見慣れない姿だったからだ。

まるで平安時代のお姫様のように黒く脚のふくらはぎ程まで長く伸びた髪。そして十二単衣…

何事か? とグワングワン混乱しまくるのである。

そんな汐梨に


男「月湖姫…どうしたのですか?」


混乱状態の汐梨に男が更に追い打ちをかけてくる。


汐梨「? …… つきこひめって 誰のコトですか?」


男「…貴女様です」


汐梨「……??」


男「… 姫?」


汐梨「!いえいえいえいえいえっ!わたしっおひめ様なんかじゃない ナイナイ!ないですからっ ただの藤峰ですからっ」


汐梨が赤くなっり青くなったりしながら全力で否定するのだが…


男「ふじのみね…それが 其方の本当の名なのですね」


汐梨「へ? ホントの 名前」


もう何が何だかサッパリの汐梨に対し、


男「ふふ…忘れてたのですか?貴女様はご自分の事を〝月"と仰った。そして私たちはこの湖で出逢いました 月湖姫はその時に私が付けた名じゃないですか」


……ソンナコト シリマセンヨ?


汐梨はこのカオスな状況を打開すべく、自分なりに考え、頭をひねりに捻って考察してみた。

きっとこの人は誰かと勘違いしてるんだ!と考え直し、何度も何度も自分は

"ただの藤峰"を連呼して伝えた所、


…なんて事だ…男に"ただの"が苗字だと思われてしまったのだ…


汐梨「いえっ でですから違うんです 私は藤峰!と も申しましてっ お姫様なんかじゃないんですっっ」

汐梨はテンパりすぎて、自分の苗字を連呼して訴えたのだ。必死に違うと訴えるが、この男は呑気なのか、


男「そーですか 貴女様は本当は藤みね姫と仰るのですね はははっ 藤のみねですか それは美しいですね だから春が似合うんですね」


そう嬉しそうに言ってにこにこにこにこと微笑む男には汐梨はもう脱力する事しか出来なかった。


汐梨(…… つ 伝わんなかった…この人  ちっとも神代くんとなんか似てないよ なんで そう思ったのよ わたし…)


それからしばらく経ってようやく汐梨は落ち着き、ヘタリと湖の岸辺に座り込んで、色々おかしいと怪しんだ結果


(そうか! これは夢なんだ!)


と 自分なりに頭を捻りに捻った浅〜い結論を出したのだ。


現実逃避ともいう…


汐梨(そーよ !コレは夢よ!じゃないと色々おかしいじゃないっ今頃きっと私はお布団の中だって!)


そう言って汐梨は自分の頬っぺをペチペチ叩いてみた。


汐梨(…痛い よなー気が する?)


なんとも歯切れが悪い。味覚を感じる夢もあると聞くからその1種なのかな?と頭を捻る汐梨は改めて眼前に広がる風景を眺めていた。


サアー…と優しくそよ風が吹き、澄んだ空気と、薫ってくる草木や花の爽やかな香り…


汐梨(…なんでだろ…私この場所 知ってる ような気がする…)


なんとも言えない気持ちにもなるが…こんな似合わない格好…恥ずかしすぎて、早くここから逃げ出したい気持ちもあるので、自分に起きろ!と言い聞かすのだが、そんな事で目を覚ますのなら苦労はしない。

そして虚無の顔になる。


汐梨( でも …どーせ夢なら小柴さんや麦野さんが出てくる夢がいいなぁ…)


そんな風にいじけながら勝手な事を考える汐梨。

そうこう考えていると


男「姫? ご気分でもお悪いのですか? 横になりますか?」


汐梨(わ!まだいる!)


振り向くと、自分の事をとても心配そうにオロオロとしている男が目に入った。


ここから逃げたい! とも思うが…

湖の岸辺まで来てしまって逃げ場が無くなってしまったのだ。


心細くなる汐梨だが…

男を見てると不思議になる。

産まれてこのかたこんなに他人に心配された事などなかったからだ。

あの神代泉雲だって 何故かそばに居る?けどこんな風に己を気遣ってなんかくれない。


だから ああ これも夢だからなんだろう…

と 言い聞かす。


汐梨(…私 なんでこの人を 神代くんと似てるなんて1度でも思ったんだろ 声以外目の色も 髪も色が全然違うのに… 何より 性格が全然違う!!優しい!穏やか!あの粗暴でイジワルで野蛮な…神代くんと ぜんっぜん違うじゃないっっ)←何気に泉雲をディスる汐梨。



汐梨「… だ 大丈夫です元気です」


男「それなら良かったです」


そう言いながら美麗に微笑む男を見て思わず


汐梨(うわーっ…神代くんはこんな風に笑わない!!)←さらにディスる


ただ男が優しく見つめてくるので、目のやり場に困るのである。


汐梨(…そんなに …見ないでほしい)


汐梨は反応に困ってダラダラと汗を流し、変に緊張してくる自分を誤魔化す為にギ ギィ~ッと顔を逸らすのだ。


汐梨「……あの なんでしょーか?」

(お願いだからほっといてほしいんですけどっ)


男「ハッ すみませんっいつも貴女は檜扇でお顔を隠しておられるので…その 素顔を見るのは久しぶりでして…その…お美しいお姿に目を奪われておりました」


(…… はいぃいいー!!??)


そんな 今まで他人に言われた事がない褒め言葉… 汐梨には受け止め方が分からない。


汐梨(……… この人 ナニイッテンダロ…)



普通の年頃の女であれば、異性に言われたら嬉しい褒め言葉なのだが…

汐梨には 1ミリも響かなかった。


そしてある事に気づき汐梨はハッとした。


思い出したように己の顔をペタペタ触り確認する。

普段は外にいる時はメガネと前髪で素顔を隠している。なのに今は前髪も短くメガネも無い。


汐梨(~~夢の中とはいえっ私今素顔だった!!)


そして条件反射のように


汐梨「す すみません!き 気持ち悪いモノを見せてしまってっ」


そんな事 男は一言もいってないのに、いつものクセで汐梨は謝ってしまう。

そして慌てて己の袖で瞳が見えないように隠そうとした。


するとパシッ…と手首を掴まれて阻止されたのだ。


男「…身体に触れる無礼をお許しください ただ 姫があまりにも悲しい事を仰るので…」


汐梨「? いや その…」


男「藤みね姫の美しい若草色の瞳を 私がそのような無礼な事1度でも申しましたか?」


汐梨「……」


汐梨は人と目を合わせるのが苦手だ。

それでもなんとか逃げ場を確保したい。そんな後ろ向きな考えばかり思い浮かべるのだが、

真剣に見つめられて汐梨は男の美しい顔に圧倒されて固まる。


その上初めて男性に 大事な女性扱いされた事が…ある意味ショックで、衝撃的で汐梨はキャパオーバーして逃げたかった…


男は掴んだ手首を離して少し照れながら


男「あ 失礼しました…〝藤みね姫"とお呼びしてもよろしいでしょうか?……あの姫…なぜいつものように私の名を呼んでくださらないのですか?」


(だからあなたのお名前なんて知りませんて!!わたしってお姫様願望でもあるの??)


男「いつものように〝尚久"と呼んでくだされ」


汐梨「え? ええっ??」


うるうると濡れたような瞳で懇願されて、真っ赤になる汐梨は何も言えなくて…

ただ近づいてくる美しい男の顔に耐えきれず、ギ ギぃ~~…とぎこちなく体が後ろに倒れて、そのままドボンッ!と落ちてしまった…


男「あ! 姫っ」


その時水面に映る男の心配する顔を最後に

汐梨はようやく目を覚ましたのだ。


汐梨「…え あ やっぱり夢 なおひー…」


疲れた様子でゆっくり起き上がると、ブツンッ…と頭の中が真っ暗になったかと思うと、次の瞬間、


汐梨「…?あれ なんだったっ …け?」


奇妙な事に汐梨は、見た夢の記憶を失くしてしまったのだ。




地獄の特訓(ほとんど筋力トレーニング)を受けたせいか、汐梨はシャワーを浴びて、食欲がないからと昼は抜いてその後深く眠りについていた。

ボーッとしながら時間を見ると夕方の3時を回った頃で、


汐梨「やだ ずいぶん寝てたのね 私ったら」


そう言いながら部屋着に着替えるためベッドから起き上がろうとするとスマホのバイブが鳴ったのだ。


ブブッ ブブッ …


テーブルに置いたスマホを手に取り確認すると、弟翔太からの通知が30件 父親からは2件 神代泉雲から5件と 結構な通知が届いていた。それにアワアワしてスマホを落としそうになる。


汐梨(…こんなにきてる… ウソみたい…あー翔太からは だいたい予想つくなぁ…)


とりあえず父親から確認しようと開いてみると、元気にしてるか? 怪我してないか?という内容だったので大丈夫と返信した。


そして…残りは翔太と泉雲。


どちらを開けるか1分ほど悩んだ末に翔太を選び 開くと、


なんで言わなかったんだ!電話ぐらい出ろよ!とか予想通りのお怒り内容だったので汐梨は虚無の顔をしながら忙しかったの と一言返信した。

するとすぐ着信が入る。


汐梨「ー… はい」


翔太『はい じゃねーだろ! ぜんっぜん連絡もよこさずに!』


汐梨「…パパには言ってたんだけど」


翔太『しおりはオレに対する愛が無さすぎる!』


汐梨「~~ あーごめんって」


翔太『帰ってきたらデートしろよ』


汐梨「…なんでよぉ クラスの子と行きなさいよ」


翔太『やだよ ガキとデートしてなにが楽しいんだよ』


汐梨(… 姉とする方が楽しくないと思うんだけど…)


問答の末、なんとか弟のご機嫌をとって通話を終えた汐梨はドッと疲れたのだが…

最後にラスボス(泉雲)が控えている事を忘れてはいけない。


汐梨(あーー1番厄介な人に連絡しないといけないーー)


そして汐梨の長考が始まる。

それは 確認するか気づかないフリして無視するか…どうしよどうしよとうんうん唸っているとまたスマホが鳴った。

…嫌な予感がする…

そして汐梨はそろりとスマホ画面に目を遣った。


見ると 予想通り 神代泉雲であった。


やっぱりかと…汐梨はまた虚無の顔になり、手が止まるのだ。

でも さすがにこれ以上は無視できない。

あとが怖いと観念して、ようやくスマホを手にし、泉雲のアカウントをタップしたのだ。

すると


泉雲 あのさオレの酒返して ←1件目


泉雲 ん?ムシ酒のみてんだけど ←2件目


泉雲 おい酒どこかくしたんだよ ←3件目


泉雲 シカト?いい度胸じゃん ←4件目


1件の着信アリ ← 5件目


泉雲 さけ 酒酒酒酒酒酒酒酒今すぐ持ってこい ← NEW


汐梨 (…9割お酒…すんごい怒ってるっっ こわいっっ)


汐梨は泉雲と違って母屋に居る。

そして泉雲は母屋への立ち入りを祖母に禁止されているのだ。


汐梨(…か かみしろくん 本当にお酒好きなんだね…)


汐梨は思い知らされて、部屋の隅に置いた泉雲のリュックに目を遣った。


汐梨(…これは 持って行かないと わたしただじゃ済まないかも…こんなにお酒飲むって うちのパパだってこんなに飲まないのに いやいやそもそも私たち未成年だから! 神代くんて…普段どんな生活してるんだろ…)


そしてふと思った。


汐梨(…あれ? なんか 私自由なくない? ここおばあちゃん家なのよ? いつもならおばあちゃんといっぱいおしゃべりして美味しい郷土料理食べて お散歩したり楽しく過ごすはずなのに… これは なに??)


今さらながら現状を省みる汐梨。


汐梨(なのに 神代くんに気を遣って 命令されて 従って 挙句私まで厳しい特訓につきあわされて~~ 何やってんわたし?)


愚痴は山ほどあれど、とりあえずいつものメガネをかけて、

重い重い足取りで 覚悟を決めて、汐梨は泉雲のいる離れに行く決心をしたのだった。




***



ちょうどその頃離れの泉雲くんはといえば、


泉雲「あんのアホ藤峰め… 寝てました だあ? っざけやがって」


相当イライラしていました。

そんな彼の元に運悪く着信が、それを汐梨だと思ってすぐ出た。


泉雲「 お前いつなったらくんだよノロマか!」


思わず罵声を浴びせてしまったが、相手は汐梨ではなかった。

『ちょっ ちょっとちょっとこわいよっ泉雲くん 突然なに?』


泉雲 「あ…なんだてめぇか 」


電話をしてきたのは菊ノ助であった。


菊ノ助『…だれと思ったの?』


泉雲「関係ねぇだろうぜえな なんか用か?」


菊ノ助『…言い方言い方…んーちょっとね マズい事になったんだよね』


泉雲「マズいこと? なにが?」


菊ノ助『うん 実はね 前に隠れ鬼の被害に遭った女生徒達のなんだけどー…』



菊ノ助から電話がかかってくる少し前、汐梨はいつものメガネをかけてリュックを背負い、離れに向かう道すがらなのだが、


汐梨(…神代くんて私の能力探知出来るし 人が近づくと気配でわかるみたいだから …ちょっと気配消し やってみようかな 通じるかな?)


そして…気配を消す という独自の方法でこっそり泉雲のいる離れまで向かう事にしたのだ。


酒が大量に入ったリュックは離れの台所に置いて、その事を伝えるメモを泉雲のいる部屋の襖に挟む為、部屋までゆっくり近づき襖の前まで立った。


汐梨(……動きがない という事はこっちに気づいてない?)


気配消し成功!と小さく静かにガッツポーズをした汐梨が余裕をみせたのか、中の様子を見ようと少しだけ襖を開けた。すると声が漏れ聞こえてきたのだ。


泉雲「…ふーん あの学校の女たちがまた入院したって?」


汐梨(ん 入院?)


泉雲「え? マジ死にそうなってんのか 弱えな」


汐梨(! な なんのはなし??)


泉雲「そっちに瘴気浄化出来るヤツいねーの?」


汐梨(学校の女の子で… 瘴気って もしかして 麦野さん…いや小柴さんのこと??死にそうって?…)


泉雲「ムリに決まってんだろ オレ今何処にいると思ってんだよ」


汐梨(ちょっと!なんのはなししてるのよ!)


そして居てもたってもいられなくなった汐梨はそのまま走り出したのだ。メモを挟む目的を忘れて…


汐梨(ちょっと待ってちょっと待って小柴さんのコト? …そういえば小柴さんたち あれから学校来てなかったし 私はあの頃色々あってそれどころじゃなかったけど…そーよそーよ!ずっと体調不良で休んでるって…私 なんで今までっまさか まさかまさか!)


考えはまとまらない。汐梨は最悪の想像をして恐怖に駆られた。


バタンッ!と自分の使っている部屋にたどり着き、そのまま座り込んだのだ。


汐梨(だって 神代くんのあの会話の内容って絶対小柴さんの事よね?)


ー マジ死にそうになってんのか 弱ぇな ー


汐梨「た 助けに 行かなきゃ!」


汐梨は恐らく現在小柴さんが危険な状態なんだと察知し、急いで準備を始めたのだ。



***


そして こちらは所変わって東京。


菊ノ助に軟禁されてた刑事の岡松が、解放されて、自宅に戻って来ていたのだ。

そしてその時の状況を少し思い出していたのだった。

※本日彼は非番です




岡松「…俺の妹は …ば バケモノに殺された だと?」


ー ええ そうです ー


岡松「~~んなアホな話 誰が信じんだよ!」


ー 岡松さん 私の妹も 妖によって喰い殺されました だから あなたと同じ立場なんですよ ー


岡松「!!? 喰い 殺された?」


ー あなたがこれから追う犯人は既に討伐されてます ですが妖はその1匹ではないのですこれからも 恐らくこういった被害が増えるでしょう そんな相手になにも見えないあなたではなんの役にも立ちません ですが我々はその妖を視る事ができ、尚且つ討伐する事ができるのです ー


岡松「ーふっ ざけんな…だれが だれが!」


ー ですからあなたの知る情報を私達に渡してください ー




そんなやり取りを、岡松は煙草を吸いながら思い出していた。


燻らせながら


岡松(… 未だに 信じられるかよ ってか自分に見えないモノの存在なんか どう信じればいいってんだ…)


ケッ アホらし と思いながらも少し考えてみる事にした。


岡松(…須賀原のやつが止めた帳場…アイツは知ってるのか? そーいやこの事件以外にアイツが止めた事件あったよな 確かー他の所轄の学生絡みの婦女暴行未遂事件…あれは被害者が不明で容疑者の男共は何故か全治3ヶ月の重体…同期の管轄でグチだけ聞かされて気にもとめなかったが…)


そしてなにかを思い立ったかのように煙草をグシャッと潰して岡松は部屋を出たのだ。


岡松ちょっと あたってみるか


岡松は駐車場に向かい、車を走らせた。



***


そして 汐梨は、泉雲の電話のやり取りで恐らく大切なお友達候補の小柴さんが現在も瘴気に侵されているだろうと予測し、大急ぎで小柴さんの元へ向かう準備をしていたのだ。



汐梨「~~なんでなんでよお? 浄化してくれたんじゃないの? なんで小柴さんがそんな大変な事になってんのよー」


汐梨は珍しくイラつきながら色々考えた。


汐梨(命が危ないって? もう相当瘴気が身体中に広がってるわよね? それなら完全除去は私でも難しいかも…あ!病院は?前と同じ所なら場所分かるんだけどなー)


以前入院した事を知った汐梨はなんとか病院名を知りたくて、自分の持てるスキル(聞き耳、覗き見)をフル活用し、入院先を突き止めて、実は1度だけお見舞いに行った事があった。

しかし、極度の人見知りを発動させてしまい、受付まで行く勇気が無くなって、そのまま引き返してしまったのだ。


汐梨(…今回はそんな悠長な事してられないからっ 絶対中まで! 病室まで行かなきゃ)


向かう準備を済ませて汐梨は深呼吸をし、姿見の前に立つ。


そして1本電話を入れた。


汐梨「おばあちゃん ごめん ちょっと今からいったん家に帰るね」


祖母『…なんやの?急やに なっとしたん?』


汐梨「く クラスメイトの子が 瘴気に侵されているみたいなのっ」


祖母『…瘴気 ?』


汐梨「前に隠れ鬼に攫われた人の話 したでしょ? その人たちが い…命の 危険があるっ…て」


祖母に話をしていると泣きそうになってくる汐梨。


祖母『…あんたが助けたいん?』


汐梨「うん! た すけたい」


祖母『…ええよ 行っといで ぼんにはおばあが上手いこというとくにぃ困った事があったらまた電話しといでなぁ』


汐梨「う うんっ ありがとう!」


汐梨は電話を切り、姿見に手をかざした。


汐梨「マコトの我を写しモノよ その先に導かん」


すると…

あの時のように鏡が光を強く放ったかと思うと、そのまま汐梨の身体は鏡の中に吸い込まれたのだ。


小柴 時田 杉田は瘴気に蝕まれて命を堕とそうとしている。


その尊い命を助ける為、汐梨は1人東京へ向かうのだった。











































いつもご閲覧ありがとうございます!

また次回は書き上がったら投稿しますのでよろしくお願いします。

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