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婚約者を交換ですか?いいですよ。ただし返品はできませんので悪しからず……  作者: ゆずこしょう
年の始まり

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23/46

久しぶりに家族集合。

お母様とお茶会をした後、私はお父様にも同じ話をした。


お母様から話を聞いていたのだろう。


お父様は二つ返事で「うん、いいよ」とだけだった。


それから年末までの一か月間、私は公務の傍ら商品開発を行い、何とか形になるところまで来ていた。


「オスト様は年越しはどうされるんですか?」


「まだ決めていない。何もなければ王宮で過ごすことになるだろうな。


メルティは領地に帰るのかい?」


年越しに他国との外交などはないし、急ぎの用などがなければ王宮で過ごすのが当たり前だろう。


「そうですね……私は一度領地に帰ってきたいと思います。


お父様がオルフェウスお祖父さまと連絡が取れたようで、久しぶりに帰ってくるみたいなんです。


ヘルお兄様も一度帰られると仰っていましたし、何故かオリオンお祖父様たちも来られるそうなので……。


とても賑やかな年越しになりそうです」


ヘルお兄様は年明けにまたダルデンヌ領に戻らなければいけないようだし、家族全員が揃うなんて早々ないことだろう。


結婚すれば私もそうそう一緒に年越しできるわけでもないし、領地に戻ってゆっくりしたいと思う。


「いいね……それ。


俺も参加したいんだけど、いいだろうか。


勿論、父上と母上には伝えておくから安心してほしい」


何を考えているのかわからないが、急に参加したいと言ってくるオスト様。


――これはもう、何が何でも来るやつだ。


そう思った私は、断るのを諦めた。


***


そして年越し数日前。


家族皆がコルベール領の屋敷に集まった。


「オルフェウスお祖父様、ヘラお祖母様!お久しぶりです!」


「メルティじゃないか。数年見ない間に、ますますアフロディーナに似てきたな」


お父様に家督を継いだ後から全く帰ってこなかった二人が、久しぶりに帰ってきた。


なんだか、ここにいたときよりもすごく若返っているような気がする。


これも二人で色々なところを旅してきたからだろうか。


お祖母様の肌もすごくスベスベだ。


「あら、ヘラじゃない!なんだか若返ったんじゃない!?」


三人で話していると、ディアナお祖母様が寄ってくる。


「ディアナ!久しぶりじゃない!!元気そうでよかったわ!」


この二人、本当に仲がいいみたいで、子供のようにお互いの手を取り合って喜んでいる。


「えぇ、お土産話がたくさんあるから、あとで聞いてちょうだい」


そのあとはヘルお兄様が帰ってきて、皆がどんどんダイニングルームへ向かっていく。


私はその後ろ姿を見ながら、オスト様が来るのをエントランスで待っていた。


すると――少し遅れてオスト様がやってきた。


「すまない、待たせたかな……」


「オスト様。大丈夫です。お待ちしていました」


オスト様の後ろには、フードをかぶった人物が二人。


――護衛、だろうか。


「その後ろの方々は……?」


「それが……」


後ろの二人が、ゆっくりとフードを外す。


「メルティよ、久しぶりだな」

「久しぶりね、メルティ……」


「……え?」


オスト様は気まずそうに苦笑していた。


「二人に年越しの話をしたら、自分たちも行きたいと聞かなくてね……ついてきてしまったんだ。すまない……」


――まさかの。


ウラヌス国王陛下とガイア王妃まで一緒に来てしまったのである。


なるべく平静を装いながら挨拶をし、二人を中へ案内する。


今日は特にパーティーなどをする予定はなかったので、いつも通りダイニングルームでの食事だ。


……つまり。


年明けまで王族三人がこの屋敷に滞在する、ということになる。


部屋は余っているので問題はない。


ただ、準備も必要だ。


私はバネッサに伝えて部屋を整えるよう指示を出し、そのまま皆の待つダイニングルームへ向かった。


「お母様、お父様、オスト様が到着いたしました」


「そう……」


以前、長く滞在していたからか、あまり気にした様子もない。


お母様たちにとっても、オスト様はすでに家族の一員なのだろう。


――アポロ様の時とは大違いだ。


「ふふ。アフロディーナは相変わらずですね……」


「アレウスだよ」


私とオスト様の後ろから二人が顔を出した瞬間。


全員の動きが止まった。


「「「「「なんであなた方までここにいるんですか……!?」」」」」


見事なハモりだった。


思わず拍手したくなるくらいだ。


お父様たちは慌てて立ち上がり、片膝を下げる。


「ハハハ!驚かせたくてな。


オストが行くというし、ついてきてしまった」


「何、楽にしてくれ。


メルティももうすぐ王族になるのだ。


お前たちとは家族も同然だろう……」


確かにそうなのだが――


それとこれとは話が違う気がする。


「はぁ……ウラヌスは後で執務室に来てくれ。


取りあえず皆揃ったし、ご飯を食べよう」


お父様の一言で、ようやく場が動き出す。


侍女たちが料理を運び、私はヘルお兄様の隣に座る。


そしてオスト様は、迷いなく私の隣に腰を下ろした。


食事の時間は、穏やかに流れていく。


オスト様やヘルお兄様と談笑しながら食べていると、あっという間に二時間ほど経っていた。


ニケお兄様は久しぶりに帰ってきたオルフェウスお祖父様の話で盛り上がっている。


性格的にも二人は似ているので、話が合うのだろう。


お父様はウラヌス国王陛下やオリオンお祖父様と。


お母様はガイア王妃やお祖母様たちと。


それぞれ楽しそうに話をしていた。


「さて、だいぶ夜も更けてきたし、そろそろお開きにしようか」


私はヘルお兄様に、時間があるときに例の話をしたいとだけ伝え――


そのまま自室へと戻った。

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