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魔導図書館の司書は、伝説の本を求めて、本日も迷宮を散策中です。  作者: ラズベリーパイ@天安門事件


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26/30

実はゴミ拾いをしていたらしい

 次の日。

 図書館に集合してから、その迷宮に潜る事になっていたのでまずはそちらに集まる事になる。

 結局私達は見つけられなかったが他の司書が本を一冊見つけた。


 それは非常に喜ばしい事である。

 その一冊だけでも報奨金が出る。

 しかも、危機を未然に防げたわけである。


 さて、それはいいのだが……何故か今日、あの迷宮に再び潜ろうという話しを私達の内々でしていたのである。

 そう、昨日の帰りにそういった約束をしたのだ。

 なのに今日。


 図書館にやってくるとミトがいた。しかも、


「迷宮、ダンジョンナンバー45『森の蜂蜜クマさん』に行くんだって?」

「!?」


 これは私もだが、シオリも驚いていた。

 そしてシオリがミトに、


「どうしてそこに行くと御存じなのですか?」

「シオリさんが行く所なら、大体の場所は把握しています」


 微笑むミト。

 だが微妙にシオリは引いているようだ。

 しかもこのミトはどうしてか分かっていない。

 

 恐らくはいい所を見せたいのでそういったのだろう。

 僕には全部分かっているんですよと。

 ただそれを聞いた女性の場合、どういった反応をするかというと……まああれです。

 

 何でこの人私のいく先を知っているの? まさか……となるわけで。

 それに関して言おうかと思った私がそこでカイがやってきて、


「フィーネ、俺が先に来たらミトがいたから本を渡しておいたぞ」

「ありがとう。それでミトに行く先を話したのはカイ?」

「そうだけれど、何か問題があったか?」

「うんん、無いわ。ミトが困る事態があっただけ」


 この会話で、シオリが察すればすべて終わり。

 けれどちょっと分かりにくかったらしく、シオリは不安そうにミトを見ている。

 なので私はとりあえず、


「カイが先に行き先を話していたから、ミトが知っていただけよ。別にミトがストーカーとか盗聴器仕掛けてたとかではないから安心しなよ」

「! い、いえ私は別にそんな……」


 シオリが慌てたようにそういいだすけれど、ミトは笑顔のまま凍りついて、けれどすぐに、


「うん、流石の僕もシオリが気になってはいるけれどそこまではしないかな」

「そ、そうですよね、ごめんなさい……」

「いえ、僕のいい方に問題がありましたから」


 といった話をしているのを見つつ私は、ふむと頷く。

 この感じだと今日はミトは付いてこないのだろうか。

 よし、入場料が浮くと私は思いながら、


「それでミト、貴方は私達と一緒に来ないわよね、もちろん」

「ごめん、今何を言ったのか全く聞こえなかった」

「分かったわ。私も鬼じゃないからもう一度言うわね。ミト、貴方は私達と一緒に来ないわよね、もちろん」

「いや、全然聞こえなかったね。声が小さすぎるんじゃないかな」

「……」

「……」


 お互い沈黙する。

 そこで私は溜息をつき、


「どうあってもついてくる気ね」

「もちろん。何か問題があるのかな?」

「その水色の本の回収は? 昨日は大変だったのよ?」

「別の人に来るよう頼んだから問題がないよ。というわけで今日もよろしく」

「……入場料は払いなさいよ、自分で」


 ついてくるならいい加減それくらいと思ったのだけれど、そこでミトが頬笑み、


「ごめん、聞こえないや」

「……これも全部図書館の支出になるのに。きちんと全部、ミトの名前入れているから」

「それで良いんだよ」

「……」


 ミトの名前が入っているから良い、それを聞いて私は私で……面倒臭いと思った。

 誰が目的何だろう。

 私か、シオリ……それともカイか。


 そもそもカイノアの剣はとても危険なので、さらに“監視”を強めていてもおかしくは無いのだけれど。

 そこで私は溜息を一度ついて、


「だったらせめて、あの迷宮に入る前の行列をフリーパスにして欲しいわね」

「雑談する時間も大切だと思うよ。必要のない情報かどうかは後になって分かるしね」

「……」


 そういった事はさせないよと暗に断られてしまった私。

 何だかなと思いつつ私は、シオリ、カイ、ミトと共に目的の迷宮に向かったのだった。









 さて、私の勤め先の魔道図書館リザから徒歩五分。

 都市の外れにある、迷宮、ダンジョンナンバー45「森の蜂蜜クマさん」。

 都市に近いというだけあって、相変わらず素敵な行列になっている。


 人が多い人が多い。

 そこで雑談する事、数十分。

 気付けば今回の件が終わってから、皆で遊びに行く事になっていた。


 確かに以前水族館などに行く約束をしたが、日取りまで完璧に決められてしまった。

 なんでもミトが休みを取れそうな日に合わせることとなったらしい。

 さてそうこうしている内に、私達の順番がやってくる。


 後はもうこの前と同じように道を進み、ぽちっと罠を押して、


「急ぐわよ皆ぁああああ」


 と叫びながら巨大な岩石から逃走し、例のくぼみに入り込み、壁を壊して中に入る。

 輝く回廊を進みあの剣が刺さっていた場所まで私達はやってきた。

 天井部分は以前破壊したけれど無事修復されてしまったらしい。


 そうでなければ上から空を飛んで入り込むことも可能だった気がする。

 それとも天井から破壊してここに入り込むか。


「そうね、それも手ね」

「どうしたんだフィーネ」

「あ、カイ。地上部分からここの天井を破壊して入り込んでもいいかなって」

「……どの程度回復するんだろうな」

「さあ」

「こういった迷宮を壊すのもアレな気がするんだよな。色々とれるし」

「影響があるのかな……話しによると、世界の狭間にある物が入り込んで魔物を作っているようだし。あ、異界の物が飛んでこなくなる可能性もあるのか。そういえばどうしてい界の物がこういった迷宮に飛んでくるのかな? まさか、世界の外側に物がでていってまれに迷宮に落ちてくるとか?」


 私がひとり呟いて考えているとそこで、剣の妖精のミルが現れて、


「そうですよ、ご存じないんですか? 魔物が現れるという事はそれらと世界の外が繋がっているので、世界の外に出てしまったいわゆる“(デブリ)”のようなものが、結構この世界の迷宮に落ちてくるんですよね」

「……つまり私たちは、ゴミ拾いぽしているような感じ?」

「そうなりますね。やはり我々の下位世界はこのようなもののようです」

「ドヤッとするな。それにしても私達の世界には何で異界との接触がこんなに多いのかしら」

「それはこの世界が、したの方にあるからですかね。他にも下の世界がありますが」

「ということはこの世界経由で幾らでも別の世界に行ける、交通の要所みたいになったりする?」

「そういった考えもありましたが、現在何処の世界も自分のところだけで精一杯なんですよね」

「? そうなの?」

「やや文明崩壊していますからね……」


 人事のように呟くミル。

 それを聞きながら私は少し黙ってから、


「異世界人て、この世界に住んでいるのかな?」

「直ぐ側にいるじゃなですか」

「……そういう意味じゃなくてね。まあいいわ。それよりももう一度本を探さないとね」

「よーし、私はご主人様をそそのかして、破壊の限りを尽くすようにしようっと」


 それを聞いて私は沈黙し、カイを見る。

 カイはふうとため息を付いてから、


「ここまで短い付き合いだったが、もう一度この剣をあそこに戻そう。きっとそうすれば新たな持ち主が見つかるまでというリセットがされたりするのかなと俺は思っている」

「ば、爆発しますよ」

「ここから離れて爆発するならいいかな」

「ま、待ってください。ちょっと調子に乗っただけなんですぅううう」


 焦る剣の妖精ミルの様子を見ながら私たちは、この部屋の本棚を再確認する。

 水色の表紙を全て見ていくも、


「全く無いわね。となると……あそこの壁の下かな」


 私はそう呟いたのだった。


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